愛犬の健康寿命を左右する!ドッグフードの隠された落とし穴と安全な選び方完全ガイド~原材料・製造・保存の闇に迫る~

知りたくなかった?!ドッグ府^どの闇の部分 こだわり

愛犬は家族の一員
だからこそ、毎日食べるドッグフードには最大限の注意を払いたいものです。
しかし、市販のドッグフードには
私たちの知らない「闇」
が隠されている可能性があります。

この記事では
・原材料の謎
・製造工程の落とし穴
そして
・家庭での保存方法
に至るまで
ドッグフードにまつわる様々な問題点
を徹底的に掘り下げます。
愛犬の健康を守り
より良いドッグフードを選ぶための知識
を身につけましょう。

原材料の闇:その肉、本当に「肉」ですか?

ドッグフードの品質を左右する最も重要な要素は原材料です。
しかし、パッケージの表示だけでは見えてこない問題が潜んでいます。

ちなみにフードの袋の裏にある原材料表示は、基本的に使用量の多い順
最初の数項目で、そのフードの主な構成成分が分かります。
添加物など微量なものは「/」の後に記載されるとこが多いです

「肉」と「肉類」の違い、ミール、肉骨粉の実態

●肉なのか? 肉類なのか?
~小さく見えて大きな違い

◇肉(チキン、ビーフなどの表記も)
特定の動物種の筋肉部分を指します。
比較的安心できる表記です。

◇肉類
・複数の動物種や
筋肉以外の部位(皮、骨、内臓など)
が混ざっている可能性があります。
・何の動物の?
・どの部位が使われているか?
不明確な場合が多く、品質にばらつきが出やすいと言われています。
・家禽ミール
・ミートミール
なども含まれます。

肉類の定義は

生肉肉体部分、並びに体・又は体の一部から生じるすべての副生物とその加工物
とらのすけ
とらのすけ

分かりやすいようでさっぱりわからない。副生物ってなんやねん!?

副生物とは?
副産物から原皮(皮)を除いたもの

とらのすけ
とらのすけ

じゃ・・じゃあ副産物って何?

AAFCOでの副産物の定義
屠殺された動物から取り出される、汚染および精製されていない肉以外の部分
肺・脾臓・腎臓・脳・肝臓・血液・骨・部分的に脱脂された低温脂肪組織・内容物を除いた胃腸

ごく簡単に言うと
肉類とは
・人が食べられないものでも
・何でも使うよ!
毛・爪もね
ということ。
しかもその洗浄に
大量の薬品
が使われていることも・・・

肉類という表示
どんなものが使われているかわからない
=危険な状況
とも言えます。

※基本的には
・安全
・衛生面
をしっかりと管理したものが大部分。
(だと信じたい)
全ての肉類が危険というわけではないです。

◇〇〇ミール
屠殺の際に出る
・脂身・くず肉・皮・スジ・ガラなど
(羽・頭・内臓・足は入れてはいけない)
動物の様々な部位を
▶高温で加熱処理して
▶脂肪分を取り出す工程
※これがレンダリング
で残った残滓(固形分)を
▶乾燥させ
▶粉末状にしたもの

問題となるのが
①目的が脂肪を取り出すこと
なので、その残りカスの品質にはこだわりがありません。

②高温加熱▶さらに乾燥
という工程で、タンパク質の変性はかなり進んでいると言えます。
また栄養価も著しく損なわれます

③粉にしてからの保存期間
が長くなるものでは保存料を添加
ですが、この保存料はフードの原材料には表示されません

④何より得体がしれない
食用に適さない動物の死骸や部位
・病死した家畜
・事故死した動物
・食肉加工の残りカスなど
いわゆる4Dミート
・Dead・死亡
・Dying・瀕死
・Diseased・病気
・Disabled・障害
が含まれる可能性も指摘されています。

どのような動物が使われたか?
追跡が困難なため
アレルギーの原因特定が難しくなる
こともあります。

「チキンミール」のように
・動物名が特定されていれば
・何の動物のミールかは分かります
が、それでも品質の幅は広いです。
・「家禽ミール」
・「ミートミール」
となると、さらに不明瞭さが増します。

メリットとしては
①高たんぱく・低脂肪
脂肪がないのでたんぱく質比率が高い

②非常に安い
脂を取った残りカス

③扱いやすい
乾燥粉末なのでドライフードの原料に適している

メリットは
人間都合でしかありません

※ちなみに
取り出した脂肪は、人用の食材としても販売されています。
ドッグフードにも
・食いつき良化
・フードの成型
目的で使われることがありますが
酸化の危険性
をはらんでいます。

