まるでサムライ!
国内外問わず人気の高い柴犬。
まさに和のクールビューティー
日本犬ならではの素朴さと気品を兼ね備えた美しさに誰もが虜に。
嫌なことは全力拒否の「イヤイヤさん」
喜びを全身で表現する姿
見ていて飽きない表情豊かな
エンターテイナー!
独立心旺盛でクールに見えても、心を許した相手には深い愛情を示す
ツンデレの達人
べったりしすぎないけれど、ふとした時に見せる甘えん坊な仕草がたまりません!
そんな柴犬を家族として迎えるにあたり、その独特の性格や習性を深く理解し、共に充実した日々を送るための知識をお届けします
柴犬の基本情報:太古から続く日本の宝
●体重
一般的にオスが9~11kg、メスが7~9kg程度が標準とされています。
日本犬保存会では体高の基準はありますが、体重の厳密な基準はありません。
近年人気の
「豆柴」
「小柴」
といった小さいサイズの柴犬は、犬種として公認されているわけではなく、あくまで小さい柴犬の愛称です。
極端に小さな個体は健康上のリスクを抱えている可能性もあるため、迎える際は慎重な判断が必要です。
●寿命
平均寿命は12~15歳程度
適切な飼育管理と愛情深いケアにより、近年では20歳を超えるご長寿の柴犬も増えています。
歴史的背景:縄文時代から共に生きた日本のパートナー
〇柴犬の祖先は、縄文時代には既に存在していたと考えられてます。
日本列島で古くから人間と共に暮らしてきた土着犬です。
主に山岳地帯で、鳥や小動物の狩猟を手伝う猟犬として活躍していました。
〇「柴」という名前の由来は
・小さいものを意味する古語「柴」
・獲物を追って柴(雑木)の中を巧みに動き回る姿から
・赤褐色の毛色が枯れた柴の色に似ているから
などと言われています。
諸説あり
〇昭和初期には洋犬との交雑が進み純粋な柴犬が減少しましたが、有志による保存活動の結果、1936年(昭和11年)に日本の天然記念物に指定され、その姿が守られてきました。
見た目の特徴:素朴で力強い、日本犬ならではの美しさ
●被毛
・寒さや雨風から身を守るための硬いトップコート
・保温性に優れた柔らかいアンダーコート
からなるダブルコートです。
そのため、春と秋の換毛期には
驚くほど大量の毛が抜けます
毛色は
・赤(最も一般的)
・黒(黒柴)
・白(白柴)
・胡麻(赤・黒・白の毛が混ざったもの)
があります。
特に胡麻毛は希少性が高いとされています。
●体型
筋肉質で引き締まった、素朴ながらもバランスの取れた体型。
ピンと立った三角耳
そして
・力強く巻いた尾(巻尾)
・または前方に傾いた尾(差尾)
が特徴的です。
●顔立ち
きりっとした目元に、やや離れた小さな目が愛嬌を感じさせます。
素朴で野性味を残しつつも、飼い主に見せる表情は豊かです。
柴犬の奥深い性格と習性:独立心と忠誠心が織りなす「柴犬らしさ」
独立心と忠誠心
=クールな愛情表現の達人
〇柴犬は非常に独立心が強く、べったりと甘えるタイプではありません。
しかし、飼い主や家族に対しては深い愛情と忠誠心を持ち、いざという時には頼りになる存在です。
クールさと内に秘めた熱さのギャップが
「ツンデレ」
と評され、多くの飼い主を虜にしています。
〇柴犬が仰向けになってお腹を見せる「へそ天」ポーズは
・服従や安心感の表れと言われますが
・中には飼い主への信頼の証として
・あるいは単に暑い時に体を冷やすため
など、様々な意味合いがあるようです。
飼い主にとってはお腹をモフモフする最大のチャンスでもあります。

●「柴距離」とは?
「近くまで来てくれるのに、体は触らせない」のがたまらない!
日本犬ならではのコミュニケーション
他の犬や人に対して
・近すぎず
・遠からず
一定の距離を保とうとする柴犬特有の性質を柴距離と呼ぶことがあります。
これは、むやみに馴れ合わず、相手をじっくり観察する慎重さの表れとも言えます。
無理に近づこうとせず、柴犬自身のペースを尊重することが大切です。
この距離感は、日本の「間」の文化に通じるもの・・・かも?!
