愛犬の心臓病:病気に負けない!予防から向き合う、食事とケアのすべて

心臓病 犬の健康

犬の心臓病は
▶心臓の機能が低下し
▶全身の血流が滞る病気

の総称です。
単一の病気ではなく、その
・原因
・病態
によって多岐にわたります。

心臓は
全身に血液を送り出す
ポンプの役割を担っており
生命維持に不可欠な臓器です。
その機能が低下すると
▶体は酸素不足に陥り
▶様々な臓器に悪影響が及びます。
心臓病の恐ろしさは
初期には症状がほとんど現れない
「静かなる病」
であることにあります。

愛犬の心臓は
▶病気が進行しても
そのポンプ機能を維持しようと
▶必死に働きます。
しかし、その限界を超えたとき…
症状は一気に悪化し
命に関わる状態に陥ります。

★突然死のリスク
心臓病が進行し
・心不全
・不整脈

が重度になると
▶突然心臓が停止し
そのまま命を落とす
突然死を引き起こす
ことがあります。
特に、大型犬に多い
拡張型心筋症
・進行が早く
突然死のリスクが高い
ことで知られています。

★激しい苦痛
心臓の機能が破綻すると
肺に水がたまる
肺水腫
を引き起こします。
愛犬は溺れているかのような
激しい呼吸困難
に襲われ、一分一秒を争う危険な状態になります。

心臓病は、愛犬の穏やかな日常を突然奪い去る可能性を秘めた、恐ろしい病気です。
この事実を理解し、日頃から
愛犬の小さな変化を見逃さない
ことが飼い主さんにできる最も重要な備えとなります。

代表的な犬の心臓病

心臓病は
心臓のどこに異常があるか?
でさまざまな種類に分けられます。

心臓解剖

僧帽弁閉鎖不全症

犬の心臓病で最も多いのがこの病気です。
心臓の
・左心房
・左心室
の間にある
僧帽弁
がうまく閉じなくなり
血液が逆流してしまう病気です。

●原因
・小型犬
・高齢犬

に多く見られます。
ほとんどが変性性のもので
=弁が加齢とともに
・変形
・肥厚し
閉鎖不全を起こします。

●特徴
進行すると心臓に負担がかかり
・咳
・呼吸困難
などの症状が現れます。

拡張型心筋症

心臓の筋肉=心筋が薄くなり
▶収縮する力が弱まることで
心臓全体が拡張してしまう病気です。

●原因
遺伝的要因が大きく関与しており
大型犬に多く発症します。
特に
・ドーベルマン・ピンシャー
・ボクサー

などが代表的な犬種です。

●特徴
進行が速い
ことが多く
・活動性の低下
・失神
・呼吸困難
などが突然現れることがあります。

肺動脈弁狭窄症

肺動脈弁が狭くなり
▶血液が肺にスムーズに流れなくなる
先天性の心臓病です。

●原因
生まれつきの構造異常
特に
・チワワ
・フレンチ・ブルドッグ
・ボクサーなどは

発症リスクが高い犬種
として知られています。

●特徴
生まれつき心臓の構造に問題
があるため
子犬のうちに心雑音
として発見されることがほとんどです。
軽度であれば
・無症状で
・生涯にわたって治療が必要ない
場合もありますが
・運動に耐えられなくなったり
・心臓に負担がかかる
ことで心不全に陥ったりします。
重度になると
・疲れやすさ
・失神
・呼吸困難
などの症状が現れ
突然死のリスクも伴います。

肥大型心筋症

心臓の筋肉が
▶異常に分厚くなり
▶心臓の内部の空間が狭くなる病気です。
犬ではまれ
とされていますが、発症すると
▶心臓が十分に拡張できなくなり
▶血液をうまく送り出せなくなります。

 先天性心疾患

生まれつき
心臓に構造的な異常
がある病気です。

●動脈管開存症(PDA)

胎児は肺で呼吸をしていないので
肺に血液を送る必要がありません。
その代わりに、心臓から出た血液は
「動脈管」
というバイパスを通って
肺を迂回し、全身へと送られます。

通常、赤ちゃんが生まれて
自力で呼吸を始めると
▶この動脈管は自然に閉鎖します。
しかし、何らかの理由で
この血管が
▶閉じたままにならず
血液が流れ続けてしまう状態
が動脈管開存症(PDA)です。

開いた動脈管を通じて
本来全身に送られるべき血液の一部
▶再び肺へと流れ込んでしまいます。
これにより
・心臓
・肺
に絶えず余分な負担がかかり
▶放置すると心不全へと進行します。

軽度であれば無症状
なこともありますが
心雑音として発見される
ことがほとんどです。
早期に
・診断
・手術
を行うことで、完治が期待できる病気です。

●心室中隔欠損症

心臓の
・左心室
・右心室
を隔てる壁=心室中隔
に穴が開いている状態です。

◇病態
正常な心臓では
・左心室から▶全身へ
・右心室から▶肺へ
と血液が流れます。
しかし、穴が開いていると
圧力の高い左心室から▶右心室へ
血液が流れ込んでしまいます。
この余分な血液が肺に送られることで
・心臓
・肺
に絶えず過剰な負担がかかります。