※注意
特に闇の部分に焦点を当てたため、悪者のようなイメージを与えてしまってます。
ですが、しっかりと安全管理された優良な原材料もあることをご理解ください。

★実は安全!チキンミール
チキンミールは、ペットフードで最も多く使用されるタンパク質源の一つ

主に家禽処理工場で発生する
・骨
・その周りの肉
を高温で調理し、粉末状にした原料。
このようなレンダリング業は
・食肉加工で生じる不可食部を有効活用
・循環型社会形成に貢献
という重要な役割を担っています。

●チキンミールは新鮮!

鶏の不可食部は
▶即座にその日のうちに加工
▶常に新鮮なチキンミールを生産
▶ペットフードメーカーに納入

●チキンミールに関する誤解
「死後何日も室温放置された死骸が原料」
という誤解があります
これはAAFCOの
「carcass」
という単語が
「死体、死骸」
と誤訳されたことによるもの。
実際の製造現場では
「carcass」
は主に
「鶏ガラ」
を指し、新鮮な状態で加工されています。

◇肉骨粉
イメージとしては
骨ありのミートミール
ということは
BSE=狂牛病
の恐怖まで追加されています。
検査はされている
と言われていますが、諸外国、すべての国で検査されているかどうかは疑わしいところです。

●「肉」以外で比較的安全な材料表示

◇チキン(生・骨抜き)
正式名称はMDM
Mechanically deboned meat
機械でガラからはぎ取った肉
チキンナゲットの原料として有名ですね。
人間用の食材なので比較的安全性は高いと言えます。
生肉を取った後の、副産物的要素があるので安いのです。

◇肉(乾燥○○)
この表示は「肉」なので
・人が食べる食材であり
・副産物は使われていない

という判断ができます
チキンであれば、鶏肉を乾燥させ粉末にしたもの。
水分は約10%でたんぱく質が凝縮

似ているようですが
・チキンパウダー
という表示では、意味が広く、何が使われているかよくわからない。
例えば、チキンエキスをパウダー状に加工したもの、とも取れます。

穀物の功罪とグレインフリーの罠

●ドッグフードにおける穀物の役割
・トウモロコシ
・小麦
・米
などの穀物は
・安価な炭水化物源として
・フードの形状を保つ「つなぎ」として
多用されます。

●穀物の問題点

◇犬は本来肉食に近い雑食動物
犬は大量の穀物を消化するのはあまり得意ではありません。
・消化不良
・アレルギーの原因
となることがあります。

◇特に小麦グルテン
アレルギーを引き起こしやすいと言われています。

●グレインフリー(穀物不使用)フード

グレインフリーとは
・大麦
・トウモロコシ
・オーツ麦
・米
・小麦

などの
「種子を形成するイネ科植物」
を含まないフード設計を指します。
遺伝子組み換え作物への不信感から
・大豆
を含まない場合も多いです。

◇犬の祖先の食性
しばしば

犬の祖先であるオオカミはは穀物を食べていなかったからグレインフリーが良い

という主張があります。
確かにオオカミは肉食中心
ですが、犬は
・人間との長い共生の歴史の中で
・デンプンを消化する能力を進化
させてきました。
そのため、適量の穀物は多くの犬にとって問題なく消化できます。

 ◇グレインフリーの流行
グレインフリーフードの流行には
・人間のグルテンフリー志向
(小麦のグルテンを摂らない)
・「より自然に近い食事」
という
マーケティング戦略の影響
も大きいと考えられます。

◇アレルギー対策
穀物アレルギーを持つ犬にとっては有効な選択肢です。

◇注意点:高GI値について
グレインフリーでも、代わりに
・ジャガイモ
・サツマイモ
・豆類
などの炭水化物が使用されています。
これらが高GIである場合
血糖値の急上昇
を招く可能性があります。

◇犬の拡張型心筋症との関連性
近年
・一部のグレインフリーフード
(特に豆類を多用したもの)

