
うちの子…クッシング症候群やねんて。トリロスタンってどんな薬なん?

副作用は大丈夫なん?人間では使わんて聞いたけど…
愛犬がクッシング症候群と診断され
トリロスタン
という薬を勧められた飼い主さん。
様々な
・疑問
・不安
を抱えているかもしれません。
クッシング症候群は
体内でコルチゾールが過剰になることで
・水をたくさん飲む
・おしっこが増える
・お腹が膨らむ
・毛が抜ける
といった症状が現れる病気です。
放置すると
・糖尿病
・高血圧
などの合併症を引き起こし
愛犬の生活の質
を大きく低下させてしまいます。
この記事では、クッシング症候群の治療で最もよく使われる
「トリロスタン」
という薬について
・効果
・安全性
・考えられる副作用
そして
なぜ人間では使われなくなったのか
まで、飼い主さんが知っておきたい情報を分かりやすく解説します。
愛犬のために
・薬のことを正しく理解し
・安心して治療に臨めるよう
ぜひ最後までお読みください。
1. トリロスタンってどんな薬?クッシング症候群の犬にどう役立つ?
トリロスタンは
犬のクッシング症候群
という病気を治療するために最も広く使われている薬です。
クッシング症候群は
▶体内で
▶コルチゾールというホルモンが
▶過剰に作られすぎてしまう
ことで起こります。
トリロスタンは
コルチゾールが作られる場所
=副腎(ふくじん)に働きかけます。
具体的には
コルチゾールを作るための
酵素の働きを「邪魔する」
ことで、コルチゾールが過剰に作られるのを抑えてくれる薬です。
コルチゾールの量が
▶適切な範囲に落ち着く
▶クッシング症候群の症状が和らぐ
▶愛犬の体調が良くなる
▶生活の質(QOL)を高める
ことにつながります。
2. 人間ではなぜ使われないの?— 安全性の進化

トリロスタンて人間では使わんて聞いたけど…犬には大丈夫なん?
トリロスタンは昔、人間でもクッシング症候群の治療に使われていました。
しかし今は人間での使用は中止。
その理由は主に以下の通りです。
●理由①
より安全な薬の登場
人間では
・トリロスタンよりも安全で効果の高い
・別の新しい治療薬が開発されました。
●理由②
重篤な副作用のリスク
トリロスタンには、ごく稀に
副腎壊死
=副腎が完全に壊れてしまう
という
・元に戻せない
・深刻な副作用
が出ることが分かりました。
人間においては、このリスクを避けるため、よりリスクの少ない治療法が優先されるようになった、ということです。
犬のクッシング症候群の治療では
トリロスタンは
非常に効果的な薬
として広く使われ
そのメリットがリスクを上回る
と判断されています。
これは、人間と犬では
・体の仕組み
・病気の性質
そして
・使用できる薬の種類が異なる
ためです。
3. 犬に使っても大丈夫?副作用と安全性について
犬のクッシング症候群の治療において
トリロスタンは獣医さんが慎重に管理しながら使用すれば、非常に有効な薬です。
しかし、人間での使用中止の理由からもわかるように
犬でも副作用のリスク
はあります。
特に注意が必要な副作用
●コルチゾールが少なすぎになる状態
=「アジソン病のような状態」
トリロスタンが効きすぎて
▶必要なコルチゾールまで少なすぎになる
これを
アジソン病(副腎皮質機能低下症)のような状態
と呼びます。
◇症状
・吐く
・下痢をする
・ご飯を食べない
・元気がない
・ぐったりする
などが見られます。
◇危険性
この状態が重症化すると命に関わることもあります。
◇対処法
トリロスタンを飲ませている間は
定期的に動物病院で血液検査(特にACTH刺激試験)をして
▶ホルモンの量が適切にコントロールされているか?
を確認することが非常に重要です。
もしこのような症状が見られたら、すぐに動物病院に連絡してください。
●その他の体調不良
◇一般的な副作用
・吐き気
・下痢
・食欲不振
・元気がなくなる
・ぐったりする
などが比較的よく見られます。
これらの症状も
薬の量が合っていないサイン
である可能性があるため、見られたらすぐに獣医師に相談しましょう。
◇稀な重篤な副作用
ごく稀にですが
・肝臓の数値が上がる(肝機能障害)
・副腎壊死
が報告されています。
安全性についての大事なこと
犬のクッシング症候群は
放っておくと様々な合併症
・糖尿病
・高血圧
・膵炎
・血栓症など
を引き起こします。
これらは
愛犬の命に関わる重い病気。
トリロスタンは
・これらの重い病気から愛犬を守り
・症状を和らげ
・生活の質を高める
ために有効な治療法とされています。
獣医さんは
・これらの副作用のリスク
と
・薬で得られる治療のメリット
をしっかり考えて、愛犬にとって一番良い方法を飼い主さんと一緒に決めます。
飼い主さんは
・愛犬の様子を日頃からよく観察し
・何か変わったことがあればすぐに獣医さんに相談する
ことが大切です。
そして、獣医師の指示通りに薬を飲ませ
・勝手に薬の量を調整したり
・服用を中止したり
するのは絶対にやめてください。
4. トリロスタンの正しい使い方と注意点
トリロスタンの
・投与量
・回数
は
・愛犬の体重や症状
・定期的な検査結果
によって獣医師が慎重に調整します。
薬の与え方
●食事と一緒に与える
一般的に、トリロスタンは
食事と一緒にまたは食後すぐ
に与えることが推奨されています。
これは、薬の吸収が良くなるとされているためです。
・空腹時
・食事量が少ない時
に投与すると
▶薬の吸収が不安定になり
▶効果が安定しない
可能性があります。
●投与回数
トリロスタンの効果の持続時間は比較的短いため、
獣医師の指示によっては
1日1回または2回
の投与が必要です。
定期的な検査の重要性
トリロスタンで治療を開始した後も
・愛犬の体調
・コルチゾール値を適切に管理
するために
・定期的な血液検査(特にACTH刺激試験)
・診察
が不可欠です。
これらの検査結果に基づいて、獣医師が
・薬の量
・投与回数
を細かく調整します。
指示された間隔で必ず受診しましょう。
妊娠中の犬や繁殖を考えている犬への影響
トリロスタンは
妊娠中の犬
には絶対に使ってはいけません。
トリロスタンは、妊娠を維持するために必要な「プロゲステロン」という性ホルモンの量を減らしてしまう可能性があります。
そのため
・流産
・早産
の原因になることがあります。
また
・お腹の中の子犬の発育への悪影響
・奇形を引き起こしたりする危険性
も報告されています。
これらの理由から
・妊娠している犬
・将来繁殖を考えている犬
にはトリロスタンを使いません。
母乳に薬の成分が移行する可能性も考えられるため、授乳中の犬にも使用は避けるべきです。
5. まとめ:獣医師との連携が何よりも大切
トリロスタンは
クッシング症候群の愛犬にとって
・症状をコントロールし
・生活の質を高めるため
の非常に大切な薬です。
飼い主さんが知っておくべきことは
・トリロスタンが持つ効果
と、それに伴う
・副作用のリスク
そして
・獣医師の指示に従った正しい使い方
です。
愛犬の様子を
・日頃からよく観察し
気になることがあれば
・どんな些細なことでも獣医師に相談
そして
定期的な検査をきちんと受けること
が、何よりも重要になります。
獣医師との密な連携を通じて、愛犬のクッシング症候群と上手に付き合い、穏やかで快適な毎日を過ごさせてあげましょう。
愛犬のために、今日からできることを始めてみませんか?
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