愛犬の痛みを和らげるお薬「NSAIDs(エヌセイズ)」徹底解説|効果・副作用から与え方、飼い主さんの安心ポイントまで

NSAIDs 犬の健康

うちの子、最近足引きずって、散歩もあんまり行きたがれへん

怪我したとこが痛すぎて、あんまり寝れてないみたい…

愛犬が
・痛み
・炎症

を抱えているとき、動物病院で
NSAIDs(エヌセイズ)
というお薬を処方されることがあります。

NSAIDsは
私たち人間にとっても身近な
・痛み止め
・熱さまし
と同じ種類の薬です。
ただし愛犬に与えるとなると

どんな効果なん?副作用は?ホンマに飲ませて大丈夫?

と不安に感じる方もいるでしょう。

実際NSAIDsは
・愛犬のつらい症状を和らげ
生活の質(QOL)を大きく改善してくれる
頼もしい存在。
しかし
・安全に
そして
・最大限に効果を引き出す
ためには飼い主さんが、この薬について
正しく理解しておく
ことが何よりも大切です。

この記事では、NSAIDsについて
・その効果と副作用
飼い主さんが知っておくべき
・メリット
・デメリット
・与え方の注意点
さらには
・他の薬との併用まで
分かりやすく、そして安心感を持っていただけるように徹底的に解説していきます。

1. NSAIDsってどんなお薬?— 炎症と痛みの「火消し役」

「NSAIDs」いう言葉は
Non
Steroidal
Anti
Inflammatory
Drugs
=非ステロイド性抗炎症薬
の頭文字をとったもの.
日本語では「エヌセイズ」と読みます。

これは
・炎症
・痛み
を抑えるお薬のグループ名です。
よく効く痛み止めというと
ステロイド
を思い浮かべる方もいるかも。
しかしNSAIDsは
ステロイドとは異なる種類の薬
でそれぞれ
・特徴
・副作用
が違います。

犬専用のNSAIDsと種類について

人間用のNSAIDs
例えば
・アスピリン
・イブプロフェンなど
市販されている痛み止めは
犬には非常に危険な成分
が含まれていたり
・犬の代謝能力に合わせてない
などするため、愛犬には
絶対に与えてはいけません。
動物病院で処方されるNSAIDsは
▶犬の体に合わせた
犬専用
に開発されたものです。

具体的には
・カルプロフェン
・メロキシカム
・フィロコキシブ
など様々な種類のNSAIDsがあります。
それぞれ
・特徴
・効き方
・副作用の出方
などが少しずつ異なります。
獣医師は
・愛犬の症状
・体質
・持病
などを考慮し
その子に一番合った種類の
NSAIDsを選んで処方してくれます。

また
胃腸への負担
より少なくする工夫がされた新しいタイプのNSAIDsもあります。
これらは、胃腸を守る働きに影響を与えにくいように設計されており、比較的安心して使いやすいのが特徴です。

愛犬にNSAIDsが処方される状況

●関節の痛みや炎症
膝蓋骨脱臼
・股関節形成不全
・関節炎など
慢性的な痛みを伴う病気。

●手術後の痛み
手術後の
・傷の痛み
・炎症
を和らげるため。

●急なケガや炎症
・ねんざ
・打撲
・筋肉の炎症
などによる急性期の痛み。

●熱を下げる(解熱)効果
発熱を伴う場合にも使われます。

●抗がん作用の可能性
一部の腫瘍に対して
▶炎症を抑えることで
▶腫瘍の成長を抑える効果
も期待されることがあります。
近年では、
移行上皮癌(膀胱など)
のような特定の腫瘍に対し、治療の補助として使用されるケースも研究中。
ただし、これは獣医師の専門的な判断が必要な領域であり、すべての腫瘍に適用されるわけではありません。

NSAIDsは
体の中で
・痛み
・炎症
を引き起こす物質

=プロスタグランジンなど
が作られるのを邪魔することで
▶その「火種」を消してくれる
ような働きをします。

2. NSAIDsのメリットとデメリット— 飼い主さんの視点から

愛犬にNSAIDsを飲ませることは
・良い面もあれば
・気を付けるべき面
もあります。
飼い主さんの視点から、分かりやすく見ていきましょう。

メリット(良い面)

●痛みの軽減とQOLの向上

愛犬が感じている
▶つらい痛みを和らげ
▶炎症を抑えることで元気を取り戻し
以前のように
・歩いたり
・遊んだり
できるようになります。

食欲が戻ったし、ぐっすり眠れるようになった!