◇症状
穴が小さい場合は
無症状なことがほとんど
▶成長と共に自然に閉じる
こともあります。
しかし、穴が大きい場合は
▶心臓に大きな負担がかかり
・疲れやすい
・呼吸が速い
・発育不良
などの症状が現れ
最終的に心不全を引き起こします。

・柴犬
・ミニチュア・ダックスフンド
・フレンチ・ブルドッグ

などに多く見られます。

●心房中隔欠損症

心臓の
・左心房
・右心房
を隔てる壁=心房中隔
に穴が開いている状態です。

◇病態
心室中隔欠損症と同様に
穴を通じて血液が
左心房から▶右心房へと流れ
右心房に負担がかかります。

◇症状
ほとんどは無症状

偶然発見されることが多いです。
しかし、穴が大きい場合は
・呼吸困難
・チアノーゼ(舌や歯ぐきが青紫色になる)
などの症状が出ることがあります。

これらの病気は
子犬の時期の健康診断で
心雑音
として発見されることがほとんどです。
穴の大きさによっては、経過観察で済む場合もあります。
しかし根本的な治療には
・外科手術
・カテーテル治療
が検討されます。

フィラリア症

蚊を介して感染する寄生虫
・肺の動脈
・心臓
に寄生することで
・心臓
・肺
機能障害を引き起こします。
死に至る恐ろしい病気です。
予防薬による予防が必須です。

心臓病で起こる病態

心臓病が進行すると
特定の病態
・共通して
見られるようになります。

心不全

心臓のポンプ機能
が十分に働かなくなり
全身の血液循環が滞る状態です。

●左心不全
肺に血液がうっ滞し
肺に水がたまる
肺水腫を引き起こします。
・激しい咳
・呼吸困難
が主な症状です。

●右心不全
全身に血液がうっ滞し
腹部や胸に水がたまる
・腹水
・胸水

を引き起こします。
・お腹が膨らんだり
・呼吸が浅くなったりします。

◇右心不全の進行と危険性
右心不全が進行すると、以下のような深刻な事態を引き起こします。

激しい腹水・胸水による圧迫
腹水や胸水が重度に溜まると
・内臓
・肺
が圧迫されます。
特に胸水が溜まると
▶肺が十分に膨らむことができず
左心不全と同じように
激しい呼吸困難に陥ります。
この状態は
・愛犬に大きな苦痛を与え
・非常に危険です。

肝臓や腎臓の機能障害
全身に血液がうっ滞することで
・肝臓
・腎臓

にも血流不足が起こり
▶機能が低下します。
これにより
・体内の老廃物のろ過
・解毒
がうまくいかなくなり
多臓器不全
へと進行するリスクが高まります。

突然死のリスク
心臓の機能が極度に低下すると
不整脈
が引き起こされやすくなります。
重度の不整脈は
▶心臓の拍動を停止させ
突然死につながることがあります。

右心不全は、左心不全のように
「溺れるような苦しさ」
がすぐに現れないため
▶飼い主さんが気づいたときには
▶すでに病気がかなり進行している
場合があります。
「お腹が膨らんできた」
「食欲が落ちた」
「散歩を嫌がる」

といった些細なサインを見逃さず
早期に獣医師に相談すること
右心不全の重篤化を防ぐ鍵となります。

心拡大

心臓のポンプ機能が低下したため
それをを補うために
・心臓の筋肉が厚くなったり
・内部の空間が広がったり
する状態です。
心臓の弁に異常がある場合
▶心臓の部屋に血液がたまりやすくなり
▶部屋が風船のように大きく膨みます。
一時的に心臓の働きを保とうとしますが
この状態が続くと
▶心臓の筋肉は疲弊し
▶さらに機能が低下します。
心臓病と診断された犬は
・定期的なレントゲン検査で
心臓の大きさの変化をモニタリング
病気の進行度を評価します。

不整脈

不整脈とは
心臓の鼓動のリズムが乱れる
状態を指します。
一見、軽微な問題に思えますが、これは
愛犬の命に直結する
非常に危険な兆候です。

心臓は、全身に酸素を供給するために
規則正しくポンプ運動
を繰り返しています。
このリズムが乱れると
血液を全身に送り出す効率が著しく低下
▶次のような深刻な事態を招きます。

●全身の酸欠状態
血液が十分に送られなくなることで
・脳
・臓器
が酸素不足に陥ります。
これにより
・ふらつき
・脱力
・失神
などの症状が現れ
意識を失うこともあります。

●突然死のリスク
最も危険なのは
重度の不整脈が
心臓の停止
につながり、何の前触れもなく
突然死
を引き起こすことです。
特に
拡張型心筋症など
の重篤な心臓病を持つ犬では、不整脈が命取りになるケースが少なくありません。