・犬の拡張型心筋症(DCM)
との関連性をFDAが調査。
原因はまだ特定されていません
・タウリン不足
・豆類の成分

などが関与している可能性があります。

現時点で言えることは
・グレインフリー=安全・高品質
とは言い切れないし
・グレインフリー=危険
でもないということ。

ここで重要なのは
「何が入っていないか」
より
「何が入っているか」
・グレインフリーである
ことよりも、そのフードが
・愛犬に必要な栄養素をバランス良く
・質の高い原材料から供給

できているかどうかが重要なのです。

野菜たっぷりは栄養たっぷり!~それはイメージでしかない

ドッグフードに使用される
・野菜
・穀物
は、生のまま使われることはほとんどありません
一般的には、以下のような形で加工されてから配合されます。

●乾燥・粉末化
例えば
・ポテトパウダー
・エンドウ豆プロテイン
・米粉など
これにより保存性が高まり、他の原材料と均一に混合しやすくなります。

●加熱処理
穀物の場合、消化しやすくするためにアルファ化などの加熱処理が施されることが一般的です。
エクストルダー製法自体が強力な加熱処理

※エクストルーダー製法
高温高圧で押し出して成形する一般的なドライフードの製法

栄養価について

特に野菜に含まれる熱に弱いビタミン
・ビタミンC
・一部のB群ビタミンなど

は、乾燥や加熱処理の過程で大幅に失われてしまう可能性があります。

そのため
多くのドッグフードメーカーは
・製造工程の最後
・原材料の段階
で、失われた栄養素を補うために
・合成ビタミン
・合成ミネラル

を添加しています。
しかも
どのくらい栄養素が失われるか?
予想で添加するため、過剰に添加される傾向にあります。
これにより
総合栄養食
としての栄養基準を満たしています。

では、野菜や穀物を入れる意味は?

先のように野菜の栄養価は
・乾燥
・加熱処理
の過程で大幅に失われてしまう可能性があります。
かと言って
完全に失われるわけではありません。
ですが、主な目的は栄養価というより、以下の点が考えられます。

●炭水化物源・エネルギー源
・穀物
・イモ類
主要な炭水化物源として、犬の活動エネルギーとなります。

●食物繊維源
野菜や穀物に含まれる食物繊維は
・犬の腸内環境を整える
・便通を良くする

働きがあります。
これは加熱処理後もある程度残ります。

●形状の維持・結着剤
特にドライフードの場合、粒の形状を保つための「つなぎ」として穀物やデンプン質の野菜が使われます。

●風味・嗜好性
野菜や穀物由来の風味が、フードの嗜好性を高めることもあります。

●コスト調整
肉類に比べて安価
なため、フード全体のコストを抑える目的もあります。

●マーケティング
・野菜たっぷり!
・〇〇配合!
といった表示が、飼い主に対して健康的なイメージを与える効果もあります。

結論として

ドッグフードの原材料表示では
加工前の原材料の名称を記載する
ことが認められています。(肉も)
つまり
実際にフードに配合される際には
・乾燥されている
・粉末状になっている
野菜でも、原材料リストには
「ニンジン」
「カボチャ」
といったように、生の野菜の名前で記載されることが一般的です。

信頼できるメーカーでは自主的に
「乾燥カボチャ」
「カボチャ粉末」
のように
・より具体的な加工状態を記載
・ウェブサイトなどで原材料の加工方法について情報提供
したりしているところもあります。

・パッケージデザイン
・広告
で、あたかも生の野菜がゴロゴロ入っているかのようなイメージを強調し、実際の内容と大きく異なる場合は、有利誤認として景品表示法に抵触する可能性。

もし、より自然な形で
・野菜
・果物
の栄養を摂取させたい場合
・低温で乾燥させたエアドライ製法
フリーズドライ製法
のフードを選んだり
手作り食で新鮮野菜を少量トッピング
などの方法も考えられます。
※手作りは栄養バランスに十分注意が必要です。

もし特定のフードについて疑問がある場合は、メーカーに直接問い合わせてみるのも一つの方法です。

添加物の実態:表示されるもの、されないもの

ドッグフードには
・品質保持
・栄養強化
・嗜好性向上
のために様々な添加物が使用されます。

表示される主な添加物:

●酸化防止剤
油脂の酸化を防ぎ、品質を保持します。

◇合成酸化防止剤
・BHA
・BHT
・エトキシキン
など
・発がん性
・アレルギーのリスク
が指摘されています。
特にエトキシキンは日本では農薬です。
・人間用食品には使用禁止
であるにもかかわらず
・ペットフードでは使用基準値
を設けるにとどまっています。