など、日々の生活の質が大きく改善されることが期待できます。

痛みが減ることで
▶愛犬が本来の明るさを取り戻し
▶飼い主さんとのコミュニケーションもスムーズになるでしょう。

●炎症の抑制

痛みの原因となっている
炎症自体を抑えることで
・病気の進行を遅らせる
・症状の悪化を防ぐ
などの効果も期待できます。

●使いやすさ

・錠剤
・チュアブル(噛んで服用するタイプ)
・液体など
様々なタイプがあり、比較的与えやすい形のお薬が多いです。

デメリット・注意点(気を付けるべき面)

●副作用のリスク

NSAIDsは特に
・消化器系(胃腸)
・腎臓
・肝臓
への影響が出ることがあります。
詳しくは後述します。

・獣医さんとの連携
・注意深い観察
が不可欠になります。

●長期投与の管理

関節炎など
・慢性的な病気で
・長期間にわたって
NSAIDsを服用する場合
定期的な健康チェック(血液検査など)が必要になります。
そのため
・通院
・検査
に長期間の
・費用
・手間
がかかります。

●個体差と効果の限界

・お薬の効果
・副作用の出方

には個体差があります。
・ある犬には非常によく効いても
・別の犬にはあまり効かなかったり
・副作用が出やすかったり
することがあります。

全ての痛みを完全に消し去る
わけではなく
症状を和らげる対症療法
が主になります。

3. NSAIDsの主な副作用と「安心ポイント」

NSAIDsってどんな副作用があるん?もし出たらどうすればええん?

NSAIDsは安全性が高い薬です。
しかし
・体質
・基礎疾患(元々持っている病気)
によっては副作用が出やすくなることも。
・主な副作用
とその際の
・安心ポイント
を知っておきましょう。

1.消化器系(胃腸)への影響:最も多い副作用

●症状
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
・元気がない

ひどい場合は
▶胃や腸の粘膜に潰瘍ができ
・吐血
・黒い便(タール便)
が見られることもあります。

●なぜ起こる?
NSAIDsは
胃の粘膜を保護する物質の生成を抑えてしまうため
▶胃が荒れやすくなります。

●安心ポイント
これらの症状は、多くの場合、薬を中止すれば改善します。

獣医さんは
・胃腸の保護薬と併用して処方
・食後に与えるように指示
したりして、胃腸への負担を減らす工夫をしてくれます。

もし症状が出たら
▶すぐに獣医さんに連絡し
▶指示を仰ぎましょう。
自己判断で薬を止めてしまうではなく、まず連絡することが大切です。

2. 腎臓への影響:特に注意が必要

●症状
・水を飲む量が増える
・おしっこの量が増える(多飲多尿)
・食欲不振
・嘔吐
・元気がない

腎臓の機能が低下すると
▶体に老廃物がたまり
重篤な状態
になることがあります。

●なぜ起こる?
NSAIDsは
▶腎臓への血流量を調整する物質に影響
▶腎臓への負担を増やす
可能性があります。
特に
・元々腎臓が弱い子
・脱水している子

に注意が必要です。

●安心ポイント
NSAIDsを処方する前に、多くの獣医さんは血液検査で腎臓の機能をチェック

長期にわたって服用する場合は
▶定期的に血液検査を行い
▶腎臓の数値に異常がないか確認します。
最近の研究では
適切な管理のもとでは
長期投与での腎臓や肝臓への影響
は以前考えられていたよりも
安全性が高い
という知見も出てきています。
しかし
個体差は大きい
ため定期的なチェックの重要性は変わりません。

初期の腎臓への影響であれば
・薬の中止
・量の調整

で改善が見込めます。

薬の影響で
一時的に腎臓の数値が上がった
という可能性もあります。
獣医さんが状況を判断し
▶適切に対応してくれます。
慌てずに相談しましょう。

3. 肝臓への影響:定期的なチェックが重要

●症状
・食欲不振
・嘔吐
・元気がない
・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)

●なぜ起こる?
薬が肝臓で分解される過程
で、一部の犬では肝臓に負担がかかることがあります。

●安心ポイント
腎臓と同様に
・処方前
・長期投与中
定期的な血液検査で肝臓の機能もチェックします。
腎臓の場合と同様に
長期投与における肝臓への影響
についても
以前より安全性が高い
という見解が出てきています。
しかしこれも
個体差がある
ため定期的なチェックは欠かせません。

薬の影響で
一時的に肝臓の数値が上がった
という可能性も十分にあります。
獣医さんが
・薬を続けるべきか
・量を減らすべきか
・別の薬に変えるべきか
などを判断してくれます。
検査結果を過度に心配せず、相談しましょう。

4.その他

アレルギー反応
・皮膚のかゆみ
・腫れなど

がごく稀に起こることもあります。

まれに
血液が固まりにくくなる
 =出血しやすい・止まらない
といった副作用が出ることもあります。

【重要】副作用のサインを見逃さないで!