心臓のリズムの乱れは、愛犬が正常な生活を送るための基盤を揺るがすものです。
たとえ症状が軽度に見えても
▶決して軽視せず
▶速やかに獣医師に相談することが重要。

犬では狭心症や心筋梗塞は、人間と比べて非常にまれな病気

これは、犬と人間では
心臓の血管の構造
に違いがあるためです。

●人間の心臓
血管=冠動脈が
動脈硬化によって狭くなり
▶血流が悪くなることで
心臓の筋肉=心筋に
▶十分な血液酸素.栄養素が届かなくなり
虚血状態となります。
これが狭心症です。
さらに
血管が完全に詰まると
▶心筋が壊死し
心筋梗塞を引き起こします。

●犬の心臓
冠動脈が
網目状に発達しているため
一部が詰まっても
▶血液の通り道が複数あり
▶虚血状態になりにくい
と考えられています。
そのため、人間のような
動脈硬化による心筋梗塞
ほとんど見られません。

ただし、犬でも
心臓の筋肉に血液が十分に行き渡らない
虚血
という病態自体は起こり得ます
虚血が起こると
▶心臓の筋肉細胞がダメージを受け
心臓の機能がさらに低下します。
これは主に心臓の筋肉が異常に分厚くなる
「肥大型心筋症」
などで見られることがあります。
しかし人間のような
・狭心症
・心筋梗塞
とは病態が異なります。

犬の心臓病の多くは
血管の詰まりではなく
・弁の異常(僧帽弁閉鎖不全症)
・心臓の筋肉自体の異常(拡張型心筋症)

あるいは
・先天的な心臓の構造異常
が原因で発生します。

これらの病態は、いずれも
心臓の機能が限界に近づいている
サインであり
早期に適切な治療を施すことが重要です。

「心臓と腎臓」の悪循環とは?

・心臓
・腎臓

体内で連携して働く重要な臓器です。
・心臓が全身に血液を送り
・腎臓が血液をろ過して
▶老廃物や余分な水分を排出します。

●心臓病が腎臓に与える影響
心臓病が進行して
ポンプ機能が低下すると
▶全身に十分な血液を送れなくなります。
これにより
腎臓への血流も減り
▶腎臓は機能低下を起こします。

●腎臓病が心臓に与える影響
腎臓病になると
体内の
・水分
・塩分を
うまく排出できなくなり
▶血液量が増加します。
この増えた血液を全身に送るために
心臓は
・より強く
・より頻繁に
働かなければならず
▶大きな負担がかかります。

このように
・どちらか一方の臓器に問題
が起きると
・もう一方にも負担がかかり
互いに悪影響を及ぼし合う
「心腎連関」
という悪循環に陥るのが特徴です。

心臓病治療薬と腎臓の注意点

さらに、心臓病の治療で使われる多くの薬は、この悪循環をより複雑にします

●利尿剤
余分な水分を排出する
目的で使われますが、過剰に使うと
脱水を起こし
腎臓への血流をさらに減らして
▶機能低下を招くリスクがあります。

●ACE阻害薬
血管を広げて
▶心臓の負担を減らします
しかし、まれに
▶腎臓への血流が減り
▶腎機能の数値が悪化する
ことがあります。

したがって、心臓病と診断された愛犬は
心臓だけでなく
定期的な血液検査で
腎臓の機能も確認し
両方の臓器の状態を同時に管理
していくことが非常に重要です。

心臓病の症状

心臓病は
初期にはほとんど症状が現れません。
これは、心臓が弱った分を何とか補おうと
代償機能
が働くためです。
症状が出始めた時には
すでに病気がかなり進行している
ことが多いです。

●軽度〜中程度の症状

◇乾いた咳
特に
興奮時
夜間
に多く見られます。

◇疲れやすくなる
・散歩を嫌がるようになったり
・すぐに座り込んだりします。

◇呼吸が速い、息が荒い
・安静時にも呼吸が速かったり
・舌の色が悪くなったりします。

◇食欲不振、体重減少

●進行した際の症状

◇失神
脳への血流が一時的に滞ることで
・突然倒れたり
・ぐったりしたりします。

◇腹水
お腹が膨らみ、苦しそうに見えます。

◇肺水腫
肺に水がたまり
・激しい咳
・呼吸困難
が起こります。
これは緊急性の高い状態です。

心臓病を予防するためには?

●定期的な健康診断

心臓病の早期発見には
・聴診
・レントゲン検査
・心臓超音波検査(エコー)

が重要です。

★心雑音に注意
心臓病の初期には目立った症状がなくても
獣医師の聴診によって
心臓の弁の異常による
「心雑音」
が発見されることがあります。
この心雑音は
心臓病の始まり
を示す重要なサインです。
健康診断で心雑音を指摘された場合は
▶症状がなくても放置せず
定期的な心臓超音波検査などで
▶詳細な検査を受け
病気の進行度を把握しておくこと
が大切です。

★血液検査でわかること
心臓病を診断する上で
血液検査
は非常に重要な手がかりとなります。
特に以下の数値は
・心臓の状態
・心不全の進行度

を把握する上で役立ちます。

◇BNP(B型ナトリウム利尿ペプチド)
心臓に負担
がかかると
▶上昇するホルモンです。
この数値が高いほど
・心臓が疲れており
・心不全の可能性がある
ことを示します。