◇天然由来酸化防止剤
・ビタミンE(ミックストコフェロール)
・ローズマリー抽出物
・緑茶抽出物など。
比較的安全性が高いとされていますが、効果の持続期間が短い場合があります。
「天然」は聞こえはいいです。
しかし長期保存では酸化の危険性

●保存料
ソルビン酸カリウムなど。
・カビ
・細菌
の繁殖を抑えます。

● 着色料・発色剤
・赤色〇号、黄色〇号
・二酸化チタン
・亜硝酸ナトリウムなど。
見た目を良くするためだけに使われ
犬にとっては全く不要なもの
アレルギーや健康への影響が懸念されるものもあります。

●甘味料・香料
犬の嗜好性を高めるために使用されます。
特に品質の低い原材料の味をごまかすために使われることもあります。

表示されない添加物(キャリーオーバー・加工助剤)とは?

●キャリーオーバー
原材料の段階で既に含まれている添加物
▶製品の製造工程では添加していない
▶表示義務がない!
例えば
ミールの製造過程で使用された酸化防止剤

●加工助剤
製品の製造過程で使用されるが
・最終製品にはほとんど残らない
あるいは
・残っていても微量で影響がない
とされるため、表示義務がないもの。
例えば
pH調整剤
=製品のpHを調整するために使用
▶残存しても量が少ない
▶表示の必要はない

これらの
「隠れた添加物」
の存在により、パッケージ表示だけでは全ての使用物質を把握できないのが現状です。

栄養基準を満たすため(だけ)のサプリメント

多くのドッグフードは
総合栄養食
として販売されています。
AAFCO(米国飼料検査官協会)などの栄養基準を満たすように設計されています。
しかし、その栄養バランスは
・天然の食材
からではなく
・合成ビタミン
・合成ミネラル
を添加することで調整されている場合がほとんど。

●問題点

①合成ビタミン・ミネラル
=天然のものと比べて
・吸収率
・体内での働き
が劣る可能性
があります。
・愛犬の健康のための添加
という意味の他に
・総合栄養食の基準をクリア
するための、見かけのためだけに添加されている場合も考えられます。

人で言えば某完全メシのたんぱく質みたいなもの。
原材料に目をやると、たんぱく質源として考えられるのは「コラーゲンペプチド」だけです。

こちらにはトリプトファンが全く含まれないので、アミノ酸スコアは0。
なのでそれを補うようにトリプトファンが別に加えられています。
果たしてこれは「完全なたんぱく質」と呼べるのだろうか?

答えが出るのは食べ続けて何年後。

過剰摂取によるリスク
も考慮する必要があります。
サプリメントを添加する量
・出来上がった商品に対し
「この栄養がこれだけ足りないから、足りない分きっちり添加」
しているのではなく
・製造過程・貯蔵過程で
「多分これくらい栄養が損失するから、予測で足す」
ということが考えられるから。

③本来ならば
・良質な原材料を使って
・栄養を損なわない調理
をすれば過度なサプリメント添加は不要なはずです。

しかしながら
手作りごはんなどでも、全て自然のものだけでごはんを作ろうとすると、色んな栄養素が基準よりも低くなることがほとんど。
つまりサプリメントなしでは
完全に栄養基準を整えることは不可能
とも言えるくらい難しいこと。

ネット・本などで紹介されていても
・亜鉛
・カルシウム

などは、ほぼすべてのレシピで不足。
これが獣医さんが
手作りごはんは危険!
と警告する理由であります。
手作りごはんでは
・精確な栄養計算
・不足する栄養素をサプリで補う
ことが重要となります。

酵母エキス、タンパク加水分解物などの風味原料

これらは「添加物」とは表示されません。
犬の嗜好性を高めるために使われる「風味原料」です。

●酵母エキス
うまみ成分であるグルタミン酸を多く含み、フードの味を良くします。

●タンパク加水分解物
タンパク質をアミノ酸レベルまで分解したもので、強い風味を持ちます。
・アレルギー対応フード
の他
嗜好性向上
の目的でも使用されます。

●問題点
これら風味原料で嗜好性を高めるフードは
・犬が過食しやすくなる
・より自然な風味のフードを食べなくなる
可能性があります。
また、原材料の質の低さをカバーするために使われている場合も考えられます。

