※この記事は栄養成分自体の化学的な性質等を示すものであり、ごはんの効能を表すものではありません。
卵黄の前に
まずは卵白について少し
ヒッポのごはんでは卵白は一切使用していません。
卵白を一切使わない
理由の一つとしては
とらちゃんが全く食べなかった食材だから
あっという間に食べつくす
おやつと間違えて僕の指にかぶりつく
そんな「食」に貪欲なとらちゃんが
絶対に口にしなかった食材が卵白
なので
「他のわんちゃんも苦手なのかなー」
と思ったのがひとつ
ぼくの友だちには、卵白大好きな子もいるから、何とも言えないんだけどね~
もう一つの理由は
アレルギーの原因となるタンパク質の存在
アレルゲンとなる可能性があるのは
・オボムコイド(約11%)
の2種類。
※()内は卵白のタンパク質中に占める割合
これらはタンパク質なので
加熱調理で固まると抗原性が減少
※抗原=アレルゲンの意
生卵の抗原性を100%として
ゆで卵(12分固ゆで)にすると
0.01%まで抗原性が減少
ところが
〇オボムコイドは
10%以上抗原性が残る
そうです
卵白は加熱調理しても
アレルギーの原因となりうるのです
卵黄にはアレルゲン活性はない
と言われています
卵白を除いたゆで卵の卵黄には
ほどんどアレルゲンが残らない
ということになります。
さらに卵白には
アビジン
というたんぱく質も含まれます
これがビオチンの吸収を阻害するため
・子犬の成長不良
などの弊害が起きる可能性があります。
ただしアビジンは
〇加熱で阻害を無力化される
だけでなく
生卵であっても
アビジンが持つビオチンの吸収阻害量
をはるかに上回る
ので
卵黄と一緒に食べれば
ビオチン不足は起きません。
生の卵白だけを大量に与えるなど
通常ではありえない状況でないと
アビジンの害はないと考えられています
なのでアビジンの存在は
「卵白を使わない理由」
ではありません。
・・・やっとこさ卵黄について
思ったよりすごい!?卵黄の持つ栄養
卵黄と言えばレシチン!レシチンと言えば卵黄!
ギリシャ語で卵黄を表す言葉は
「レキトス」
これは犬の体でも超重要な成分
レシチンの語源
語源になるくらい
卵黄にはレシチンが豊富
レシチンの体内での主な役割は
☆水溶性と脂溶性の乳化作用
これにより
・細胞から老廃物を排出させる
これらの作用は、乳化があってこそ
円滑にできるものなのです。
またレシチンは、
全ての細胞で細胞膜として
・酸素や栄養分の吸収
・老廃部の排泄
・様々な情報の伝達
など
生命活動に欠かせない
重要な働きを持ちます。
またレシチンの構成要素である
コリンには
・特に血中コレステロール低下作用
があり、
コレステロールや中性脂肪の量を
適正に保つよう働きます。
またレシチンの乳化作用により
⇒血液の流れがスムーズになる
肥満や動脈硬化を防ぐだけではなく
細胞全体の活性化を促しています
また卵黄のコリンだけが特別に
脳の神経伝達物質である
アセチルコリンの原料となり
・認知症の改善
・脳神経や細胞膜を健全に保ち
・脳自体をより健康にできると考えます。
てんかんとか認知症とか、脳に関係ある病気の予防や改善が期待できるんだね!
卵黄は完全栄養食品!?
卵黄には
・ビタミンC
・食物繊維
以外の栄養がすべて含まれるので
完全栄養食とも呼ばれます
卵黄には
元々必要な栄養素が全て備わっている
だから
卵は温めるだけでたった一つの細胞から
完全な生命体であるヒナが誕生するのです
そして加えて
たんぱく質の質を表す
アミノ酸スコアは
100点満点
自然の食品で
これだけの栄養素を持つ
完全栄養食は
卵(卵黄)だけ!
少し脱線しますが
完全栄養食と似た感じ
最近流行りの『完全メシ』
〇「日本人の食事摂取基準」で設定された
33種類の栄養素をバランスよく摂取
で、CMでよく流れるのが
完全メシカレー
カレーですよ。
炭水化物はともかく
タンパク質が摂れるとは?!
気になって原材料を見てみると・・・
やっぱり添加物のオンパレード!
その中でのタンパク質は
コラーゲンペプチド
これはゼラチンを酵素で分解したもの
・ほぼタンパク質
・水に溶けやすく使いやすい
ので
サプリとしても販売されています
ただし!
コラーゲンペプチドには
〇非必須アミノ酸は豊富
ですが
〇必須アミノ酸は非常に少ない
トリプトファンに至っては
0です。全く含まれていない
なのでアミノ酸スコアは0
なのでここにさらに
トリプトファンを添加
という手段をとっています。
こ・・こ・・これは・・
もはやタンパク質と呼べるのか?
気になりついでに
ドロマイト
いかにも体に悪そうな名前ですが
これは苦灰石とか、白雲石と呼ばれる
天然の鉱物で
カルシウムとマグネシウムを
2:1の黄金比率で含み
奇跡の天然ミネラルとも呼ばれ
サプリメントなどにも使われるもの
ちょっと安心?
でも元々が石ですからね!
サプリはサプリ
自然の食品とは程遠い存在
最後はピロリン酸鉄
胃の中に棲む
ピロリ菌と名が似てますが
全く関係がなく
鉄分補給のための添加物です
欧州で
リスクの低い物質
として認可されています。
これは安心!
と思うことなかれ
ピロリン酸鉄は
〇非ヘム鉄なので吸収率が悪い
〇活性酸素を発生させる
と決して体にいいとは言えません。
他、リン酸塩が含まれるし
ビタミンは添加物に頼りまくり
こうしてみると「完全メシカレー」は
直接的に体に悪いものはあまり入っていないように見えますが
・サプリ錠剤もたっぷり摂る感じ
かな
※あくまで個人の感想です
栄養満点の卵黄ですが
特に手作りごはんで助かるのが
〇銅・亜鉛・鉄など
不足しがちなミネラルが豊富なこと
また魚や海藻を使わないレシピでも
〇セレン
を摂取できること
肉の代表「鹿肉」と比べると
卵黄 | 鹿肉 | |
銅 ㎎ | 0.14 | 0.15 |
亜鉛 ㎎ | 3.3 | 2.9 |
鉄 ㎎ | 4.7 | 3.9 |
セレン μg | 36 | 7 |
非常に優秀!
ただし卵黄は、鹿肉のように
メインの食材として与えることができない
なので、あくまで補助的な食材として。
というのも、
完全栄養食である卵黄にも
弱点があるから
同じように鹿肉と比較すると
卵黄 | 鹿肉 | |
カロリー kcal | 330 | 119 |
脂質 g | 34.1 | 4 |
リノール酸 mg | 3300 | 220 |
リン mg | 530 | 230 |
すごい数値です・・・
なので
卵黄を食べすぎると
肥満と病気のリスク
②オメガ6=リノール酸が多い!
オメガ3とのバランスが崩れる
③リンが肉の倍以上!
腎臓病・シニア犬などで要注意
栄養価が高いとはいえ
与えすぎにはくれぐれもご注意を!
他の食材とバランスを取りながら
あくまで補助的に使いましょう。
アンチエイジングで注目のルテインも豊富!
ルテインは緑色野菜に多いカロテノイド
卵黄の脂質にもルテインが含まれます
ルテインは抗酸化作用の他に
〇眼の機能維持に不可欠
とされています。
卵黄と野菜を比較すると
なんと!
卵黄のルテインの方が吸収されやすい
アンチエイジングにも
卵黄は大いに役立つのです。
卵黄中のルテインは
飼料由来のものだと考えられます
なので
飼料に褐藻粉末を混合すると
卵黄中に
フコキサンチノール
の蓄積が見られるように!
フコキサンチノールには
・抗肥満作用
・抗糖尿病作用
などが期待されています。
もちろんこれも元の褐藻よりも
吸収されやすい!
鶏さんにあげる飼料で、もっと栄養機能性に優れた卵黄を作るれるんだ?!ヨード卵光とか有名だね
与える飼料ついで!?グロビゲンPGについて
グロビゲンPG
全く聞いたことないかもですが
要は卵黄の粉末です。
保存料・香料・着色料全て無添加で
γ-リベチン(卵黄抗体)を含みます
γ-リベチンのすごい機能が
歯周病に悩む
多くのわんちゃん・飼い主様の希望の光
数多くの研究結果が報告され
・嗜好性
・有効性
で非常に優れていると考えられ
多くの犬や猫用のデンタルケア製品で使用されています。
このγ-リベチンを作り出す方法は
化学的な方法ではなく
母鶏の免疫反応
を利用したもの。
鶏には母乳がないので
卵の黄身に母鶏の抗体が入ることで
ヒナの免疫力を確保しています
具体的には
⇒免疫反応により母鶏が
毒素の抗体=γ-リベチンを持つ
⇒卵にγ-リベチンが入る
このように見ると
母鶏に与える影響が
卵黄にもそのまま反映される
と言えます。
ということなので
ヒッポのごはんで使う卵は、母鶏の飼育方法にこだわったもの
先ほどあったように
・与える飼料
・何らかの接種
などが母鶏に影響を与えるように
・生活環境
・ストレス
なども母鶏に影響を及ぼすと考えられます
そこでヒッポのごはんでは
良質で新鮮な卵を使用
※機能性にはこだわっていません
脳神経・肝臓・血管・血圧など
療法食にも安心して使用できる
わんちゃんの健康のためには
自然で健康な母鶏が産んだ卵が一番!
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