【2025年最新版】犬の幹細胞治療とは?費用、病院、最新情報・難病への効果を飼い主さん向けに解説

幹細胞治療 犬の健康

愛する家族がもしも
・病気
・ケガ
で苦しんでいるとしたら…
…胸が締め付けられるような思い。
特に獣医さんに

従来の治療では難しい…

と言われたら…

もう打つ手はないの???

と諦めてしまうかも…

しかし!
諦めるのはまだ早いかも!

今、獣医療の世界では
幹細胞を用いた再生医療
がまるで
希望の光
のように輝き始めています。
これまで「治らない」とされていた病気に
・再び元気になるための
・新たな道筋を示す

可能性を秘めているのです。

ここでは、その最先端医療について
飼い主さんが知りたい情報を
・優しく
・わかりやすく
解説していきます。
愛犬に、もう一度
元気な日々を取り戻す
ためのヒントが見つかるかもしれません。


犬の幹細胞治療とは?

幹細胞とは?
・様々な細胞に変化する能力
 =分化能
・自分自身を複製する能力
 =自己複製能
を持つ、いわば
万能細胞
です。
犬の体にも
・脂肪
・骨髄
・歯髄など
様々な組織に存在します。

幹細胞治療は、この幹細胞が持つ
強力な
「組織修復」
「抗炎症」
「免疫調節」

作用を利用し
・病気
・ケガ
で損傷した
組織の再生
を促す医療です。
従来の治療法で
・効果が見られない
・副作用が懸念される
などの場合の新たな選択肢として注目されています。

幹細胞治療の「自家」と「他家」

幹細胞治療と一口に言っても
治療に使う細胞
によって
「自家」
「他家」
の2つの方法に分かれます。
この違いが
・治療の進め方
・メリット・デメリット

を大きく左右します。

●自家幹細胞療法
愛犬自身の
・脂肪
・骨髄
から幹細胞を
▶採取▶培養し▶体に戻す
方法です。
拒絶反応のリスクが極めて低い
のが最大のメリットです。
ただし、幹細胞を培養するのに
2〜3週間ほどかかる
ため、急を要する治療には向きません

●他家幹細胞療法
健康な別のワンちゃんから
▶採取▶培養
された幹細胞を使用する方法です。
既製品として利用できるため
急な治療にも対応できます。
免疫抑制作用が強いため
▶拒絶反応は起こりにくい
とされています。
自家に比べてコストが高くなる傾向。

動物再生医療技術研究組合(PARM)
の臨床研究では
必要なときにすぐに利用できる
他家細胞移植
を採用しています。

幹細胞治療の投与方法と処置期間

幹細胞治療には、主に以下の2つの投与方法があります。
どちらの方法を選択するかは
・治療する病気
・愛犬の状態
によって異なります。

●点滴投与(静脈投与)
通常の点滴と同じように
血管へ幹細胞を投与する
方法です。
この方法は
麻酔が不要
なため、体への負担が少ない
優しい治療
であると明記されています。
全身の組織に幹細胞を届けることができ
▶内科系の疾患治療によく用いられます。

●局所投与
治療効果を期待したい場所に直接
注射器を用いて細胞を投与する
方法です。
・関節
・脊髄など
▶特定の患部に
▶集中的にアプローチしたい
場合に選択されます。
局所投与では
・手術
・麻酔

が必要な場合もあります。

どちらの投与方法であっても、一連の処置は半日〜1日程度で終了します。

幹細胞治療を検討すべきはどんなとき?

老犬の病気は、飼い主さんにとって
大きな悩み
でしょう。
特に
「従来の治療では難しい」
と言われたとき
「幹細胞治療を検討するべきか?」
迷う方も多いのではないでしょうか?

幹細胞治療は
通常の医療と対立
するものではなく
治療の次の一手
として
・症状の緩和
・QOL(生活の質)の向上
を目指すものです。

ここでは
1.幹細胞治療を検討してみる価値のある具体的なケース
2.通常医療との境界線
について解説します。

1.幹細胞治療を検討すべきシーンと病気

幹細胞治療が
特に力を発揮するのは
①従来の治療だけでは十分な効果がない
・慢性疾患
②手術の負担が大きい
・老犬
・持病のある犬
です。

●老犬で手術や投薬が難しい場合
・加齢
・心臓病
・腎臓病

などの持病により
・手術の際の麻酔リスクが高い
・体に負担のかかる治療が難しい
などの場合に
幹細胞治療が選択肢
となります。
体への負担が少ない
点滴投与
が中心のため、多くのケースで適用が可能です。

●従来の治療で効果が見られない慢性疾患
特定の薬を長期的に使用しても
・症状が改善しない
または
・薬の副作用が強く出ている
場合に、幹細胞治療が
次の選択肢
となります。

通常医療との「境界線」を見極めるための指標

幹細胞治療は万能薬ではありません。
まずは
▶獣医師と相談し
▶通常の医療を試す
ことが大切です。
その上で
以下のような状況
になった場合に、再生医療を検討してみるのが良いでしょう。