もし愛犬がNSAIDsを飲んでいて
▶上記の症状のどれかが見られた場合は
▶すぐに薬を与えるのを一時中止し
▶獣医さんに連絡してください。
獣医さんの指示なしに
自己判断
で薬を
・そのまま続ける
もしくは
・完全に止めてしまう
のは危険です。

4.NSAIDsを与えるときの注意事項— 飼い主さんができること

愛犬にNSAIDsを安全に与えるために
飼い主さんが日頃から気を付けるべき
大切なポイントをまとめました。

獣医さんの指示を厳守する

●量・回数・期間は必ず守る
勝手に量を

・増やしたり
・減らしたり
・途中でやめたり
するのは絶対にやめてください。
症状が良くなったように見えても
獣医さんの指示なしに中止すると
・痛みがぶり返す
・病気が悪化する
などの可能性があります。

●「食後に与える」を徹底
多くのNSAIDsは
胃腸への負担を減らすため
食後に与えることが推奨されます。
指示された場合は
・必ず食事と一緒に
または
・食後すぐに
あげましょう。

●処方された犬以外に与えない
・他の犬に与える
・人間用のNSAIDsを愛犬に与える
のは絶対にやめてください
人間用のNSAIDs(痛み止め)
犬にとって非常に危険な成分
が含まれていたり
量が多すぎたり
することがあり
重篤な中毒症状
を引き起こす可能性があります。

愛犬の様子を注意深く観察する

□日々の飲水量
□食欲
□嘔吐や下痢の有無
□元気
□排便の状態
などを注意深く観察し
記録しておくと良いでしょう。

特に
・食欲不振
・嘔吐、下痢
・黒いタール状の便
・元気がない
などの症状が見られたら
すぐに獣医さんに連絡が必要です。

定期的な健康チェック(血液検査など)を受ける

NSAIDsを長期的に服用する場合
獣医さんから
定期的な血液検査
を勧められます。
これは
・腎臓
・肝臓
への影響が出ていないか
事前にチェック
するために非常に重要です。

もし検査で
▶数値に異常が見られても
▶すぐに薬が原因と決まるわけではありません。
獣医さんが
・総合的に判断し
・適切な対応を検討
してくれますので、落ち着いて相談しましょう。

脱水に注意する

脱水状態の犬
▶NSAIDsを与えると
▶腎臓への負担が大きくなる
可能性があります。
▶常に新鮮な水を十分に用意
いつでも飲めるようにしておきましょう。

・下痢
・嘔吐

がある場合は
脱水に繋がりやすい
ため、特に注意が必要です。

5.他の薬との併用で気を付けること

愛犬がNSAIDsを服用している時に
・他の薬
・サプリメント
を与える場合は、必ず事前に獣医さんに相談してください。

特に注意が必要な併用薬は以下の通り

ステロイド

・NSAIDs
・ステロイド(プレドニゾロンなど)
を一緒に使うと
胃腸への副作用(胃潰瘍など)
リスクが非常に高まります

緊急時以外は
基本的に併用は避けます。
もしステロイドから
NSAIDsに切り替える場合
一定期間空ける
など、獣医さんが慎重に判断します。

獣医さんはこのリスクを十分に理解しています。
飼い主さんは今飲ませている薬
全て正確に伝える
ことが何よりも大切です。

他のNSAIDs

異なる種類のNSAIDs
同時に与えるのは
副作用のリスクが格段に上がる
ため、絶対にやめてください

獣医さんは、その犬に合った
一種類のNSAIDs
を選んで処方します。

利尿剤やACE阻害薬(心臓病の薬など)

・これらの薬
・NSAIDs
を併用すると
▶腎臓への負担が増加する
可能性があります。

獣医さんは、愛犬が現在飲んでいる全ての薬を把握した上で
安全性を考慮して処方してくれます。
そのため飼い主さんは
市販のサプリメントも含め
与えているものを全て
獣医さんに報告しましょう。

サプリメント

特に
・関節ケア
  ・グルコサミン
  ・コンドロイチンなど

・抗炎症作用を持つもの
  ・オメガ3脂肪酸など
はNSAIDsと併用することで
・予期せぬ相互作用
・副作用のリスクを高める
可能性がゼロではありません。

自己判断で与えるのではなく、必ず獣医さんに相談し、指示を仰いでください。

まとめ:NSAIDsは愛犬のQOLを支える頼もしい味方

NSAIDsは愛犬の
・つらい痛みや炎症を和らげ
・生活の質を大きく改善してくれる

非常に有効な薬です。
確かに副作用のリスクはあります。
獣医さんの
・適切な診断と
・管理のもと
そして飼い主さんの
・注意深い観察
・協力
があればその
リスクを最小限に
抑えることができます。

愛犬が
・少しでも楽に
そして
・快適に毎日を過ごせるように
NSAIDsについて正しく理解し、獣医さんとの二人三脚で治療を進めていきましょう。
不安なことがあれば、いつでも獣医さんに相談しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました