グレインフリーはアリ?ナシ?犬に玄米は危険はウソ?

犬の食材

※この記事は栄養成分自体の化学的な性質等を示すものであり、ごはんの効能を表すものではありません。

玄米の前に穀物!グレインフリーについて

穀物を食材として使うとき
避けて通れない話題
それが
グレインフリー

穀物を一切使わないフードが
わんちゃんの健康にいいと大流行

しかし
体にいいという明確なエビデンスはない。

穀物は炭水化物の重要な供給源
栄養学的には

・犬は肉食寄りの雑食
・炭水化物の摂取は犬に欠かせない

とされています。
なので
グレインフリーには否定的な見解も。
そのためグレインフリーは
単なるペットフード会社の販売戦略
という扱いを受けることもあり。

果たしてグレインフリーは
本当に無意味なのか?

グレインフリーの「アリ」「ナシ」について

グレインフリーが健康にいい
その根拠とされたのが

・オオカミ理論
・犬の唾液にアミラーゼがない
・穀物はアレルギーの原因
・穀物はフードのかさ増しのため

よく言われるのはこの4つでしょうか。

・オオカミ理論とは
ざっくりいうと

犬の祖先はオオカミである!
オオカミは肉食である!
なので犬も肉食がベストである!

という説。

【反論】
犬の狼との分化は約15000年前のこと
犬は人との暮らしの中で進化
炭水化物を消化できるよう適応。
特に日本犬は大腸も長く進化
穀物を消化しやすい性質を持ちます

また炭水化物の消化という点で

人と違って
わんちゃんの唾液には、
炭水化物の分解酵素である
アミラーゼが含まれないので
炭水化物の消化ができない・苦手

というもの

【反論】
この説を支持すると
グレインフリーフードに含まれる
芋や豆類なども消化できないことに
唾液にはなくても
膵臓からアミラーゼは分泌されています。
なので
犬は、人ほど得意ではないが
炭水化物を消化できます

・アレルギーの原因になりやすい
という点についても

【反論】
アレルギー報告の多い順に食材を並べると

牛>乳製品>鶏>小麦>>コーン>>米

アレルゲンとなるのは炭水化物よりも
タンパク質に多い。
確かに
小麦アレルギーの原因になりやすい
その上、消化性も良くないので
グルテンフリーは推奨されるべき
しかし
他の穀物に関しては
アレルギーの原因になりやすいという
科学的根拠はない。

最後に
穀物はフードのかさ増しのため
という説

【反論】
確かに、原料の表示の先頭
「とうもろこし」などのような
肉よりも穀物の多いフード
かさ増し
と言って間違いないでしょう。

ただし炭水化物は犬の必須栄養素
穀物は非常に効率の良い炭水化物源
なので
バランスの取れた配合であれば
決してかさ増しのためとは言えません。

「グレインフリーはどれも体にいい!」
みたいな誤解を招く宣伝広告のせいで
「はい論破!」
みたいな感じで、次々否定されますが
グレインフリーという考え方自体は
実際はそう悪いものではありません

というのもGI値の観点から見ると

※GI値
その食品の食後の
血糖値の上がりやすさを表す数値

GI値の詳細は▶

白米や小麦など白い穀物は
食後の血糖値が非常に上がりやすく
肥満や、糖尿病などの原因とされることも

炭水化物源から穀物を排除し、
食物繊維の多いさつま芋など
低GI食品を摂取するという意味では
グレインフリーは非常に有効的

もう一つ
わんちゃんは年を取るほどに

・炭水化物を代謝する力が弱くなり
・肉を代謝する力は維持されやすい

ということ。
シニアになり足腰が弱り
寝たきりの、わんちゃんもいますが
これが食べてるごはんによるもの
と言われています。

シニア犬には
肉を減らしたヘルシーなごはん
が似合いそうですが
これが間違いの元ということ。

グレインフリーに限らず
原材料表記の一番初めに
穀物や野菜が記載されているような
いわゆる粗悪と言われるフードは
あなたの大切なわんちゃんに
合ってないかもしれません。

またドライフードでは
製法によっては、高温高圧のため
炭水化物はぶどう糖にまで分解され
急激な血糖値上昇
を招くことも。

こうして考えると、わんちゃんのごはんは
グレインフリーかどうか?
よりも
良質な肉が中心のごはんか?

