なぜおしりを床にこすりつける?!愛犬の健康を守る!知っておきたい「犬の肛門腺ケア」のすべて

犬の肛門腺のすべて 犬の健康

愛犬が
・急にお尻を気にしだしたり
・床にこすりつけたりする

姿を見たことはありませんか?

それはもしかしたら
肛門腺のSOS
かもしれません。
肛門腺は
・人間にはあまり馴染みのない器官
ですが
・犬にとっては非常に大切な役割
を担っています。
定期的に適切なケアが欠かせません。

この記事では
・犬の肛門腺とは何か?
・放置するとどんな危険があるのか?
そして
・飼い主さんでもできる肛門腺絞りのコツ
まで分かりやすく解説します。
愛犬の健康を守るため、ぜひご参考に!

1. 犬の肛門腺とは?その役割と分泌液

犬の肛門腺(肛門嚢とも呼ばれます)
・肛門の左右(時計で言うと4時と8時の位置)
にある
・小さな袋状の器官
この袋の中には、個体ごとに異なる独特の強い匂いを持つ肛門腺液(=分泌物)が溜まっています。

肛門腺液の性状は犬によって様々
・サラサラした液体から
・粘土状
・粒状
・固形状
まで幅広く、色も
・黄色
・茶色
・灰色
・黒
などがあります。

肛門腺の主な役割は以下の通り

●個体識別のためのマーキング
犬同士がお尻の匂いを嗅ぎ合うのは、この肛門腺液の匂いで相手を識別するため

●縄張りの主張
自分の匂いをこすりつけることで、縄張りを主張する役割もあります。

●排便時の潤滑
通常、排便時
▶便が肛門腺を圧迫する
▶肛門腺液が便と一緒に自然に排出
これにより、便の滑りを良くする役割も果たしています。

2. 肛門腺を放置する危険性

通常、肛門腺は排便時に
自然に分泌物が排出
されます。
しかし時に、うまく排出されずに分泌物が溜まってしまうことがあります
特に
・小型犬
・中型犬
・肥満犬
・また高齢犬
は溜まりやすい傾向があります。

肛門腺に分泌物が溜まったまま放置すると、以下のような危険性があります。

●肛門嚢炎(肛門腺炎)
溜まった分泌液の中で
▶細菌が繁殖し
▶肛門腺が炎症を起こします。
お尻の
・腫れや赤み
・痛み
が生じ、排便時に痛みを伴うことも。
愛犬が
・お尻を頻繁に舐めたり
・床にこすりつけたり
・痛みから食欲不振

になることもあります。

●肛門腺破裂
肛門嚢炎がさらに悪化
▶化膿が進むと
▶肛門腺が破裂
してしまうことがあります。
▶皮膚が裂け
▶溜まっていた膿や血が大量に排出され
▶激しい痛みを伴います。
重症の場合は外科手術が必要となり、犬の体に大きな負担がかかります。

●不快感とストレス
分泌物が溜まると犬は不快感を覚え
・お尻を気にしたり
・過剰に舐めたり
・自分の尾を追いかけたり
する行動が見られます。
これは犬にとって大きなストレス!

これらの病気を予防するためにも、定期的な肛門腺ケアが非常に重要です。

3. 飼い主でもできる肛門腺絞りのコツ

肛門腺絞りは、自宅で定期的に行うことができる大切なケアです。
・月に1回程度が目安
ですが
・溜まるスピードには個体差がある
ため、愛犬の様子を見て判断しましょう。

肛門腺が溜まっているサイン

●お尻を床にこすりつける
「お尻歩き」

●肛門周りを頻繁に舐めたり噛んだり

●お尻を気にして振り返る

●お尻からいつもと違う嫌な臭い

これらのサインが見られたら、肛門腺が溜まっている可能性があるので、早めにケアをしてあげましょう。

肛門腺絞りの準備物

分泌物が飛び散る可能性があるため
・できればシャンプー前
・浴室
などで行うのがいいでしょう

●使い捨て手袋(衛生のため)

●分泌物を拭き取るための
・ティッシュペーパー
または
・柔らかい紙

●絞った後のお尻を清潔にするため
・ウェットティッシュ
または
・ペット用の消毒液

肛門腺絞りの手順とコツ:

①犬を落ち着かせる
デリケートな部分なので、犬がリラックスできる状態で行いましょう。
慣れないうちは、家族に手伝ってもらい、頭側を保定してもらうと良いでしょう。

②尻尾を持ち上げる
しっぽを下げた普通の状態での肛門腺は
・だいぶ奥まった位置にあり
・触るのは困難
なので片手で愛犬の尻尾を付け根から真上に持ち上げ、肛門が見えるようにします。
肛門がキュッと縦に伸びるように持ち上げるのがポイントです。
しっぽの上げすぎに注意
直角以上に上げると、痛くて暴れます

③肛門腺の位置を確認する
肛門を時計に見立てて、4時と8時の位置に親指と人差し指を置きます。
この位置にコリコリとした丸い袋状のものが触れたら、それが肛門腺です。
もし触っても分からない場合は
・肛門腺液は溜まっていないか
・まだ奥深い位置にある
可能性があります。

④優しく絞り出す
ティッシュを肛門にあてた上から
▶親指と人差し指で肛門腺を軽くつまみ
▶下から上にすくい上げるように
▶肛門に向かってゆっくりと力を加え
▶絞り出します。
・力を入れすぎず
・袋の中の液体を押し出すイメージで
分泌液は勢いよく飛び散ることがあるので注意しましょう。
▶分泌物が出なくなるまで、優しく数回繰り返します

⑤分泌液の確認
悪臭のある黄色っぽい、または茶色、黒っぽい分泌物が出てきます。

●肛門の周りがフニャフニャと柔らかくなったら、絞り切れた合図です。

●まだコリコリとした感触が残っている場合は、分泌物が残っているので、優しく再度絞り出しましょう。

⑥清潔にする
絞り終わったら
・ウェットティッシュ
・ペット用の消毒液
で肛門周りをきれいに拭き取り、清潔に保ちます。
シャンプー前に行っていた場合は、そのままお風呂で洗い流してあげましょう。

注意点

●無理は禁物
肛門周りはデリケートなため
・犬が嫌がる
・痛がる
場合は無理に絞り続けず中断しましょう

●力を入れすぎない
強く圧迫しすぎると

・肛門腺
・周囲の組織
を傷つけてしまう可能性があります。

●炎症がある場合
・肛門が赤く腫れている

・膿が出ている
など、炎症を起こしている場合は、自宅での処置は避け、すぐに動物病院を受診してください。

●自分でできない場合
・肛門腺絞りが難しい

・うまくいかない
場合は、無理せず動物病院やトリミングサロンに依頼しましょう。
プロの獣医師やトリマーが、安全かつ適切に処置してくれます。

まとめ

肛門腺は見落とされがちな部分
ですが、愛犬の健康を維持するために適切なケアが非常に重要です。
・定期的なチェック
・肛門腺絞り

を行うことで
・肛門嚢炎
・肛門腺破裂

といったトラブルを未然に防ぐことができます。

愛犬の
・様子をよく観察し
・異変を感じたら早めに対処する
ことで、愛犬との快適な生活を長く続けられるでしょう。
自信がない場合は、迷いなく動物病院に相談してください。

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