◇トロポニンT/I
・CK
・LDH
これらの
・酵素
・タンパク質
心筋がダメージを受けた際に
▶血液中に放出されます。
数値が上昇している場合
心臓の筋肉に深刻な損傷
が起きている可能性を示唆します。

これらの血液検査は
特に心臓病の予防のために
定期的な健康診断で確認しておくことをお勧めします。
もし愛犬が
・心雑音を指摘されたり
・心臓病と診断されたり
した場合は
・病気の進行度を評価し
・治療方針を決定する
ために、獣医師からこれらの検査を提案されるでしょう。
愛犬の心臓の状態を把握するためにも、積極的に受けることを検討しましょう。

●適正体重の維持

肥満は心臓に大きな負担をかけます。
・適度な運動
・バランスの取れた食事
で健康的な体重を保つことが大切です。

●ストレスを避ける

・過度な興奮
・ストレス
は心拍数を上げ
▶心臓に負担をかけます。
・穏やかな環境を整え
・無理のない生活
を心がけましょう。

●適切な食事

塩分過多の食事
▶体内の水分量を増やし
▶心臓に負担をかけます。

特に
・チワワ
・マルチーズ
・キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
・シーズーなど
若齢期から心臓病のリスク
がある犬種や
シニア期の心臓病リスク
が高い犬種は、若いうちから
ナトリウムを調整したごはん
をあげることも重要です。

心臓病治療で処方される薬と病態別の使い分け

心臓病の治療は
・病気の進行を遅らせ
・症状を緩和すること
を目的とします。
完治することは難しいですが
・適切な治療
・食事管理
愛犬の生活の質を向上させることができます。

心臓病の薬は、その働きによって大きくいくつかのグループに分けられます。

ACE阻害薬

●主な薬
・エナラプリル
・ベナゼプリル
・ラミプリルなど

●薬の働き
血管を拡張させ
▶心臓の負担を軽減し
▶心不全の進行を遅らせます。
腎機能に影響を及ぼす
ことがあるため
定期的な血液検査が必要です。

●処方される可能性のある病気・病態

◇僧帽弁閉鎖不全症
初期から進行期まで、広く使われます。

◇拡張型心筋症
心不全の進行を遅らせるために処方。

◇心不全
心拡大
が見られる段階から
他の薬と併用して使用されます。

●考えられる副作用

血管を広げる作用があるため
血圧が下がりすぎる
ことがあります。

◇主な副作用
・ふらつき
・食欲不振
・嘔吐、下痢。

◇腎機能への影響
まれに腎臓への血流が減り
▶腎機能が悪化することがあります。
そのため
定期的な血液検査
腎臓の数値をモニタリング
することが非常に重要です。

強心薬(陽性変力薬)

●主な薬
・ピモベンタン

●薬の働き
心筋のカルシウム感受性を高めることで
心臓の筋肉の収縮力を高め
全身へ血液を送り出す
ポンプ機能を強化します。
さらに
血管を広げる作用
も併せ持っているのが大きな特徴です。
この2つの作用により
・心臓のポンプ機能を高めつつ
・心臓の負担も軽減できます。
比較的安全性が高く
心不全治療の第一選択薬
として広く使われています。

●処方される可能性のある病気・病態

◇僧帽弁閉鎖不全症
心拡大
が見られる中期〜後期に使用。

◇拡張型心筋症
心筋の収縮力が低下しているため、この病気の治療の中心となることが多いです。

◇心不全
心臓のポンプ機能が著しく低下
している場合に、心臓の働きを助けるために処方。

●考えられる副作用

心臓の収縮力を高める反面
心臓に負担がかかることがあります。

◇主な副作用
・食欲不振
・嘔吐、下痢。

◇不整脈の誘発
まれに心臓のリズムを乱し
不整脈を誘発することがあります。

利尿剤

●主な薬
・フロセミド
・トラセミド
・スピロノラクトンなど

●薬の働き
体内の余分な
・水分
・塩分
尿として排泄させ
▶体液量を減らすことで
▶心臓の負担を軽減します。
腎臓に負担がかかるため、脱水に注意が必要です。

●処方される可能性のある病気・病態

◇肺水腫
肺に水がたまっている緊急性の高い状態では、第一選択薬として使用されます。

◇腹水・胸水
右心不全により
腹部や胸に水がたまっている場合に
▶体液を排出させるために使用されます。

◇心不全
体液のうっ滞
がある場合に、他の薬と組み合わせて使用されます。

●考えられる副作用

体内の水分を尿として排出するため
・脱水
・電解質バランスの乱れ

を引き起こします。

◇主な副作用
・脱水
・食欲不振
・多飲多尿

◇電解質の異常
体内の
・カリウム
・ナトリウム
といったミネラルが不足し
・筋力の低下
・不整脈
・神経症状

が現れることがあります。

β遮断薬

●主な薬
・アテノロール
・プロプラノロール
・カルベジロールなど

●薬の働き
心拍数を抑え
▶心臓の酸素消費量を減らします。
これにより
・心臓の負担を軽減し
・心筋を保護します。

●処方される可能性のある病気・病態

◇不整脈
心拍が速すぎる不整脈(頻脈)