●治療の目的を検討
◇通常医療は
病気の原因を取り除くこと
を目的としますが
◇再生医療は
・身体の自然治癒力
・免疫の働きをサポートし
失われた組織の修復を促すこと
を目的とします。

●治療のタイミング
通常医療を一定期間試したが
・十分な効果が見られない
または
これ以上薬を増やすのは避けたい
と感じたときに、次のステップとして検討します。

●費用とリスク
再生医療は自由診療のため
超高額
になります。
リスクは低いですが
100%安全
とは言い切れません
・費用対効果
・愛犬のリスク
を考慮する必要があります。

どんな病気に有効なの?

犬の幹細胞治療は、特に
・慢性的な疾患
・従来の治療が難しい疾患
に対して効果が期待されています。

動物再生医療技術研究組合(PARM)
の臨床研究で対象となっている
(2025年4月現在)
犬の疾患は以下の通りです。

●整形外科疾患

◇変形性関節症

※関節の軟骨が徐々にすり減り
骨同士が直接こすれ合うことで
痛みや炎症を引き起こす病気

最も多くの症例が報告されている疾患。
幹細胞が
▶炎症を抑え
▶関節の痛みを軽減し
▶軟骨の再生を促す効果
が期待されています。
治療により、歩行困難だったワンちゃんが再び走れるようになった症例もあります。

◇椎間板ヘルニア
特に重度の椎間板ヘルニアで
・外科手術後も症状が改善しない場合
・外科手術が難しい場合

に適用されます。
幹細胞の投与により
▶神経組織の回復を促し
▶麻痺の改善を目指します。
2021年には、日本の法律で
「犬の胸腰部椎間板ヘルニアに伴う臨床徴候の改善」
を効能効果とする幹細胞製品が
世界で初めて承認
されています。

◇非感染性髄膜脳脊髄炎

※感染症以外が原因で
・脳
・脊髄
を覆う髄膜に炎症が起こる病気

◇外傷性脊髄損傷

●慢性内科疾患

◇消化器:慢性腸症(CE)
消化器の炎症を抑え
▶症状を緩和する目的
で行われます。

◇肝胆膵:肝炎、膵炎

◇泌尿器:慢性腎臓病、急性腎障害
慢性腎臓病では
▶腎臓の炎症を抑え
▶線維化=組織が硬くなるを抑制することで
腎機能の低下を緩やかにする効果
が期待されています。
完治は難しい病気ですが、幹細胞治療が
QOL(生活の質)の維持・向上
に貢献する可能性があります。

◇血液
・免疫介在性溶血性貧血
・免疫介在性血小板減少症
・非再生性免疫介在性貧血
・再生不良性貧血

◇内分泌:糖尿病

●皮膚疾患

◇アトピー性皮膚炎
アトピーによる皮膚の
・炎症
・かゆみ
を抑える目的で検討されています。

◇天疱瘡
・尋常性
・落葉状

※免疫系
▶誤って皮膚の細胞を攻撃する
ことで発生する自己免疫疾患です。
皮膚に
・水疱
・膿疱
・かさぶた
などの症状を引き起こし
▶場合によっては全身に広がることも

●眼科疾患

◇乾性角結膜炎(ドライアイ)
角膜の再生を促す目的で臨床研究が進められています。

●口腔疾患

◇歯周病
・骨
・組織
の再生を目指す治療として研究されています。

新たな再生医療の選択肢:血小板由来成長因子(PGF)療法

幹細胞療法とは異なる
血小板由来成長因子(PGF)療法
という再生医療も注目されています。
これは、健康な犬の血液から
・細胞の増殖
・細胞の分化
を促進するタンパク質の総称である
成長因子を
▶抽出▶濃縮して▶投与
する治療法です。

PGF療法
・組織修復促進効果
・抗炎症効果
が期待されており
関節疾患
眼科疾患
  ・乾性角結膜炎
  ・角膜潰瘍

に効果が期待されます。
他家の血液を使用するため
・事前の準備が不要
凍結乾燥して製剤化するので
・室温で保管可能
なことが大きな特徴です。


治療の費用は?

犬の幹細胞治療はまだ
保険適用外
の自由診療のため
全額自己負担
となります。
費用は
・動物病院
・治療内容
によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

●費用相場
50万円~100万円以上

●内訳

◇検査費用
幹細胞治療の適応を判断するための各種検査費用。

◇幹細胞の採取・培養費用
自家幹細胞治療の場合
・脂肪組織などを採取する外科手術費用
・幹細胞を培養する費用
が含まれます。

◇投与費用
幹細胞を投与する際の費用。
・投与回数
・方法
  ・点滴
  ・関節内注射など

によって変動します。

◇その他
・麻酔費用
・入院費用
・薬剤費など。

費用についての補足情報

治療が1回で完了することは稀で
複数回にわたって投与する
場合もあります。

がん治療
高額な治療
に対する補償を手厚くしている保険会社が複数存在します。
これらの補償内容に
先進医療が含まれるかどうか?
最終的な補償の
・有無
・詳細
は個々の契約プランによって異なるため
▶ご加入中の保険会社に直接確認
されるのが最も確実です。

アニコムの素晴らしい取り組み:再生医療協力金とは?

