※この記事は栄養成分自体の化学的な性質等を示すものであり、ごはんの効能を表すものではありません。
あ~~これは困った・・
猪を食材として使うため
まずは栄養データを知っておこうと
※文部科学省
を調べたところ・・・
のデータしか掲載されていない。
何が困ったん?
僕が食材で使おうとしてたのは
ももを中心とした完全なる赤身肉
とは似て非なるもの
しかも豚であれば
ロース・ヒレ・もも
など部位ごとのデータがあるのに
猪はこの1種のみ
もちろん猪にだって色んな部位がある。
君はどの部位のどんな脂付なんだい?
そして僕の赤身の栄養成分は?
いのしし/赤身/生の栄養データを予測してみる
ひとまず文献やネットで見てみたが
どこをどう調べても出てこない
と言うことで
勝手に予測を立てることにしました。
予測の方向性は
・最も近い種である豚を参考
・豚の脂付と赤身の値の比率から
⇒猪の値を予測
あくまで個人の予測です
ここからは温かい目でご覧ください。
まずは、いのしし/脂付/生が何ものかの推測
文部科学省の食品成分データベースは、
もちろん人のためのもの。
なのでそこに掲載される
いのしし/脂付/生は、
人に一番食べられている部位の肉
という推測が成り立つ
猪料理と言えばやっぱり・・・
ぼたん鍋である!
見事な脂身!
いのしし/脂付/生とは、
多分これのことでしょう。たぶん
ぼたん鍋に使われる肉の部位は主に
〇肩ロース・ロース・脂付もも
いのしし/脂付/生と
豚の肩ロース・ロース・脂付もも
それぞれの
栄養データと比較してみると
いのしし/脂付/生に似ているのは
豚ロース
特にアミノ酸数値はよく似ている。
なので
いのしし/脂付/生は
いのしし/ロース/脂身付/生
だと予測。あくまで予測
豚ロースと豚もも赤身の比率から、猪赤身の栄養値を予測
ヒッポのごはんで使う猪は
ももを中心とした完全な赤身肉
なので
・豚ロース/脂付き
・豚もも/赤身
このふたつの栄養成分を比較すれば
いのししロース/脂付き
の成分から
・いのししもも/赤身
の成分が予測できると考えました
つまり
=ししロース:ししもも赤身
ということで
豚もも×ししロース÷豚ロース
という計算で予測します。
これで導き出された数値を見てみると
エネルギ | タンパク | 脂質 | V・B2 |
139 | 20.9 | 6.2 | 0.43 |
リン | カリウム | V・B12 | V・K |
198 | 314 | 1.7 | 0.7 |
鉄 | 銅 | 亜鉛 | リノール酸 |
5.8 | 0.19 | 4.2 | 698 |
やはり多少不自然な数値が見られる
(鉄や亜鉛の多さ、ビタミンKの少なさなど)
それでも
いのしし/脂付/生
の値をそのまま用いるよりは近そう。
そもそも特に天然の獣の栄養成分は
・季節
・産地
・トリミングの仕方
などで、大きく数値が変化するもの
正確で、かつ一律で使える数値は
そもそも存在しないと思う。
※あくまで個人の見解です
なので
ふわっとした予測ではありますが
ヒッポのごはんのレシピ作成では
この数値を用いさせてもらってます。
そのうえで例えば
⇒猪の鉄分は5.8より低い可能性を考慮
⇒鉄分基準がクリアできていないかも
⇒鉄分が補えるようレシピ変更
のように
その都度調整をかけています
ここまでして猪を使いたかった理由。それは嗜好性の高さ!
猪肉を好む傾向は
猟犬(ハウンド系)に強いと言われます
・ダルメシアン
・イタリアングレーハウンド
・ボルゾイ など
他にも
・和犬(紀州犬・甲斐犬など)
が挙げられています。
ちなみに
うちの可愛いチワワ君(15歳男子)
食が細いくせに
イノシシ肉にはがっつきます。
そして試作&試食で
ひと3人で食べ比べた評価は
3人とも
「鹿よりうまい!」
え~~~!でも猪って臭くてクセがあるんじゃないの?
それはとんだ誤解!
・捕獲から解体までの処理時間
・解体処理や血抜きの技術
適切に処理された猪は全く臭みがない!
ヒッポのごはんで使用するのは
☆鬼北猪
業者さんのページを引用させてもらうと
これを低温調理で仕上げますので
・クセがなく肉の風味が豊か
・濃厚なうま味でしっかりコク
控えめに言って
自信作!