※良質な肉
肉類・肉副産物という表記ではなく
牛肉・鶏肉・ラム肉
とはっきり明記されているもの

肉・肉類の違いを詳しくは▶

のほうが重要だと言えます。
要は
グレインフリーでも粗悪なものはあるし、
そうでないものもあるということ。

以上踏まえたうえで
ヒッポのごはんでは

・新鮮な肉を中心に
・穀物も適度に摂取

できるようなごはんを基準としています

とらのすけ
とらのすけ

わんちゃんによって、グレインフリーなレシピに変えたり!
臨機応変に対応しているよ。

ヒッポのごはんで使うのは白米ではなく玄米


ヒッポのごはんでは
穀物は何種類か食材候補にチョイス
その中のひとつが
それも白米ではなく
玄米を採用しています。

その理由は先にも出たGI値の差
それぞれ見てみると

白米のGI値 約80~88
玄米のGI値 約55
(GI値70以上で高GI・55以下で低GI)

加えて、あえて言うなら
玄米のほうが栄養価が高いこと
ビタミン・ミネラルに加え
食物繊維・難消化性でんぷんが豊富

いいことづくめ
に見えるのはここまで

・なんかボソボソしてる
・味が好きじゃない

食感や食味の不人気さ以外にも
実は玄米には
様々なデメリットがささやかれています

フィチン酸にアブシジン酸!玄米には毒がある?!

アブシジン酸がミトコンドリアを破壊
フィチン酸がミネラルの吸収を阻害!
さらに体内のアミノ酸を吸着し排泄

玄米のぬかの成分について
ちょっと怖い情報が流れています。

結論から申し上げますと
・フィチン酸も
・アブシジン酸も
その安全性が証明されたどころか
むしろ

抗炎症作用
動脈硬化の予防・改善
糖尿病の予防・改善

に有用である可能性さえ示唆されています

ただし
玄米の中でフィチン酸は
鉄や亜鉛などのミネラルと強く結合

※=フィチン酸塩の状態
水に溶けにくく非常に吸収しにくい
小腸の酵素、フィターゼで分解でき
少量ながら吸収も可能

すなわち
フィチン酸=元々ミネラルと結合
⇒摂取しても
 他の体内のミネラルを
 吸着・排出させることはない
と言われています。

逆に言えば
玄米を食べてもフィチン酸
ミネラルと強く結合しているため
=水に溶けにくい物質として存在
⇒体内で吸収されずに排泄されやすい
玄米のミネラルの吸収は効率悪い
フィチン酸も吸収されにくい

さらに
アブシジン酸には
加熱調理により失われる
という報告があり

これはどちらも
毒として噂される
フィチン酸とアブシジン酸の
安全性の根拠として用いられますが
・吸収されにくい
・加熱で失われる

ということは
同時に栄養成分としての有用性まで
否定することに・・・

なので
玄米を食べても
フィチン酸&アブシジン酸の

・抗炎症作用
・動脈硬化の予防・改善
・糖尿病の予防・改善

ような有用性には
あまり期待できないということに!
なりますよね?

とらのすけ
とらのすけ

玄米を選んだ理由は低GI値なこと。元々パパさんは栄養成分にはあまり期待してないみたい。

重金属に残留農薬・ヒ素!玄米には危険がいっぱい!?