犬の幹細胞治療は
・超高額
な上に、ほとんどのペット保険では
・補償対象外
です。
しかし、そんな現状を変えようと、
アニコム損保

動物再生医療技術研究組合 (PARM)
と連携し
再生医療の保険適用
を実現するための臨床研究を積極的に支援しています。

この研究に協力した飼い主さんに対し
(治療費そのものではありませんが)
再生医療協力金2万円
を支払う制度を設けています。
この協力金は、アニコム損保の契約者に限定されず、誰でも対象となります。


どこでもできるの?治療を受けられる病院の見つけ方

犬の幹細胞治療は、すべての動物病院で受けられるわけではありません。
・高度な技術
・設備
が必要なため
・専門的な知識を持った獣医師
がいる
・限られた動物病院
でのみ行われています。

病院を見つけるには

●動物再生医療技術研究組合(PARM)
多くの動物病院が加盟している組織です。
加盟病院はホームページで確認できます。

▶PARMに加盟している動物病院はこちら

※PARMの公式サイトにリンクしています

●アニコム損保の提携病院
アニコム損保のウェブサイトでは、幹細胞治療を受けられる提携病院を検索できます。

●大学病院や研究機関
大学病院など、高度医療を専門とする施設でも治療が行われています。

☆注意点
「再生医療」
という言葉を掲げていても
提供される治療内容
は様々です。
・幹細胞治療が可能なのか?
・どの種類の疾患に対応しているのか?

など事前に問い合わせて確認しましょう。

最新の動向と今後の展望

iPS細胞研究の進展

ヒトと同様に
犬のiPS細胞
(人工多能性幹細胞)

の研究も進んでいます。
現在はまだ基礎研究段階。
ですが、将来的に
・拒絶反応が起こりにくい
iPS細胞由来の幹細胞を
・安定的に大量生産
できるようになることが期待されます。

薬機法による承認制度

日本の法律では、ヒトの医療に準じて
動物用再生医療等製品
の承認制度が設けられています。

●世界初の承認薬「ステムキュア®」
2021年3月19日
世界で初めてとなる
犬の椎間板ヘルニア治療薬
「ステムキュア®」
が日本の農林水産省によって製造販売承認されました。

この薬は、健康な犬の脂肪組織由来の間葉系幹細胞を主成分としており
椎間板ヘルニアで損傷した
・神経細胞の機能を回復させ
・炎症を抑える作用
が期待されています。
点滴で投与する
という、体への負担が少ない治療法も特徴です。

この承認は、再生医療が
・単なる研究
・自由診療
の枠を超え
国に認められた「治療薬」
として確立されたことを意味します。
この画期的な出来事は日本の獣医療が
世界をリードする象徴
であり、今後の
再生医療の発展
に大きな道筋をつけました。

臨床研究の加速

幹細胞治療はまだ発展途上の分野です。
しかしその研究開発は
2024年から2025年にかけて
特に具体的な成果として加速しています。

●猫におけるiPS細胞研究の進展
2024年には、大阪公立大学などの研究チームが、世界で初めて
ネコiPS細胞
の安定的な作製に成功しました。
これにより
猫の慢性腎臓病
など、これまで治療が難しかった病気への再生医療応用が加速することが期待されています。

●再生医療技術の特許取得
2024年後半には、Vetanic株式会社が
動物iPS細胞樹立技術
に関して特許を取得しました。
これは、研究成果が
▶実際に製品化へ向かう
重要なステップを示しています。

●広がる研究対象と連携
獣医学関連の
・学会
・研究会
では
・慢性腎臓病
・心不全
・免疫介在性疾患など
難治性の内科疾患
に対する
幹細胞の効果
に関する発表が数多く見られます。
また研究機関同士の連携も活発化
・より安全で
・効果的
な治療法を確立するための共同研究が進められています。

・治療効果
・安全性
に関するデータが蓄積されることで
▶より多くのわんちゃんが適切な治療を受けられるようになるでしょう。

まとめ

犬の幹細胞治療は
従来の治療では難しかった
・病気
・ケガ
に光を当てる、希望の医療です。
費用は高額ですが、
愛犬のQOL
を大きく改善できる可能性があります。
PGF療法
といった新たな選択肢も増え
動物医療の可能性
は広がり続けています。

治療を検討する際は
・最新の情報を収集し
幹細胞治療に精通した
・信頼できる動物病院に相談する
ことが何より重要です。
主治医の先生ともよく話し合い
愛犬にとって最善の選択肢
を見つけてあげてください。

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