犬の血液検査は、目に見えない体の中の状態を知るための大切な手がかりです。
を理解することで、愛犬の健康管理に役立てることができます。
ここでは、主要な血液検査項目について
・その意味
・基準値の目安
・基準値から外れた場合のこと
・薬やサプリメントの影響
・豆知識
などを項目ごとに解説します。
赤血球関連の検査
体の隅々まで酸素を運ぶ赤血球の状態を評価します。
貧血や脱水などがないかを確認します。
1. 赤血球数 (RBC)
血液中に含まれる赤血球の数。
酸素運搬能力の指標。
●基準値の目安
550万~850万個/μL
●高値で考えられること:
◇病気:
・多血症(真性、相対性)
・心臓病や肺疾患
(低酸素状態への代償反応)
◇栄養状態/その他:
・脱水(血液が濃縮されるため相対的に増加)
◇薬やサプリメントの影響:
エリスロポエチン製剤の投与
・興奮
・ストレス
で脾臓が収縮
▶貯蔵されていた赤血球が血液中に放出
▶一時的に高値を示すことがあります。
特に犬ではこの反応が顕著です。
●低値で考えられること:
◇病気:
・各種貧血
(鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血、出血性貧血)
・腎不全
(エリスロポエチンの産生低下)
・慢性炎症
・腫瘍
◇栄養状態:
・栄養不良
(タンパク質、鉄、ビタミンB群などの不足)
◇薬やサプリメントの影響:
一部の抗がん剤、免疫抑制剤、エストロゲン製剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用による消化管出血など。
「溶血」といって
・採血時
・輸送時
に赤血球が壊れてしまうと、見かけ上低値になることがあります。
その場合、血清が赤みを帯びることがあります。
2. ヘモグロビン濃度 (HGB)
赤血球に含まれる、酸素と結合するタンパク質(ヘモグロビン)の量。
RBCと同様に酸素運搬能力の指標。
●基準値の目安:
12~18 g/dL
●高値/低値で考えられること:
RBCとほぼ同様の傾向を示します。
血液の色(赤色)はこのヘモグロビンに由来します。
貧血が進行すると、可視粘膜(歯茎や舌など)の色が白っぽく見えることがあります。
3. ヘマトクリット値 (HCT, PCV)
血液全体に占める赤血球の容積の割合。
貧血や脱水の指標としてよく用いられます。
●基準値の目安:
37~55 %
●高値/低値で考えられること:
RBCとほぼ同様の傾向を示します。
特に脱水状態を把握するのに有用です。
遠心分離機で血液を分離し、目視で測定することも可能(PCV)
健康な犬でも
・犬種(例:グレイハウンドは高め)
・年齢(若齢犬は低め)
によって生理的な変動があります。
4. 網状赤血球数 (Retic)
赤血球の「赤ちゃん」。
骨髄での赤血球産生能力を反映。
貧血の原因を探る上で非常に重要な検査です。
●基準値の目安
常は低い値
・0~1.5%程度
・あるいは絶対数で6万個/μL以下
など検査機関により表記が異なる
●高値で考えられること:
◇病気:
骨髄が活発に赤血球を作っている状態。
・出血性貧血
・溶血性貧血(再生性貧血)
◇薬やサプリメントの影響:
鉄剤やビタミン剤の投与が効果を発揮し、造血が促されている場合。
貧血時にこの数値が上昇していれば、
骨髄はまだ赤血球を作ろうとしている
と判断できます。
逆に
重度貧血にもかかわらず数値が上昇していない場合は
骨髄機能の低下(再生不良性貧血など)
が疑われ、より深刻な状態と考えられます。
●低値で考えられること:
◇病気:
貧血がない場合は正常。
貧血時に低い場合は、骨髄での赤血球産生能力の低下
・再生不良性貧血
・腎性貧血
・慢性疾患に伴う貧血など
白血球関連の検査
体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物と戦う免疫細胞である白血球の状態を評価します。
・炎症や感染の有無
・アレルギー
・ストレス
などを推測します。
5. 白血球数 (WBC)
血液中に含まれる白血球の総数。
●基準値の目安: 6,000~17,000個/μL
●高値で考えられること:
◇病気:
・細菌やウイルス感染症
・炎症性疾患(膵炎、肺炎など)
・腫瘍(白血病など)
・免疫介在性疾患
・組織の壊死
◇その他:
・ストレス
・興奮
・妊娠後期
・ステロイド剤の投与
◇薬やサプリメントの影響:
・副腎皮質ステロイド剤
・アドレナリン
生理的な興奮だけでも、一時的に貯蔵プールから白血球が動員され、2倍近くまで上昇することがあります。
●低値で考えられること:
◇病気:
・ウイルス感染症
(パルボウイルス感染症など)
・重度の細菌感染症
(敗血症末期)
・骨髄抑制
(薬剤、放射線、腫瘍など)
・免疫介在性疾患
(白血球に対する自己抗体)
◇その他:
特定の薬剤の副作用