日本で流通しているお米は基本的に
玄米の時点で厳しい安全基準をクリア

食品安全委員会でも

バランスの良い食生活を心がければ、
食品からヒ素を摂取することによる
健康への問題はない

とされています。

ただしこれは人でのこと
人よりも体が小さく、解毒能力も低い
わんちゃんではまだまだ心配が残ります。

さらに玄米には
・カドミウムなどの重金属
・残留農薬

なんかも白米よりも多いって聞くし
やっぱり心配!
ですよね

ところで

・重金属・ヒ素
・残留農薬
・浸水に時間がかかる
・ぼそぼそして美味しくない

こんな玄米のデメリットを
一手に引き受ける悪者がいます
それが
ロウ層
と呼ばれる
玄米のぬか層のさらに表面を覆う脂質

食べにくいのはロウ層のせい
残留物が多いのもロウ層のせい

デメリットはすべてこのロウ層のせい
あ~このロウ層さえなければなぁ・・・
そんな都合のいい玄米なんかないよね~

それがあるんだよのび太君!
金芽ロウカット玄米~♪
※宣伝広告ではないです

独自技術でロウ層だけを除き
玄米の栄養成分はそのまま!
食物繊維も残り、GI値も低い

・白米の安全性
・玄米の高栄養価

を兼ね備えた
さらに農薬や化学肥料も使っていない!
まさに
わんちゃんのための玄米
(もちろん本来は人用です)

もう一つ米として
候補に挙げているのが
発芽玄米

発芽に向けて
栄養価が高まった上
・ぬか層がやわらかく
なっています。
なので
浸水に手間が少なく、消化にもいい。
さらに
GABAを多く含むと言われ

・脳の興奮を鎮める
・睡眠の質を高める
・高めの血圧を下げる

などの機能にも期待できます。

が!

・カビが生えやすく日持ちしない
ロウ層は残るので
 少ないとはいえ残留物が気になる

というデメリットもあります。

ヒッポのごはんで主に使うのは
ロウカット玄米
ですが
残留物のデータは明示されておらず
危険性が無いとは言い切れない。

そこで例として
ヒ素量の予測を立ててみると

ヒ素に関しての詳しい情報▶

玄米の無機ヒ素量
0.15mg/kg
ですが、ロウ層がカットされているので
白米と同じヒ素量だと予測すると
0.09mg/kg
※いずれも農林水産省算出1000点以上の中央値
1gあたりの無機ヒ素量に直すと
0.09mg=90μg÷1000g=0.09μg/g

体重3kg
の犬に
炊飯した玄米を1日10g与える
炊飯前の5g相当とすると
無機ヒ素量は
0.09μg/g×5g=
0.45μg
体重1㎏あたりのヒ素量は
0.45μg÷体重3kg=
0.15μg

ここでさらに調理で工夫します

・炊飯前に約5分間熱湯につけ
水を入れ替えてから炊飯

これによりヒ素量は約50%減
※STFC Food Networkの実験による
最終的な体重1㎏あたりのヒ素量は
0.15×50%=
0.075μg
ということになります
※同時に多くの栄養素も失いますが

WHOの定める無機ヒ素の摂取基準は

3μg/体重1㎏/1日まで
※肺がんリスク0.5%増加リスク

もっと厳しい欧州の基準でも

0.3μg/体重1㎏/1日まで
※皮膚病リスク1%増加リスク

>0.075μgという数値は
人の基準を犬に当てはめられない
とは言え
リスクは限りなく0に近いと思える。

全ての食品は究極まで突き詰めれば
何かしら体に悪い要素が含まれます
・動物性油脂の飽和脂肪酸
・キャベツなどのゴイトロゲン
・ほうれん草などのシュウ酸
食べ物を摂取する限りリスクゼロは不可能
なので
リスクとどううまく向き合うか?
が大切。
玄米もそのままではやや高リスク
ですが

ロウカット玄米の選択
・炊飯前に熱湯につける

など、知識と工夫をもって
リスクを限りなく減らすことは可能
※玄米に関しては栄養より安全性を優先

とらのすけ
とらのすけ

こういった工夫の結晶がヒッポのごはん!安心して食べてね~

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