「〇〇ミール不使用」「人間基準の原材料」の注意点

●「〇〇ミール不使用」
質の低いミールを避けているアピール
ですが
・他のミール
・品質の不明な「肉類」
が使われている可能性はあります。

●「ヒューマングレード」
直訳すると「人間基準の原材料」
こちらに法的な定義はなく、メーカーの自主的な基準です。
本当に人間が食べるレベルの品質か?
どの程度の基準なのかはメーカーによって異なります。
言葉のイメージだけで判断せず
・具体的な原材料リスト
・情報開示の姿勢
を確認することが重要です。

製造プロセスの闇:高温高圧が奪うもの

ドッグフードにとっては
・原材料
だけでなく
・どのように作られるか
も重要です。
一般的なドライフードの製造方法には、
・栄養価
・安全性
に関わる問題点が潜んでいます。

高温高圧処理(エクストルーダー)の悪影響

多くのドライフードは
エクストルーダー
という機械で製造されます。
これは
▶原材料を粉砕、混合
高温高圧で加熱・加圧して
▶押し出し成形する製造方法

●メリット
・大量生産が可能でコストを抑えられる
・デンプンのα化(消化しやすくする)
・殺菌効果
があります。

●デメリット

◇栄養素の破壊
・熱に弱いビタミン
(特にビタミンB群、C)
・酵素
などが大幅に失われます
そのため、製造後に
・合成ビタミン
・合成ミネラル
を添加することが一般的です。

◇タンパク質の変性
高温によりタンパク質が変性
・消化吸収性が低下
・アレルギーの原因

となったりする可能性があります。

◇AGEs(終末糖化産物)の生成
いわゆる体のコゲ。
タンパク質&糖
加熱によって結合してできる物質
・老化
・糖尿病
・腎臓病
・動脈硬化

などのリスクを高めると言われています。
エクストルーダーでは
AGEsが生成されやすい
と考えられています。

◇油脂の酸化
高温処理により
▶油脂が酸化しやすく
過酸化脂質が生成されるリスク
これは
・細胞にダメージを与え
・様々な健康問題を引き起こす
可能性があります。

イメージの良さは一級品!「生肉使用」のトリック

パッケージに
「生肉使用」
と書かれていると
・新鮮
・高品質
なイメージを持つでしょう。
しかし、ここにも注意点があります。

※生肉はコストは上がり、決して栄養価が高いわけではないです。
それでも各社
・イメージ戦略のため
・わんちゃんの健康を願い
フードにどれだけ生肉を配合できるかを試行錯誤しています。
独自の技術で
・より生に近い状態での使用
・より高い割合での生肉の使用
を可能にしている工場もあるかもしれません。
そのほとんどが企業秘密のため、すべてを知る由がないことをご理解ください。

ドライフードの製造機械は、
粉末状の原料を前提として設計
されています。
そのため
生の塊状の肉をそのまま投入すると
・機械の詰まり
・衛生上の問題
・品質のばらつき
を引き起こす可能性が極めて高いです。
少し詳しく見てみましょう。

●形状と粘性
生肉は
・繊維質
・塊状
・水分も多く含まれている
製造機械(特にエクストルーダー)にそのまま投入すると
▶スムーズに流れず
▶内部で塊になって詰まる
可能性が高いです。

●衛生管理
生肉には
・細菌
・微生物

が存在する可能性が大いにあります。
これらの菌が
▶製造ラインに付着
▶繁殖する
▶製品全体の衛生状態を悪化させる
原因となります。
機械の清掃も非常に困難でしょう。

●品質の安定性
生肉は
・水分量
・脂肪分
のばらつきが大きい
です。
なので、そのまま投入しても均一な品質のフードを製造することが難しくなります。

実際の製造における生肉の扱い

●乾燥・粉末化
生肉を
▶乾燥させて水分を飛ばし
▶粉末状のミートミールなどの原料に加工
してから使用するのが一般的です。
(先のミートミールとは意味合いが違います。
原料表記は「生肉」となります。)

これにより
・機械への投入がスムーズ
・保存性も向上します

完全に乾燥(水分約10%)させないで
フード製造が可能な状態(水分約20%)
まで処理したものも多いようです。

※生肉の英語表記
生肉を直訳すると
・raw meat
・fresh meat
ですが、実際の英語表記では
・fresh prepared meat
となっています。
これは
・新鮮に調理された
・作りたての
という意味で、生肉そのものを指しているわけではありません。