をコントロールするために使われます。

◇肥大型心筋症
心筋が厚くなりすぎた心臓の負担を減らすために使用されます。

●考えられる副作用

心拍数を抑える働きがあるため
過度に投与されると
▶心臓の働きが弱まりすぎる
ことがあります。

◇主な副作用
・ぐったりする(元気消失)
・脈が遅くなる
・血圧の低下

◇悪化の可能性
心不全が進行している犬

▶安易に投与すると
▶心臓のポンプ機能をさらに低下させ
症状を悪化させるリスクがあります。

血管拡張薬

●主な薬
ニトログリセリンなど

●薬の働き
血管を広げ
・心臓に血液が戻るのを助ける
・心臓が血液を送り出す際の抵抗を減らす
などします。

●処方される可能性のある病気・病態

◇肺水腫
緊急時
心臓の負担を急速に軽減させる
目的で使用されることがあります。

◇僧帽弁閉鎖不全症
他の薬と併用して使用されることがあります。

●考えられる副作用

血圧を下げる作用が強いため
急激な血圧低下に注意が必要です。

◇主な副作用
・ふらつき
・失神
・頻脈(心拍数が速くなる)

◇ニトログリセリンの注意点
軟膏タイプは
飼い主さんの皮膚から吸収される
可能性があるため、塗布後は手をよく洗う必要があります。

ジギタリス製剤

●主な薬
ジゴキシンなど

●薬の働き
心筋細胞内のイオンバランスを調整して
▶心臓の収縮力を高め
▶心拍数を調整する効果があります。
ジゴキシンには
・血管拡張作用がなく
・慎重な投与が必要
なため
ピモベンタンのような新しい強心薬
が登場してからは
日常的な心不全治療
での使用頻度は減少しました。

●処方される可能性のある病気・病態

◇心不全
他の薬でコントロールしきれない
・重度の心不全
・特定の不整脈

がある場合など、特定の
・症状
・状況下
でのみ使用される傾向。

●考えられる副作用

心臓に直接作用するため、
適切な量を守る
ことが非常に重要です。

◇主な副作用
・心拍数の低下
・不整脈
・食欲不振
・嘔吐

◇中毒
・治療効果が現れる量
・中毒症状が出る量

の差が少ない=治療域が狭いため
慎重な投与が必要です
用量を間違えると
▶中毒を起こし
命に関わることがあります。
治療中は、
血液中の薬の濃度を定期的に測定
して、適切な量に調整します。

これらの薬は単独で使われることは少なく
・愛犬の心臓の状態に合わせて
・最適な組み合わせが選択されます。
自己判断で薬の
・種類
・量
を変更せず、必ず獣医師の指示に従うことが重要です。

カテコラミン系薬剤の使用状況

カテコラミン系の薬
  ・ドブタミン
  ・ドパミン
  ・アドレナリン

は犬の心臓病の
日常的な治療にはほとんど使われません。
これらの薬は
心臓の働きを急激に強める作用
があるため、主に
・救急治療
・重篤な心不全

の際に使用されます。

●ドブタミン、ドパミン
・重度の心不全で
・心臓のポンプ機能が著しく低下
・血圧が危険なほど下がっている
場合に、点滴で投与されます。
・心臓を力強く動かし
・血圧を上げる
ことで、ショック状態を回避する目的で使われます。

●アドレナリン
心臓が停止した際の
心肺蘇生時に使われます。
心臓の動きを再開させるために
・心臓内に直接注射したり
・点滴で投与されたりします。

これらの薬は
効果が非常に強力な反面
心臓に大きな負担をかけるため
獣医師の厳重な管理下で
一時的かつ緊急的
に使用されるのが一般的です。
家庭での投薬用として処方されることはありません。

心臓病の最新治療

心臓病治療は
薬物療法が中心
ではあります。
しかし近年では獣医療の進歩により
・外科手術
・再生医療など

より根本的な治療法
も選択肢に加わるようになりました。
特に、心臓病の犬に最も多い
僧帽弁閉鎖不全症
の分野で最新治療が進んでいます。

外科手術

薬物療法は
▶心臓病の進行を遅らせ
▶症状を緩和する
対症療法です。
しかし根本的な原因である
弁の構造的な問題
を解決することはできません。
近年、日本でも外科手術を行う専門施設が増加し、成功率も向上しています。

●僧帽弁閉鎖不全症に対する手術

この手術は、人工心肺装置を使って
心臓の動きを一時的に止め
弁を修復します。

◇弁形成術
・破れてしまった弁の組織を縫い合わせる
・人工の腱索(弁を支えるひも)を再建する
などして
弁が正しく閉じるように
修復します。

◇弁輪縫縮術
弁の周りの広がってしまった部分を
▶縫い縮め
弁がぴったりと合うように矯正します。

手術には
・高い技術
・専門的な設備
が必要なため、どの動物病院でも受けられるわけではありません
しかし成功すれば薬の量を
・減らしたり
・中止したり
することが可能になり
犬のQOL(生活の質)を大きく改善
させることができます。

●先天性心疾患に対する手術

・動脈管開存症
・心室中隔欠損症

のような先天性の心臓病
内科治療では治せません。
近年では
専用の器具で血管から心臓の穴を塞ぐ
カテーテル治療
も行われるようになってきており
開胸手術よりも体への負担が少ない治療法として注目されています。

再生医療・細胞療法

再生医療は
心臓病の根本治療
として研究が進められている分野です。
・自身の体から採取した細胞を培養して再び体内に戻す方法
・他個体から採取した細胞を利用する方法
があります。

●幹細胞治療

◇概要
脂肪などから採取した
幹細胞を培養し
・点滴
・注射
で体内に投与します。
投与された幹細胞は
▶損傷した心臓の組織に集まり
組織の修復や再生を促す効果
が期待されています。

◇効果
・炎症を抑えたり
・心臓の線維化を防いだり

する効果が報告されており、特に
心不全の犬
に対する治療として研究が進んでいます。

◇メリット
開胸手術など外科手術に比べ
体への負担が非常に少ない点
が最大のメリットです。

現状
まだすべての動物病院で受けられるわけではなく、治療法として確立されている段階ではありません。しかし
新たな治療の選択肢
として今後ますます期待されています。

新しい内科治療薬

これまで使われてきた
・ACE阻害薬
・強心薬
に加え、人医療でも使われている
新しいタイプの薬
が獣医療でも研究されています。

●SGLT2阻害薬

◇概要
本来
糖尿病の治療薬
として開発された薬ですが
心不全の犬に対しても有効
である可能性が示唆されています。

◇働き
余分な糖分を尿として排泄
することで
・心臓
・腎臓
の負担を軽減する効果に期待。

これらの新しい薬は
・まだ臨床研究段階であることが多く
・すべての犬に適用できるわけではない
しかし、従来の薬では効果が不十分だった犬にとって、新たな希望となる可能性があります。

ヒッポのごはんの心臓病食

心臓病は進行性ですが
適切な栄養管理は
愛犬のQOLを大きく左右します。
ヒッポのごはんでは
愛犬一頭一頭の状態
に合わせた心臓にやさしい
オーダーメイドごはん
を提供しています。

心臓病に対する主なコンセプトは
塩分とリンの制限を基本に
心臓の働きをサポートする栄養素を強化すること

心臓病の食事は
心臓の負担を減らす
ことが第一です。
・体内の水分量をコントロールし
・心筋の健康を保つ
ための栄養バランスを目指します。

ヒッポのごはんが大切にする3つの柱

ヒッポのごはんでは心臓病食を
単なる栄養制限食
とは捉えていません。
・愛犬が美味しく食事を楽しみ
・いきいきと過ごせる時間を長くする

そのために、以下の3つの柱を基本にレシピを設計しています。

①適正体重の維持
肥満は心臓に大きな負担をかけます。
愛犬の
・年齢
・運動量
に合わせた適切なカロリー設計
・無理なく
・健康的な
体重を保ちます。

②適切な栄養補給
病気による体重減少
悪液質=カヘキシア
を防ぐため
・嗜好性を重視した良質な食材を選び
・十分なエネルギーと栄養を確保します。

③併発しやすい疾患への配慮
心臓病は
腎臓病を併発しやすい
という特徴があります。
これに加え
心臓病で用いられる薬にも
腎臓に負担
となる可能性のあるものが多いため
・愛犬の状態を常に把握し
必要に応じて
・タンパク質
・リンの量
を慎重に調整します。
初期からの過度な制限は、かえって
QOLを著しく低下させる
可能性があるため、避けています。

心臓を力強くサポートする特別な栄養素

・心臓の機能を支え
・病気の進行を穏やかにする
ヒッポのごはんでは以下の栄養素を積極的に取り入れています。

●心筋を元気にするアミノ酸
心筋の機能維持に不可欠な
・タウリン
・L-カルニチン

を豊富に含む
・鹿肉
・猪肉
などの赤身肉を積極的に使用しています。
心臓病の進行に伴って、これらの栄養素は不足しがちになることが分かっています。

◇タウリン
心筋の機能維持に不可欠なアミノ酸。
犬は
体内でタウリンを合成できます
が、それでも
心臓病の犬では不足しがち
なため食事からの補給が推奨されます。

◇L-カルニチン
脂肪酸
を心筋に取り込み
エネルギーとして利用する
ために必要なアミノ酸誘導体です。
心筋のエネルギー産生を助けます。

●筋肉と骨を支えるビタミンD
・筋肉の萎縮を防ぎ
体内の
・カルシウムとリンのバランスを整える
という重要な働きをします。
・トラウトサーモン
・白身魚
・舞茸

※注:白鮭はビタミンDが過剰になる可能性
などを活用し、心臓病と併発しやすい
腎臓の健康
にも配慮します。

●悪液質(カヘキシア)対策
病気の進行によって
筋肉が減ってしまう
悪液質
を防ぐため
・良質なタンパク質
中でも特に
・BCAA(分岐鎖アミノ酸)
を意識的に含めます。
また、筋肉の材料となる
たんぱく質の合成に重要な
ビタミンB6

を含むビタミンB群も積極的に補給し、体重減少を食い止めます。
※ビタミンB群はバランスよく摂取するのが

●抗酸化物質で心臓を守る
ビタミンC・E・セレンだけではなく
・レスベラトロール
・アントシアニン
といったポリフェノール
心筋細胞を
酸化ストレスから守ります。
新鮮な野菜など、様々な食材に加え
ブルーベリー茎
からこれらの成分を補給します。

●腸から心臓をサポート
心臓病と腸内環境も密接に関わります。
と言うのも、食事中の特定の成分
  ・L-カルニチン
  ・コリンなど

が腸内細菌によって代謝され、肝臓で
TMAO(トリメチルアミン-N-オキシド)
という物質が作られることがあります。
研究では
TMAOの血中濃度が高いと
心血管疾患のリスクが増加する
可能性が示唆されています。

しかしTMAOの生成に関わるとされる
・L-カルニチン
・コリン

といった栄養素は
・心臓のエネルギー源
・血管の健康

不可欠な栄養素です。
これらの重要な栄養素を単に避けるのはかえって心臓の健康に悪影響。
そのためヒッポのごはんでは、以下の方法でTMAO対策を行います。

◇鍵は「腸内環境のバランス」
TMAOが過剰に作られるかどうかは
・どんな種類の腸内細菌が
・どれだけいるか
に大きく左右されます。
なので
TMAOを生成しにくい腸内環境
にすることで
・心臓に必要なものはしっかり補給し
・不要なものをため込まない体づくり
をめざします。
そのためまずは
・プロバイオティクス(乳酸菌など)
・プレバイオティクス(オリゴ糖など)

の補給により
腸内フローラ
を健康な状態に保ちます。
特に
・もち麦
・キノコ類
に多く含まれる
βグルカン
は腸内の善玉菌のエサとなり
・腸内環境を整え
・TMAOの生成を抑制
する効果が期待できます。

また心臓病の原因の一つに
・血液の汚染
・免疫力の低下
が関与していると考えられています。
腸内環境を整えることは
マクロファージ
※不要物を食べ血管のつまりを防ぐ細胞
の活性化を促し健康をサポートします。

●血管・血液循環のサポート
心臓病では
心臓だけでなく
血管の健康
も重要です。

◇卵黄コリン
・血中コレステロールを下げ
・血圧を正常に保つ
▶動脈硬化の予防

◇アルギニン
血管を広げる
一酸化窒素(NO)
の産生を促す作用があります。
これにより
▶血管がしなやかになり
▶血圧のコントロールを助けます
メインの肉に
・鶏むね
・豚ヒレなど

◇抗酸化成分
・スルフォラファン(Bスプラウト)
・グルタチオン(きのこ類)
が血管を酸化ストレスから守ります。

心臓に負担をかけないための厳選した食材と配慮

愛犬の心臓に
・負担をかけず
・安心して食べられる
ごはんであるために
以下の点に徹底的にこだわっています。

●ナトリウム(塩分)の調整
ナトリウムは
▶体内の水分量を増やし
▶心臓に負担をかけるため
厳格な制限が必要です。
しかし、進行時でも
極端な制限をすると
体がかえって塩分を溜め込もうとする
ため、正確には厳格な調整が必要です。
※乾物換算で0.3%程度で調整

●リンの排泄を助ける亜鉛
リンの過剰摂取
腎臓に負担をかけます。
リンの排泄に重要な
クロトーたんぱく質
の減少を防ぐために、亜鉛を適切に補給します。

◇無機リンに注意
市販のフードに多く含まれる
無機リン
※表示名はph調整剤、乳化剤など
は腎臓に大きな負担をかける可能性。
市販フードを与えるときは必ず原材料名を確認しましょう。

●カリウムとマグネシウムのバランス
これらは
・心臓の収縮
・不整脈の予防
に重要なミネラルです。
特に
利尿薬の副作用
で血中カリウム濃度が不安定になりやすく
・低カリウム血症
・高カリウム血症

どちらにも傾く可能性があります。
・不整脈
・筋力低下
・治療薬の副作用リスク増
などを防ぐため、愛犬の状態に合わせて適切な量を調整します。
またマグネシウム
・心筋の収縮
・神経伝達
に関与し、不整脈予防に役立ちます。
さらに
・血管が硬くなるのを防ぎ
・腎臓を守る働き
にも期待できます。

ヒッポのごはんが目指すのは
愛犬の
「美味しい喜び」
「健康」

を両立させることです。
専門的な知見をもとに、愛犬に寄り添うごはんで、穏やかな毎日をサポート。
愛犬の食事についてご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

心臓病治療費の目安

心臓病の治療費は
病気の進行度合い
によって大きく変わります。
動物病院では
国際的なガイドラインに基づき
病気を4つのステージ
に分類して治療計画を立てるのが一般的。
それぞれのステージで必要となる
・治療
・検査
が異なり、それに伴い費用も変動します。

