※この記事は栄養成分自体の化学的な性質等を示すものであり、ごはんの効能を表すものではありません。
セレンの体内での役割
セレンの最も重要な働きは、ズバリ
抗酸化作用
流行りの
アンチエイジング
と言い換えてもいいでしょう。
体内の抗酸化の流れをざっくり見てみると
(これが酸化ストレス、老化の原因)
②活性酸素をSODが
⇒過酸化水素に変換
※SOD=スーパーオキシドジスムターゼ
詳細は省略
③過酸化水素をセレンが
⇒無毒な水に分解する。
※実際水に分解するのは
グルタチオンペルオキシダーゼという酵素
セレンはその成分となる
セレンが重要な役割を果たしています
また
ヒトではありますが、
セレンが十分に摂取できていると
皮膚・肺・前立腺のがんの発症率が低下
という報告もあります。
他にもセレンは
ビタミンEと協調し互いを活性化
抗酸化作用や免疫強化作用まで担います。
つまり
免疫機能を維持するため
感染症対策としても重要な成分なのです。
ビタミンEを多く摂ればセレンは少量でいい
という記述を見かけますが
そもそも働きが違うもの
なので
どちらもバランスよく摂るのが◎
最後にセレンは
甲状腺ホルモンの代謝にも関わります
が!
不足でも甲状腺ホルモンへの影響はなし
クッシング症候群などの、直接の原因とは考えにくいようです。
ただし長期的な不足に対するデータは無し
なので
摂らなくていい、わけではありません。
セレンの過剰や不足で起こるからだの変化
セレンが不足すると?
セレンは不足になることは少なく、手作りごはんでも、多くのレシピで基準をクリアしています。
ですが不足では
・筋肉や心筋の異常
・腸筋の異常
に現れます。
他、老化現象や呼吸困難、脱毛、昏睡など
多岐にわたりますが…
セレンが不足するような食生活
⇒他の栄養素も足りてない
と推測できます。
セレン不足はデータも少なく、実際にこれという症例は断定しにくいようです。
セレンが過剰になると?
セレンは
魚をメインの食事で、過剰になる可能性
があります。
とは言え、魚の中でもセレンの多い
「カレイ」だけを食べた場合でも、
許容量の約1.5倍程度。
一般的な手作りごはんのレシピで、過剰になるとは考えられません。
サプリメントなどの過剰摂取以外は心配しなくてもいいでしょう。
短期的な過剰の場合
・食欲の低下
・嘔吐や下痢
・皮膚へのダメージ
などが挙げられます。
これが長期的になると
・貧血や肝臓の壊死
などの深刻なダメージが現れることも
ただし・・・データでは
許容量の20倍の量を毎日数か月摂取
・・・全く現実的ではありません。
普通のごはんを食べてるなら、過剰も不足もあんまり気にしなくてもいいってことですね。
過不足の起きにくい栄養素っていうけれど、意外と手こずるのがセレン
ヒッポのごはんでよく使っている肉の
100g中のセレン量(㎍)は
・豚もも 23
・牛もも 14
・鶏むね 17
・いのしし 11
・羊肉 9
・鹿肉 7
・鶏肝 60
ヒッポのごはんでは
☆肉の比率が非常に高いです。
なのに肉全体、意外とセレンが少ない。
なので、微妙に不足になりやすい!
この中では豚に多いのですが、
豚ヒレを使う場合はちょっと注意
豚ヒレは他の肉より、リン比率が高め
豚ヒレ肉をメインにすると、この比率を保つのが少し難しくなります。
しかも豚ヒレにはカリウムも多い。
特に腎臓疾患など
リンやカリウムの制限下では使いにくい
豚ヒレが使えない時の対処法としては
①あじ・鯛など、セレンを含む魚を投入
問題があるとすれば・・・
「うちの子、なぜか魚だけ食べないのよ」
という時。
しかし、おそらく魚を食べてくれないのは
酸化しているから。
鮮度が落ちてたり、冷凍物の場合
すぐに嫌な味・臭いが出てきます。
ヒッポのごはんの魚は
・低温調理にして
・急冷・急速冷凍
これで、魚を食べてくれるようになる子が非常に多いです。
ただ、魚のセレンはやや吸収率が悪い
なので
最低基準よりやや多めに入れたいですね。
②豚ももを使用
同じ豚肉でもリン比率は低く
カリウムは、ヒレ肉より少ない
「うちの子・・・豚肉アレルギーなのよ」
ってことがない限り
セレンをしっかり確保できる優秀食材。
③セレンの塊!?かつお節をプラス
セレンの含有量は驚異の「320㎍」
・・・ですが・・・100g中ですからね。
単純計算で
豚ヒレ肉50g分のセレンを補うには
約3gのかつお節が必要。
これはスーパーとかで売ってる小袋1.5pc分に当たります。
鰹節が好きな子ならこれでいい?
④肝には豚ヒレ肉以上のセレン量
下手に肝増量すると
=即ビタミンA過剰です。
話題作りに「不足」としましたが、極微量な不足。何とでも調整できるのは内緒の話。
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