また野菜と同じように
材料として実際使っているのが
・乾燥牛肉
であっても、ドッグフードの原材料表示は
加工前の原材料の名称を記載する
ことが認められているので
・生肉
・牛肉

と表示されているのが一般的です

●細かくミンチ状にする
生肉を非常に細かいミンチ状に
▶他の粉末原料と混ぜ合わせて
▶エクストルーダーに投入
するケースもあります。
しかし、この場合でも、詰まりのリスクを完全に排除することはできません。

また
ペースト状に加工した
「ミートスラリー」
と呼ばれるものが使われていることが多いと言われています。

●フリーズドライ・エアドライ
生肉を
・フリーズドライ
・エアドライ
といった特殊な製法で乾燥させ、栄養価をできるだけ保持した状態で使用するフードもあります。

「生肉使用」とあっても
・その配合割合はごくわずか
・残りは乾燥肉やミールである場合
も考えられます。
・総タンパク質量に占める
▶生肉由来のタンパク質の割合
を確認することが重要です。
が、これは表示からは読み取りにくいのが実情です。

オイルコーティングの実態

エクストルーダーで作られたドライフードは、製造工程で
・風味
・油分
が失われがちです。
そのため、
・嗜好性の向上
・エネルギー補給
を目的とし、最後に動物性油脂や香料をスプレーで吹き付ける
オイルコーティング
が行われることが一般的です。

●問題点

◇コーティングされた油脂は
▶空気に触れやすく
▶非常に酸化しやすいです。
酸化した油脂は有害であり、フードの品質劣化の主な原因となります。

・フードの粒が油っぽくベタベタしている
あるいは
・開封後に強い油の匂いがする
場合は、オイルコーティングが多く、酸化が進んでいる可能性があります。

◇どのような品質の油が使われているか不明瞭な場合もあります。

流通・貯蔵の闇:見えない場所での品質劣化

①ドッグフードが手元に届くまで
②家庭で保存される間
・貯蔵
・流通
・保管
様々な場面で品質劣化のリスクがあります

輸送・倉庫保管中の温度管理

・コンテナ輸送
・倉庫での保管中
特に夏場などは高温多湿の環境にさらされる可能性があります。
これにより
・油脂の酸化が進む
・カビが発生する
などのリスクが高まります。

特に輸入品の場合
・長い輸送期間
・複雑な流通過程を経る
ため、品質管理がより重要になります。

長期保管による品質劣化とカビ毒(マイコトキシン)

ドッグフードには賞味期限があります。
これはあくまで
未開封で
適切に保管された
場合の目安です。
保管状態が悪ければ、期限内でも品質は劣化します。

★特に注意が必要なのが
カビ毒(マイコトキシン)
・穀類
・ナッツ類
に発生しやすいカビが産生する毒素
微量でも
・肝臓障害
・腎臓障害
・免疫力低下
・発がん性

などの深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。

・高温多湿な環境
・開封後の不適切な保存

は、カビ毒のリスクを高めます。

家庭での保存の闇:開封した瞬間から劣化は始まる

どんなに高品質なフードでも
家庭での保存方法
を誤ると品質は急速に低下します。

●開封後の酸化
ドライタイプは開封した瞬間から空気中の酸素に触れて酸化が始まります。
特にオイルコーティングされたフードは酸化しやすいです。

●湿気
湿気を吸うとカビが発生しやすくなります。

●害虫
フードの匂いに誘われて、害虫(コクゾウムシなど)が侵入・繁殖することがあります。

●冷蔵庫保存の注意点

◇一般的にドライフードの冷蔵保存は推奨されません
冷蔵庫から出し入れする際の
▶温度差で
▶結露が生じ
▶カビの原因になることがあります。

もし冷蔵保存する場合は
・1回分ずつ密閉容器に小分け
・与える前に常温に戻す
などの工夫が必要です。

●袋のままの保存
大袋のフードを袋のままクリップで留めるだけでは
▶密閉性が低い
▶酸化や湿気、害虫の侵入を防ぎきれない

フードの酸化を防ぐためには
・開封後は密閉容器に移し替え
・冷暗所で保存
・1ヶ月程度で使い切る
のが理想です。
大袋で購入する場合は
・1週間分程度を小分けにして
・残りは真空パックにする
などの工夫も有効です。

表示のカラクリと法律の限界

ドッグフードの安全性と品質は
ペットフード安全法
愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律
によって一定の基準が設けられています。
しかし
この法律だけでは万全とは言えません。