◇薬やサプリメントの影響:
・一部の抗がん剤
・免疫抑制剤
・一部の抗生物質(長期・大量使用時)
白血球が極端に低い状態は
=感染に対する抵抗力が著しく低下
していることを意味し、非常に危険な状態です。
6. 白血球分画 (Differential)
白血球の総数だけでなく、その内訳
・好中球
・リンパ球
・単球
・好酸球
・好塩基球の割合や数
を見ることで、より詳細な体の状態を推測できます。
好中球 (Neutrophils)
細菌感染や炎症に対する主要な防御細胞。
●高値
・細菌感染
・急性炎症
・ストレス
・ステロイド投与
●低値
・重症感染症(消費の亢進)
・骨髄抑制
・一部のウイルス感染
未熟な好中球が増加している場合は、体が急いで新しい好中球を動員しているサインで、重度の炎症や感染が示唆されます。
リンパ球 (Lymphocytes)
ウイルス感染に対する防御や免疫記憶、抗体産生に関与。
●高値
・ウイルス感染の回復期
・慢性炎症
・リンパ系腫瘍
(リンパ腫、リンパ性白血病)
・ワクチン接種後の一時的な反応
・アジソン病。
●低値
・ウイルス感染初期
・ストレス
・ステロイド投与
・免疫不全
・リンパ管拡張症
※ストレスリンパ球減少症
ストレスやステロイド投与で特徴的に減少しやすい項目です
単球 (Monocytes)
組織内でマクロファージとなり、細菌や死んだ細胞を貪食処理。
慢性炎症で増加。
●高値
・慢性炎症
・組織の壊死
・免疫介在性疾患
・肉芽腫性疾患
・ストレス
・ステロイド投与。
長引く炎症や、体が何かを処理しようとしているサインです。
好酸球 (Eosinophils)
アレルギー反応や寄生虫感染に関与。
●高値:
・アレルギー性疾患
(アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど)
・寄生虫感染
・副腎皮質機能低下症(アジソン病)
・一部の腫瘍
(好酸球性肉芽腫症候群、肥満細胞腫など)
●低値:
・ストレス
・ステロイド投与。
アレルギー体質の犬では、症状がなくてもやや高めの傾向を示すことがあります。
好塩基球 (Basophils)
数は非常に少ないが、アレルギー反応や炎症に関与。
●高値
・重度のアレルギー反応
・寄生虫感染
・甲状腺機能低下症
通常、単独で大きく変動することは稀で、好酸球と連動することが多いです。
血小板関連の検査
出血した際に血を止める役割を持つ血小板の数を評価します。
7. 血小板数 (PLT)
血液中に含まれる血小板の数。
止血能力の指標。
●基準値の目安:
20万~50万個/μL
●高値で考えられること:
◇病気:
・炎症
・鉄欠乏性貧血
・一部の腫瘍
・手術後、脾臓摘出後
◇その他:
・本態性血小板血症(稀)
慢性的な
・炎症
・出血
があると、骨髄が反応して血小板を過剰に作ることがあります。
●低値で考えられること:
◇病気:
・免疫介在性血小板減少症(IMT)
・播種性血管内凝固症候群(DIC)
・骨髄抑制(薬剤、腫瘍など)
・脾機能亢進
・感染症(リケッチア感染症など)
・薬剤性血小板減少症
◇採血時の凝固(偽性血小板減少症)
血小板が極端に減少すると
(5万個/μL以下など)
自然出血
・鼻血
・皮下出血
・血尿
・血便
などのリスクが高まります。
一部の犬種では
(キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなど)
巨大血小板を持つため
▶自動血球計数器で正確に測定できず
▶見かけ上低値を示す「巨大血小板症」という体質的な特徴。
そのため、顕微鏡での確認が重要です。
また
▶採血がスムーズにいかず
▶血液がわずかに凝固してしまう
▶血小板が塊になってしまう
=見かけ上低値(偽性血小板減少症)となることもよくあります。
タンパク質関連の検査
体を作る重要な成分であるタンパク質の量を評価します。
・栄養状態
・肝臓・腎臓の機能
・炎症の有無
などを推測します。
8. 総タンパク (TP)
血液中に含まれるタンパク質の総量。
・アルブミン
・グロブリン
が主成分。
●基準値の目安:
5.5~7.5 g/dL
●高値で考えられること:
◇病気:
・慢性炎症
・感染症
・免疫介在性疾患
・一部の腫瘍(多発性骨髄腫など)
・脱水(相対的な増加)
◇栄養状態:
・高タンパク食(軽度で)
●低値で考えられること:
◇病気:
・肝不全(タンパク合成能低下)
・腎不全(タンパク尿による喪失)
・消化管疾患
(タンパク漏出性腸症、吸収不良)
・出血、重度の火傷
◇栄養状態:
・低栄養
・飢餓
・脱水
・低栄養
が同時に起こっている場合
=TP値が正常範囲内におさまることがあり、見かけ上問題ないと誤解される可能性があるので注意が必要です。
9. アルブミン (ALB)
血液中のタンパク質の約半分を占める主要なタンパク質。
肝臓で合成され
・栄養状態の維持
・血液の浸透圧調整
・物質の運搬
など重要な役割を担う。
●基準値の目安:
2.5~4.0 g/dL
●高値で考えられること:
◇栄養状態/その他:
・脱水(相対的な増加)
単独で病的に高値になることは稀。
●低値で考えられること:
◇病気:
・肝不全(合成能低下)
・腎疾患
(ネフローゼ症候群などによるタンパク尿)
・タンパク漏出性腸症
・出血
・慢性炎症
(炎症性サイトカインによる合成抑制)
・栄養失調
◇薬やサプリメントの影響:
長期的なステロイド投与で肝臓での合成が抑制されることがある。
アルブミンが著しく低下すると
(特に1.5 g/dL以下)
▶血管内の水分が組織に漏れ出す
▶腹水や胸水、浮腫(むくみ)の原因
となることがあります。
慢性疾患の
・重症度
・予後の指標
ともなります。
10. グロブリン (GLOB)
アルブミン以外の血漿タンパク質の総称。
免疫グロブリン(抗体)が主成分。
・免疫反応
・炎症
に関与。
TPからALBを引いて算出されることが多い。
●基準値の目安:
2.0~4.0 g/dL (TPとALBの値から変動)
●高値で考えられること:
◇病気:
・慢性炎症
・感染症
・免疫介在性疾患
・一部の腫瘍
(多発性骨髄腫、リンパ腫など)
・肝疾患(慢性肝炎など)
どの種類のグロブリンが増加している?
・α
・β
・γグロブリン
を調べるには、血清タンパク電気泳動という追加検査が必要になります。
特にγグロブリンの単クローン性(モノクローナル)な増加は、
多発性骨髄腫
などを疑う重要な所見です。
通常、γグロブリンは
▶複数の免疫細胞によって作られ
▶多様な病原体に対応
しかし
▶ある特定の免疫細胞が異常に増殖
したために
▶同じ種類のγグロブリンばかり作られる
ことを指します
●低値で考えられること:
◇病気:
・免疫不全(先天性、後天性)
・重度のタンパク喪失
(タンパク漏出性腸症、重度の火傷など)
11. A/G比 (アルブミン/グロブリン比)
アルブミンとグロブリンの比率。
両者のバランスを見ることで、病態の推定に役立つ。
●基準値の目安:
0.6~1.5程度(ALBとGLOBの値から算出)
●高値で考えられること:
・グロブリンの産生低下
(免疫不全など)
ただし、単独で大きな意義を持つことは少ない。
●低値で考えられること:
◇病気:
・アルブミンの低下
(肝不全、腎疾患、タンパク漏出性腸症など)
・グロブリンの増加
(慢性炎症、感染症、多発性骨髄腫など)
・あるいはその両方。
猫伝染性腹膜炎(FIP)では、特徴的にA/G比が著しく低下することが知られています。
犬ではFIPはありません。
が、同様に著しい低A/G比は
・特定の慢性疾患
・腫瘍
を示唆することがあります。
肝臓関連の検査
「沈黙の臓器」とも呼ばれる
肝臓の細胞が障害を受けていないか?
胆汁の流れに問題がないか?
などを評価します。
12. アラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT, GPT)
主に肝細胞に含まれる酵素。
肝細胞が壊れると血液中に出てくるため、肝障害の指標となる。
●基準値の目安:
10~100 U/L
(検査機関により上限は80~120 U/L程度)
●高値で考えられること:
◇病気:
・急性肝炎
・慢性肝炎
・肝硬変
・肝臓腫瘍
・中毒性肝障害
・うっ血性心不全(肝臓への血流障害)
・甲状腺機能亢進症
・クッシング症候群
◇その他:
・激しい運動後
(筋肉由来のALTもわずかに上昇)
・一部薬剤の投与
◇薬やサプリメントの影響:
・副腎皮質ステロイド剤
・一部の抗てんかん薬
(フェノバルビタールなど)
・一部のNSAIDs
・アセトアミノフェン
(人の解熱鎮痛剤で犬には禁忌)
サプリメントでは、肝臓保護作用を謳うものでも
・体質に合わなかったり
・過剰摂取したり
すると、逆に肝数値を上げる可能性もゼロではありません。
ALTは肝特異性が比較的高い酵素
ですが
▶筋肉細胞にも少量存在
▶重度の筋肉損傷でも軽度上昇
することがあります。
・上昇の程度や持続期間
・他の肝機能マーカー
との関連で評価します。
13. アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST, GOT)
・肝細胞
・心筋
・骨格筋
・赤血球
などに含まれる酵素。
これらの細胞が壊れると血液中に出てくる。
●基準値の目安:
10~50 U/L
●高値で考えられること:
◇病気:
・肝疾患(ALTと同様)
・心筋梗塞(犬では稀)
・筋肉疾患(筋炎、外傷)
・溶血
◇薬やサプリメントの影響:
ALTと同様。
ALTよりも肝特異性は低いです。
ASTが単独で上昇している場合は、肝臓以外
・筋肉
・赤血球
の障害も考慮します。
CK(クレアチンキナーゼ)と合わせて評価することで
・肝臓由来か?
・筋肉由来か?
の鑑別に役立ちます。
14. アルカリフォスファターゼ (ALP)
・肝臓(胆管上皮)
・骨
・腸
・胎盤
などに含まれる酵素。
・胆汁うっ滞
・骨の成長
・代謝
・ステロイドの影響
などで上昇。
●基準値の目安:
20~150 U/L
(検査機関や年齢により大きく異なる。若齢犬は高値傾向)
●高値で考えられること:
◇病気:
・胆汁うっ滞(胆管閉塞、胆管肝炎)
・肝細胞癌
・クッシング症候群
・甲状腺機能低下症
・糖尿病
・骨肉腫などの骨疾患
・骨折治癒期
◇その他:
・成長期の若齢犬=骨由来の生理的上昇
・妊娠後期=胎盤由来
・副腎皮質ステロイド剤の投与
◇薬やサプリメントの影響:
・副腎皮質ステロイド剤(著増)
・一部の抗てんかん薬
犬ではステロイド剤の影響で著しく上昇しやすい酵素です(ステロイド誘導性ALP)。
また
・肝臓由来のALPアイソザイム
・骨由来のALPアイソザイム
などそれぞれ異なるアイソザイム(異酵素)があり、詳細な分析で由来を推定することも可能です。
スコティッシュ・テリアでは、明らかな原因がなくてもALPが高値を示す体質的な特徴(良性家族性高ALP血症)があることが知られています。
15. γ-グルタミルトランスフェラーゼ (GGT)
・肝臓(特に胆管上皮)
・腎臓
・膵臓
などに含まれる酵素。
主に胆汁うっ滞の指標となる。
●基準値の目安:
0~10 U/L
●高値で考えられること:
◇病気:
・胆汁うっ滞(胆管閉塞、胆管肝炎)
・肝細胞癌
・膵炎
・クッシング症候群
◇その他:
副腎皮質ステロイド剤の投与
(犬ではALPほど顕著ではないが上昇する)
◇薬やサプリメントの影響:
副腎皮質ステロイド剤
ALPと同様に胆道系酵素。
犬ではステロイドによる誘導がALPほど顕著ではないため
▶ステロイド投与中のGGTの著しい上昇
▶より胆道系の疾患を疑う根拠
になることがあります。
新生子では初乳を介して移行するため高値を示します。
16. 総ビリルビン (TBIL)
古くなった赤血球が分解されてできる黄色い色素。
通常は肝臓で処理され胆汁中に排泄される。
黄疸の指標。
●基準値の目安:
0.1~0.5 mg/dL
●高値で考えられること:
◇病気:
・溶血性貧血
ビリルビン産生過剰:肝前性黄疸
・肝細胞障害
肝炎、肝硬変など:肝性黄疸
・胆管閉塞
胆石、腫瘍など:肝後性黄疸
◇薬やサプリメントの影響:
一部の薬剤(肝毒性のあるもの)
血清ビリルビン値が2~3 mg/dLを超えると、皮膚や粘膜が黄色く見える「黄疸」が出現します。
尿の色が濃いオレンジ~茶褐色になることもあります。
17. 総胆汁酸 (TBA)
肝臓でコレステロールから作られ、脂肪の消化吸収を助ける胆汁の主成分。
食後に上昇し、肝臓の機能(門脈循環、胆汁排泄能)を鋭敏に反映する。
●基準値の目安:
◇絶食時: 0~10 μmol/L程度
◇食後2時間値: 0~25 μmol/L程度
(検査機関やプロトコル・基準書による)
●高値で考えられること:
◇病気:
・門脈体循環シャント(PSS)
・肝硬変
・慢性肝炎
・胆汁うっ滞
・肝細胞癌
◇薬やサプリメントの影響:
ウルソデオキシコール酸(胆汁酸製剤)投与
肝機能検査の中でも特に感度が高い検査の一つです。
通常
・絶食時
・食後2時間値
のペアで測定。
肝臓の予備能や門脈循環の異常を評価。
ALTやALPなどの酵素が正常でもTBAが高値を示す場合
・隠れた肝機能障害
・門脈シャント
の存在が疑われます。
腎臓関連の検査
体内の老廃物をろ過し、尿として排泄する腎臓の機能を評価します。
18. 尿素窒素 (BUN)
タンパク質が分解された後にできる老廃物の一つ。
主に腎臓から尿中に排泄される。
●基準値の目安:
8~25 mg/dL
●高値で考えられること:
◇病気:
・腎不全(急性、慢性)
・尿路閉塞
・脱水
・消化管内出血
・心不全(腎血流量低下)
◇栄養状態:
・高タンパク食
◇薬やサプリメントの影響:
副腎皮質ステロイド剤(タンパク異化亢進)
BUNは
・食事内容(タンパク質の摂取量)
・消化管の状態
・脱水
の影響を受けやすいです。
そのため単独での評価だけでなく
・クレアチニン(CRE)とのバランス
・尿検査の結果
と合わせて総合的に判断します。
●低値で考えられること:
◇病気:
・肝不全(尿素合成能低下)
・尿崩症(多尿による希釈)
・門脈体循環シャント
◇栄養状態:
・低タンパク食
・飢餓
◇その他:
・妊娠
・若齢犬(成長期)
19. クレアチニン (CRE)
筋肉運動のエネルギー源となるクレアチンリン酸の最終代謝産物。
主に腎臓の糸球体でろ過され尿中に排泄される。
●基準値の目安:
0.5~1.5 mg/dL
●高値で考えられること:
◇病気:
・腎不全(急性、慢性)
・尿路閉塞
◇その他:
・筋肉量の多い犬種
(やや高めに出ることがある)
◇薬やサプリメントの影響:
一部のセフェム系抗生物質は、CREの測定値に影響を与える可能性があります。
CREはBUNと異なり
・食事の影響をほとんど受けず
・筋肉量に依存
します。
そのため、腎機能の指標としてはBUNよりも安定しているとされます。
しかし腎機能が約75%以上失われないと基準値を超えてこないため、早期発見には限界があります。
筋肉量が極端に少ない犬では、腎機能が悪くてもCREが上がりにくいことがあります。
●低値で考えられること:
◇栄養状態/その他:
・筋肉量の著しい減少
・若齢犬
通常、臨床的に問題となることは少ないです。
20. 対称性ジメチルアルギニン (SDMA)
体内でタンパク質が分解される際に生成されるアミノ酸誘導体。
ほぼ完全に腎臓から排泄されるため、腎機能の新しいバイオマーカーとして注目されている。
●基準値の目安:
0~14 μg/dL
●高値で考えられること:
◇病気:
・急性腎障害
・慢性腎臓病
◇薬やサプリメントの影響:
現時点では、特定の薬やサプリメントによる直接的な影響はあまり報告されていません。
腎血流に影響を与える薬剤は間接的に影響する可能性があります。
SDMAは、CREよりも早期に(腎機能が約25~40%低下した段階で)上昇し始めるとされてます。
なので慢性腎臓病(CKD)の早期発見に役立つ可能性があります。
また、筋肉量の影響を受けにくいという利点もあります。
ただし、甲状腺機能亢進症など他の疾患でも上昇することがあるため、総合的な判断が必要です。
●低値で考えられること:
通常、問題となることはありません。
21. リン (P, IP)
・骨や歯の形成
・エネルギー代謝
・細胞膜の構成
などに不可欠なミネラル。
主に腎臓で排泄調整される。
●基準値の目安:
2.5~6.0 mg/dL
(若齢犬は成長のため高値傾向)
●高値で考えられること:
◇病気:
・腎不全(排泄低下)
・副甲状腺機能低下症
・ビタミンD過剰症
・骨腫瘍
・溶血
◇その他:
・成長期の若齢犬(生理的)
・高リン食
◇薬やサプリメントの影響:
・ビタミンD製剤
・リン含有サプリメント
慢性腎臓病では
▶リンの排泄が悪くなり
▶高リン血症を呈します。
これが腎臓病の進行を早める一因。
そのため
・食事療法(低リン食)
・リン吸着剤の投与
が行われます。
●低値で考えられること:
◇病気:
・副甲状腺機能亢進症
・ビタミンD欠乏症
・インスリン治療中(細胞内への移動)
・吸収不良症候群
・一部の利尿剤の使用
◇栄養状態:
・低リン食
◇薬やサプリメントの影響:
・リン吸着剤
・一部の制酸剤(アルミニウム含有など)
・利尿剤
22. カルシウム (Ca)
骨や歯の主成分であり
・筋肉の収縮
・神経伝達
・血液凝固
などにも重要なミネラル。
通常体内で
・副甲状腺ホルモン(PTH)
・ビタミンD
・カルシトニン
などによって厳密に調整される。
●基準値の目安:
9.0~11.5 mg/dL
●高値で考えられること:
◇病気:
・副甲状腺機能亢進症
(原発性、腎性二次性)
・一部の腫瘍
(リンパ腫、肛門周囲腺癌などによる偽性副甲状腺機能亢進症)
・ビタミンD中毒
・アジソン病
・骨融解性疾患
◇薬やサプリメントの影響:
・ビタミンD製剤
・カルシウム製剤
・サイアザイド系利尿薬
高カルシウム血症は様々な重篤な疾患のサインとなり得ます。
特に腫瘍随伴症候群としての高カルシウム血症は重要です。
アルブミン値が低いと、
▶総カルシウム値も低く出ること
があります。
そのため
・イオン化カルシウム
(血液中で実際に機能しているカルシウム)
を測定するか
・補正カルシウム値を計算
することがあります。
●低値で考えられること:
◇病気:
・副甲状腺機能低下症
・腎不全(活性型ビタミンD産生低下)
・タンパク漏出性腸症
(アルブミン低下に伴う)
・急性膵炎
・産褥テタニー(分娩後の母犬)
・エチレングリコール中毒
◇薬やサプリメントの影響:
・ループ利尿薬
・リン酸塩製剤
・一部の抗てんかん薬
低カルシウム血症は
・筋肉の痙攣や硬直
・てんかん様発作
などの神経症状を引き起こすことがあります。
膵臓関連の検査
・消化酵素を分泌(外分泌機能)
・インスリンなどのホルモンを分泌(内分泌機能)
する役目を持つ膵臓の状態を評価します。
23. アミラーゼ (AMYL)
炭水化物(デンプンなど)を分解する消化酵素。
主に膵臓と人では唾液腺から分泌される。
●基準値の目安:
500~1500 U/L
●高値で考えられること:
◇病気:
・膵炎(急性、慢性)
・膵臓腫瘍
・腎不全(排泄低下)
・消化管閉塞や穿孔
◇その他:
・副腎皮質ステロイド剤の投与
◇薬やサプリメントの影響:
・副腎皮質ステロイド剤
犬では膵炎に対する特異性はそれほど高くないとされています。
腎機能が低下すると排泄が悪くなり高値を示すことがあります。
●低値で考えられること:
通常、問題となることは少ないです。
まれに重度の膵外分泌不全(EPI)で低下することもあります。
24. リパーゼ (LIPA)
脂肪を分解する消化酵素。
主に膵臓から分泌される。
●基準値の目安:
200~1800 U/L
(検査機関により大きく異なる)
●高値で考えられること:
◇病気:
・膵炎(急性、慢性)
・膵臓腫瘍
・腎不全(排泄低下)
・肝疾患
・消化管疾患
◇その他:
・副腎皮質ステロイド剤の投与
◇薬やサプリメントの影響:
・副腎皮質ステロイド剤
アミラーゼ同様、犬での膵炎に対する特異性は限定的です。
ステロイド投与で上昇しやすい傾向があります。
●低値で考えられること:
通常臨床的に問題となることは少ないです
25. 犬膵特異的リパーゼ (cPLI, Spec cPL, v-LIPなど)
膵臓からのみ分泌されるリパーゼを特異的に測定する検査。
従来の
・AMYL
・LIPA
よりも膵炎診断の特異性と感度が高いとされる。
●基準値の目安:
検査法やキットにより異なる
「正常」
「疑わしい」
「膵炎と一致」
のように段階的に評価されることが多い。
●高値で考えられること:
◇病気:
・急性膵炎
・慢性膵炎
◇薬やサプリメントの影響:
直接的な影響は少ないとされています。
膵臓に負担をかける可能性のある薬剤(一部の利尿剤、抗がん剤など)の使用歴は考慮されます。
膵炎が疑われる場合に非常に有用な検査です。
・食欲不振
・嘔吐
・腹痛
などの症状がある場合、積極的に測定が推奨されます。
ただし
・画像診断(超音波検査など)
・他の検査結果
と合わせて総合的に判断することが重要です。
●低値で考えられること:
膵炎の可能性は低い。
電解質関連の検査
・体液のバランス
・神経や筋肉の機能維持
に重要なミネラルの濃度を評価します。
26. ナトリウム (Na)
細胞外液の主要な陽イオン。
体液量や浸透圧の調節に重要。
●基準値の目安:
140~155 mEq/L
●高値で考えられること
(高ナトリウム血症):
◇病気:
・水分喪失
(嘔吐、下痢、尿崩症、熱中症などによる脱水)
・ナトリウム過剰摂取(まれ)
・高アルドステロン症
※体内のナトリウムと水のバランスを調節するホルモンの過剰分泌
・クッシング症候群
◇薬やサプリメントの影響:
・生理食塩水の過剰投与
重度の高ナトリウム血症は
神経症状
・興奮
・痙攣
・昏睡など
を引き起こす可能性があります。
●低値で考えられること
(低ナトリウム血症):
◇病気:
・嘔吐や下痢による喪失
・腎不全
・アジソン病(副腎皮質機能低下症)
※アジソン病では特徴的にNa/K比が低下します(27未満など)
・うっ血性心不全
・肝硬変
・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
・過度な水分補給(医原性も含む)
◇薬やサプリメントの影響:
・利尿剤(特にサイアザイド系)
・一部の抗てんかん薬
27. カリウム (K)
細胞内液の主要な陽イオン。
・神経
・筋肉(特に心筋)
の機能
・細胞内pHの調節
に重要。
●基準値の目安:
3.5~5.5 mEq/L
●高値で考えられること
(高カリウム血症):
◇病気:
・腎不全(特に乏尿・無尿期)
・アジソン病
・尿路閉塞
・重度の組織損傷(挫滅、火傷)
・代謝性アシドーシス
※体内の酸性度が異常に高まる状態
◇その他:
・採血時の溶血
※赤血球内のカリウムの流出による
偽性高カリウム血症
特に秋田犬や柴犬などの日本犬種で顕著
・カリウム製剤の過剰投与
◇薬やサプリメントの影響:
・カリウム保持性利尿薬
(スピロノラクトンなど)
・ACE阻害薬
・NSAIDs
重度の高カリウム血症は致死的な不整脈を引き起こす可能性があります。
緊急的な処置が必要です。
●低値で考えられること
(低カリウム血症):
◇病気:
・嘔吐や下痢による喪失
・腎疾患(多尿期)
・利尿剤の使用
・インスリン治療(細胞内への移動)
・アルカローシス
・食欲不振による摂取不足
◇薬やサプリメントの影響:
・ループ利尿薬
・サイアザイド系利尿薬
・インスリン
・副腎皮質ステロイド剤
低カリウム血症は
・筋力低下
・元気消失
・多飲多尿
・不整脈
などを引き起こすことがあります。
28. クロール (Cl)
細胞外液の主要な陰イオン。
・体液量や浸透圧の調節
・酸塩基平衡の維持
に関与。
通常、ナトリウムと並行して変動する。
●基準値の目安:
100~125 mEq/L
●高値で考えられること:
・Naと同様の要因
・代謝性アシドーシス
●低値で考えられること:
・嘔吐(胃酸の喪失)
・利尿剤の使用
・代謝性アルカローシス
嘔吐が激しい場合
▶胃液中の塩酸(HCl)が失われる
▶特徴的にクロールが低下する
ことがあります。
血糖値関連の検査
エネルギー源となるブドウ糖の血中濃度を評価します。
・糖尿病
・低血糖症
などを診断する手がかり。
29. グルコース (GLU, BG)
血液中のブドウ糖の濃度。
体の主要なエネルギー源。
●基準値の目安:
70~140 mg/dL (絶食時)
●高値で考えられること
(高血糖):
◇病気:
・糖尿病
・膵炎
・クッシング症候群
・甲状腺機能亢進症(犬では稀)
・ストレス
(特に猫で顕著だが犬でも見られる)
・敗血症
◇その他:
・食後
・ブドウ糖含有輸液の投与
・副腎皮質ステロイド剤やプロジェステロン製剤の投与
◇薬やサプリメントの影響:
・副腎皮質ステロイド剤
・サイアザイド系利尿薬
・β遮断薬
・プロジェステロン製剤
・ストレスによる一過性の高血糖
と
・持続的な高血糖(糖尿病など)
を区別することが重要です。
持続的な高血糖は
・多飲多尿
・体重減少
などの症状を伴うことがあります。
●低値で考えられること
(低血糖):
◇病気:
・インスリノーマ
(膵臓のインスリン産生腫瘍)
・肝不全(糖新生能低下)
・アジソン病
・重度の敗血症
・飢餓
・若齢犬(特に小型犬)の低血糖症
・グリコーゲン蓄積症
◇その他:
・インスリンの過剰投与
・キシリトール中毒
◇薬やサプリメントの影響:
・インスリン
・経口血糖降下薬
・一部のβ遮断薬
(インスリン作用増強)
低血糖は
・元気消失
・ふらつき
・痙攣
・昏睡
など、重篤な神経症状を引き起こす可能性があり、迅速な対応が必要です。
30. フルクトサミン (FRU)
血中タンパク質(主にアルブミン)とブドウ糖が結合したもの。
過去1~2週間の平均血糖値を反映する。
インスリン治療の効果判定に用いられます。
●基準値の目安:
200~350 μmol/L程度
(検査機関により異なる)
●高値で考えられること:
◇病気:
・糖尿病のコントロール不良
採血時のストレスによる一過性の高血糖の影響を受けにくいため、
・糖尿病の診断
・糖尿病の治療効果のモニタリング
に有用です。
血糖値の日内変動が大きい場合でも、平均的な血糖コントロール状態を評価できます。
●低値で考えられること:
◇病気:
・持続的な低血糖状態
・重度の低アルブミン血症
※アルブミンと結合するため、アルブミンが低いとフルクトサミンも低く出ることがある
◇その他:
・甲状腺機能亢進症
※犬では稀だが、タンパク代謝が亢進するため低値を示すことがある
脂質関連の検査
血液中の脂質の量を評価します。
高脂血症は
・膵炎
・内分泌疾患
などと関連することがあります。
31. コレステロール (CHOL, T-cho)
・細胞膜の構成成分
・ホルモンや胆汁酸の原料
となる脂質。
●基準値の目安:
130~300 mg/dL
●高値で考えられること
(高コレステロール血症):
◇病気:
・甲状腺機能低下症
・クッシング症候群
・糖尿病
・ネフローゼ症候群
※腎臓の糸球体障害により
▶尿に大量のタンパク質が排泄
▶血液中のタンパク質が減少
▶全身のむくみが生じる疾患
・胆汁うっ滞
・膵炎
・遺伝性高脂血症
(ミニチュア・シュナウザーなど)
◇栄養状態:
・高脂肪食
・食後
◇薬やサプリメントの影響:
・副腎皮質ステロイド剤
甲状腺機能低下症では特徴的に高コレステロール血症が見られることが多いです。
食後にも上昇するため、通常は12時間程度の絶食後に測定します。
●低値で考えられること:
◇病気:
・肝不全(合成能低下)
・吸収不良症候群
・タンパク漏出性腸症
・アジソン病
・一部の腫瘍
◇栄養状態:
・飢餓
◇薬やサプリメントの影響:
・一部の脂質降下薬
32. 中性脂肪 (TG, トリグリセリド)
体の主要なエネルギー貯蔵形態である脂質。
●基準値の目安:
50~150 mg/dL
(食後や犬種により変動大)
●高値で考えられること
(高中性脂肪血症):
◇病気:
・甲状腺機能低下症
・クッシング症候群
・糖尿病
・膵炎
・ネフローゼ症候群
・遺伝性高脂血症
◇栄養状態:
・高脂肪食
・食後(顕著に上昇)
◇薬やサプリメントの影響:
・副腎皮質ステロイド剤
食後の影響が非常に大きいため、必ず絶食後に測定します。
ミニチュア・シュナウザーは遺伝的に高中性脂肪血症を起こしやすい犬種として知られており、膵炎のリスク因子ともなります。
血液が白濁して見えることがあります。
●低値で考えられること:
◇病気:
・吸収不良症候群
・甲状腺機能亢進症(犬では稀)
◇栄養状態:
・飢餓
◇薬やサプリメントの影響:
・オメガ3脂肪酸サプリメント
(治療量で使用した場合)
その他特記事項・豆知識のまとめ
●絶食の重要性
多くの項目(特にGLU, TG, CHOL, TBA, BUN, Pなど)は食後に変動します。
したがって、正確な評価のためには通常8~12時間の絶食が必要です。
水は与えても構いません。
●採血時のストレス
ストレスや興奮は
・血糖値
・白血球数(特に好中球、リンパ球)
・赤血球数
などに影響を与えることがあります。
なるべくリラックスした状態で採血できるのが理想です。
●溶血の影響
・採血時
・検体の取り扱い
で赤血球が壊れてしまうことを溶血といいます。
溶血すると
・カリウム
・AST
・LDH(乳酸脱水素酵素)
などが偽高値を示したり、一部の測定値に影響が出たりすることがあります。
●犬種差
特定の犬種では、一部の検査項目が基準値から外れやすい体質的な特徴を持つことがあります
例:
・グレイハウンドのHCT高値
・キャバリアの巨大血小板によるPLT低値
・柴犬や秋田犬の赤血球内高カリウムによる偽性高K血症
など
●年齢による変動
成長期の若齢犬では
・ALPやPが高値を示し
・RBCやHCT、ALBなどが低め
に出る傾向があります。
高齢犬では
・加齢に伴う生理的な変化
・潜在的な疾患
で様々な項目が変動しやすくなります
●結果の推移を見ることの重要性
一度の検査結果だけでなく、過去のデータと比較して変化の傾向を見ることが、病気の早期発見や状態の把握に非常に重要です。
●サプリメントや常備薬
服用中の薬やサプリメントは、検査値に影響を与える可能性があるため、必ず事前に獣医師に伝えましょう。
●獣医師とのコミュニケーション
検査結果については、必ず獣医師から詳しい説明を受け、疑問点は遠慮なく質問しましょう。
飼い主さんと獣医師が情報を共有し、協力して愛犬の健康管理にあたることが大切です。
この情報が、愛犬の血液検査結果を理解する一助となれば幸いです。
繰り返しになりますが、最終的な診断と治療方針は、必ず獣医師の判断に従ってください。
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