ステージA:心臓病予備軍

・心臓病の症状
・心雑音
はないものの
・病気になりやすい犬種
 (チワワ、キャバリアなど)
・高齢犬
が該当します。

●主な費用
・予防的な定期健康診断
  ・血液検査
  ・聴診
  ・レントゲンなど

●目安
1回の検査で5,000円〜20,000円

ステージB:無症状の心臓病

心雑音はあるものの、まだ症状は出ていない段階です。
ステージBはさらに
・B1
・B2
に細分化されます。

✓ステージB1(軽度)
・心雑音
があるだけで
心臓の拡大は見られません。

●主な費用
3〜6ヶ月ごとの定期検査
・聴診
・レントゲンなど

●目安
1回の検査で5,000円〜15,000円

✓ステージB2(中度)
心臓の拡大
が見られますが、まだ無症状。
この段階から投薬が始まります

●主な費用
定期検査に加え
・心臓病薬の処方
  ・ACE阻害薬
  ・強心薬など

●目安
1ヶ月あたり15,000円〜40,000円
※薬の種類や量による

ステージC:心不全を発症した犬

・咳
・呼吸困難など
心不全の症状が既に出ている段階です。

●主な費用
症状を抑えるための
複数種類の心臓病薬の併用
・および緊急時の治療費

●目安
◇月々の投薬代
20,000円〜60,000円以上

◇緊急時の入院・治療
1日あたり30,000円〜100,000円以上
急性肺水腫などで

ステージD:難治性心不全

通常の治療法では心不全の症状が管理できない、非常に重篤な段階です。

●主な費用
・複数種類の薬の最大量投与
・入院による集中治療
・酸素吸入など

●目安
1日あたり50,000円〜100,000円以上

これらの費用はあくまで目安であり
・動物病院や地域
・使用する薬や検査の種類
によって大きく変動します。
・手術
・再生医療
といった最新治療は、さらに高額になる可能性があります。

心臓病と診断された愛犬のためにできること

心臓病は、一度診断されると
生涯にわたる管理
が必要となります。
飼い主さんの日々の
・観察
・ケア
が愛犬の生活の質を大きく左右します。

1. 投薬管理は命綱

心臓病の薬は
・症状をコントロールし
・病気の進行を遅らせる
ための命綱です。
たとえ愛犬の調子が良さそうに見えても
自己判断
・投薬を中断したり
・量を減らしたり
するのは絶対にやめてください。
薬の作用が切れると
症状が急激に悪化するリスク
があります。
獣医師の指示に従い
・毎日決まった時間
・忘れずに薬を与えること

が愛犬の安定した状態を保つ上で最も重要です。

2. 無理のない生活を

・激しい運動
・過度な興奮
は心臓に大きな負担をかけます。
散歩は
・短く、休憩をこまめに取りながら
・愛犬のペースに合わせてゆっくりと
行いましょう。
心臓病の犬は
体温調節も苦手になる
ことがあるため
・暑い時間帯の散歩は避け
・涼しい時間帯を選んでください。
また
過度なストレス
も心臓に悪影響を及ぼすため
・穏やかで
・安心できる
環境を整えてあげましょう。

3. 呼吸数のチェックを習慣に

安静時の呼吸数の計測
心不全の悪化を
早期に察知できる
非常に重要なホームケアです。
心臓の機能が低下すると
▶酸素不足を補うために
▶呼吸数が自然と増加するからです。

正常な犬の安静時の呼吸数
一般的に1分間に25回以下
が目安とされていますが、最も重要なのは
愛犬にとっての「平時の呼吸数」
をあらかじめ知っておくことです。
日頃から
・愛犬が寝ているとき
・おとなしくしているとき
呼吸数を計測し
正常値を把握しておきます。
・その値と比較して明らかに増加している
または
・25回を超える
場合は心不全が悪化している可能性。
すぐに獣医師に相談してください。

4. 愛犬からのサインを見逃さない

心臓病は「沈黙の臓器」とも言われ
初期には症状がほとんど現れません
しかし、病気が進行すると
・咳
・疲れやすさ
・食欲の低下など
些細な変化
としてサインが現れ始めます。
日頃から愛犬の様子を注意深く観察し
▶少しでも気になることがあれば
▶獣医師に相談する習慣をつけましょう。

まとめ

愛犬が心臓病と診断されたとき、多くの飼い主さんは不安になるでしょう。
しかし、心臓病はもはや
「不治の病」ではありません
・早期発見
・適切な治療
・日々の丁寧なケア
によって
・病気の進行を遅らせる
・愛犬の生活の質を大きく向上させる
ことが可能です。

そのためには、まず心臓病が
「沈黙の臓器」であることを理解し
症状がなくても
定期的な健康診断を怠らない
ことが何より大切です。
特に
・犬種的なリスクを持つ愛犬
・シニア期に入った愛犬
普段からの小さな変化に気づいてあげることが、長寿への第一歩となります。

今回ご紹介したように
・薬物療法から食事管理
そして
・外科手術や再生医療
といった最新治療まで
心臓病を克服するための選択肢は多岐にわたります。
・愛犬の体のサインを見逃さず
・獣医師と二人三脚で最適な治療法を探す
ことが、愛犬との
・穏やかで
・幸せな時間

を長く続けるための鍵となるでしょう。

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