●ペットフード安全法の概要

◇有害な物質(農薬、重金属、カビ毒など)の基準値を設定。
◇添加物の使用基準を設定。
◇製造業者・輸入業者に届け出義務。
◇成分規格(タンパク質、脂質、繊維など)の表示義務。

●法律の限界

◇原材料の品質そのもの
例:4Dミートの使用禁止など
までは厳しく規制されていません。

◇「総合栄養食」の栄養基準はAAFCOの基準を参考にしています。
これはあくまで
最低限の栄養要求量を満たす
ものであり
・最適な栄養
を保証するものではありません。

◇表示義務のない
・キャリーオーバー
・加工助剤
の存在。

●「無添加」表示の注意点:

◇「無添加」と表示されていても
何が無添加なのか?
・着色料が無添加?
・保存料が無添加?
・全てが無添加?
を確認する必要があります。

◇特定の添加物を使用していなくても、他の同等な目的の物質が使用されている場合もあります

●「オーガニック」表示の注意点:

◇人間用食品のような
統一された公的なオーガニック認証制度
が、日本のペットフードにはまだ確立されていません
※一部、海外の認証を取得しているフードあり

◇メーカー独自の基準
「オーガニック」
と表示している場合もあります。
・信頼できる認証マーク
・具体的な基準
を確認することが重要です。

より良いドッグフードを選ぶためのポイント

ここまでドッグフードの様々な問題点を指摘してきました。
あえて闇の部分に焦点を当てた怖い話でしたが、悲観的になる必要はありません。
正しい知識を持って選べば、愛犬にとってより安全で健康的なフードを見つけることができます。

原材料表示を徹底的にチェックする

●第一主原料
眼材料表記の一番前。
最も多く含まれる原材料です。
「肉」(具体的な動物名)が第一主原料であることが望ましいです。

 ◇詳細な記載
「チキン生肉」
「乾燥サーモン」
「鶏レバー」
など、具体的で詳細な記載がされているか確認しましょう。
「肉類」
「家禽副産物」
のような曖昧な表記は避けた方が無難。

●避けるべき原材料の例
◇動物種が特定できない
「ミートミール」
「家禽ミール」など
◇BHA、BHT、エトキシキン
 などの合成酸化防止剤
◇赤色〇号、亜硝酸ナトリウム
 などの着色料・発色剤
◇トウモロコシ、小麦
 などが主原料の上位のもの
(特にアレルギー体質の場合など)
◇〇〇副産物
(品質が不明瞭な場合が多い)

●製造方法を確認する
可能であれば、エクストルーダー製法以外の製造方法
・オーブンベイク製法
・エアドライ製法
・フリーズドライ製法
などで作られたフードも検討しましょう。
これらは
・比較的低温で調理されるため
・栄養素の損失が少なく
・油脂の酸化も抑えられる
傾向があります。
ただし、価格は高めが多いです。

●情報開示の透明性が高いメーカーを選ぶ
・原材料の原産国や具体的な供給元
・製造工程の詳細
・品質管理体制
などを積極的に開示しているメーカーは信頼性が高いと言えます。

◇第三者機関による認証
(例:GMP認証など)
を受けているかも参考になります。

●少量パックから試す・適切な保存を心がける
新しいフードを試す際は
・まず少量パックで購入
・愛犬の食いつきや体調
(便の状態、皮膚の様子など)
を確認しましょう。

◇開封後は
・密閉容器に移し
・冷暗所で保存し
・早めに使い切る
ことを徹底しましょう。

●愛犬の体調変化を観察する
どんなに評判の良いフードでも、全ての犬に合うとは限りません。
フードを変更した後は
・毛艶
・便の状態
・活動量
・皮膚のコンディション

などを注意深く観察し、合わないようであれば別のフードを検討しましょう。

定期的な健康診断も重要です。

愛犬の健康は飼い主の選択にかかっています

ドッグフードの世界は奥深く、時には不透明な部分も存在します。
しかし
・正しい知識を身につけ
・表示を注意深く読み解き
・愛犬の状態を観察する
ことで、より安全で質の高いフードを選ぶことは可能です。

この記事が、愛犬の健康と幸せな毎日のために、最適なドッグフード選びの一助となれば幸いです。大切な家族である愛犬のために、飼い主として最善の選択をしていきましょう。

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