飼い主様にもぜひお試しいただきたい
栄養成分があいまいやったら、いっそのこと、食材で使うの止めたら?
なんてつれない言葉
食べたらすぐ言えなくなっちゃいます!
美味しいだけじゃない!犬にとってうれしい栄養成分
農林水産省による
「ジビエの魅力」では
栄養成分の比較(100gあたり)
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 鉄分 | VB12 | |
シカ肉 1 | 119 | 23.9 | 4.0 | 3.9 | 1.3 |
牛肉 2 | 294 | 17.1 | 25.8 | 2.0 | 1.4 |
猪 3 | 244 | 18.8 | 19.8 | 2.5 | 1.7 |
豚肉 4 | 237 | 17.1 | 19.2 | 0.6 | 0.5 |
猪 5 | 139 | 20.2 | 6.2 | 5.8 | 1.7 |
2 和牛サーロイン/赤肉/生
3 肉/脂身つき/生
4 肩ロース/脂身つき/生
5 ヒッポ予測/赤身/生をプラス
と紹介されています。
似ても似つかぬ肉の比較に少し悪意を感じる
イノシシの鉄分は、2.5
鹿の鉄分は、3.9
ですが
この時のイノシシは脂付き
鉄分はおよその場合
赤身肉>脂身
僕の予測の5.8という数値は
高く見積もってる感がありますが
猪に鉄分が豊富だということは
疑いようのない事実。
ただビタミンB12では
僕の予測数値でも1.7
〇豚・鶏
よりは、はるかに高いですが
〇牛・鹿・羊
とはあまり差がない。
・鉄分は4.1
・ビタミンB12は7.1
と、この中では圧倒的な数値
イノシシには鉄分豊富!予測では亜鉛や銅も高い数値だったよね。ビタミンよりもミネラル豊富な食材と言えそう
話題のイミダゾールペプチドが豊富!
渡り鳥の、何日も飛び続ける持久力。
これらは全て【イミダゾールジペプチド】の働きが関係しているとされます。
イミダゾールジペプチドは
・アンセリン
・カルノシン
・バレニンなど
よく似たアミノ酸をまとめた呼び方
その働きは
・運動能力を向上
・抗酸化作用
・脳老化の改善
など、主に運動能力に関する効能が取り上げられています。
中でも猪には
カルノシン
が多く含まれています。
その量を見てみると
・夏猪もも 634
・冬猪ロース 984
・冬猪もも 776
・豚肉 642
・牛肉 432
※しまね味開発指導センター研究結果
冬猪ロースは牛肉の倍以上!
カルノシンと言えば猪!
ですが、別の報告では
・夏猪もも 360~490
・冬猪ロース 140
・冬猪もも 400
・豚肉 899
・牛肉 262
※鳥取県産業技術センター研究報告
豚・牛は日本調理科学会誌
豚のほうが多いし
冬猪ロースに至ってはワースト
夏猪の数値に幅があるのは
ほぼ同時期に獲れた個体でも差があるため
先に述べた
天然の獣の栄養成分は
・季節
・産地
・トリミングの仕方
などで、大きく数値が変化する
ということの確認ができます。
このように研究者や販売サイトにより
数値にはかなりばらつきがあります。
だからパパさんは、公平な立場で(てきとうに)数値を平均化して予測を立てて使ってるんだね。
ヒッポのごはんでは
猪のカルノシン量 400
くらいで計算しています。
ちょっと少なめの見積もりですが
他の肉にもカルノシンは多く含まれるので
そもそも肉中心の食事で
カルノシンが不足することはありません。
もう一つ見逃せない!タウリン豊富でファイト一発!
タウリンと言えば
リポビタンDのおかげで、
疲労回復効果
の印象が強いのでは?
ヒッポのごはんでも
・血圧を正しく維持
・血管の柔軟性を保つ効果
に注目し
心不全・心筋症など、
特に心臓に不安のある
犬のごはんに積極的に取り入れています。
そのタウリン量ですが(単位mg/100g)
夏猪もも | 冬猪もも | 豚 | 牛 | 鶏もも |
203 | 194 | 32 | 39 | 412 |
鶏ももは、毎日のごはんの食材としては使いにくいので
実質
猪がナンバーワン!
タウリンは、肉類に多く含まれます。
なので
よほどのことがない限り不足は考えにくい
ちなみに
先程のカルノシンも同様
肉食べときゃ大丈夫!
ということで
タウリン・カルノシン摂取のために、無理に猪を与える必要はないのです。
イノシシは手に入りにくい&高いよね~タウリンで最強食材なのは頭の片隅にでも置いとくよ
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