非常に賢く物覚えが良い反面、納得できないことや嫌なことに対しては頑として譲らない頑固な一面も持ち合わせています。
この頑固さは、猟犬として自分で判断し行動してきた歴史に由来するとも言われています。
しつけにおいては、力で押さえつけるのではなく、柴犬の知的好奇心を引き出し、根気強く向き合うことが求められます。
〇柴犬は
一度ダメだと思ったことはテコでも動かない
という表現がぴったりなほど、嫌な経験を強く記憶する傾向があります。
特に痛みや恐怖を伴う経験はトラウマになりやすいため、注意が必要です。
〇警戒心と番犬適性
頼れるけど、注意も必要です。
縄張り意識が強く、見知らぬ人や物音に対して警戒心を示すため、番犬としての適性があります。
しかし、この警戒心が過度になると、吠え癖や攻撃性に繋がることもあるため、子犬の頃からの社会化トレーニングが非常に重要です。
〇繊細さと我慢強さ
静かなSOSを見逃さないで!
我慢強い性格のため、痛みや不調をあまり表に出さないことがあります。
飼い主が日頃から愛犬の様子をよく観察し、食欲不振、元気がない、触られるのを嫌がるなどの些細な変化に気づいてあげることが大切です。
また、環境の変化や大きな音などに敏感に反応する繊細な一面も持ち合わせています。
柴犬を迎えるにあたっての心構え:日本犬との共生を楽しむために
●日本犬の特性を深く理解する
洋犬とは異なる、柴犬ならではの
・独立心
・頑固さ
・警戒心
といった特性を十分に理解し、受け入れることが大切です。
「飼い主の言うことを何でも聞く」
というよりは
「信頼できるリーダーと共に生きるパートナー」
という関係性を目指しましょう。
●一貫したリーダーシップと信頼関係
柴犬は飼い主をよく観察し、リーダーとしての資質を見極めようとします。
甘やかすだけではなめられてしまうことも。
愛情を注ぎつつも、
ダメなことはダメ
と毅然とした態度で一貫して教えることが、信頼関係の構築に繋がります。
●十分な運動量の確保
見た目以上に体力があり、活発です。
毎日の散歩は欠かせません。
単に距離を歩くだけでなく
・時にはコースを変えたり
・匂い嗅ぎを十分にさせてあげたり
と、散歩の質も重要です。
運動不足はストレスの原因となり、問題行動に繋がることもあります。
● 抜け毛との長い付き合いを覚悟する
ダブルコートの柴犬は、特に春と秋の換毛期には想像以上の毛が抜けます。
毎日のブラッシングはもちろん、部屋の掃除もこまめに行う必要があります。
これを「柴犬との暮らしの一部」として受け入れられるかが重要です。
●脱走対策は万全に
柴犬は好奇心旺盛で、ふとした瞬間に脱走してしまうことがあります。
また、一度脱走すると、恐怖心などから遠くへ行ってしまい、帰巣本能があまり期待できないとも言われます。
・迷子札の装着
・マイクロチップの挿入
はもちろん
・玄関や窓の施錠
・散歩中のダブルリードなど
脱走対策は徹底しましょう。
柴犬のしつけのポイント:根気と愛情で「相棒」になる
●社会化トレーニングは最優先課題
子犬期(特に生後3ヶ月~4ヶ月頃まで)に
・他の犬や人
・様々な物音
・乗り物
など、外の世界の刺激に慣れさせる社会化トレーニングは、柴犬の将来を左右するほど重要です。
この時期に良い経験を積むことで、警戒心が過度に強くなるのを防ぎ、落ち着いた成犬に育ちやすくなります。
●褒めるしつけを基本に、根気強く向き合う
賢いですが頑固なため、一度で覚えてくれなくても諦めずに、根気強く繰り返し教えることが大切です。
上手にできた時は、大げさすぎない程度に褒めてあげましょう。
柴犬は、飼い主の静かな称賛や、穏やかな声かけを好む傾向があります。
●「ダメ」は短く、低めの声で
良くない行動をした時は、その瞬間に「ダメ」「イケナイ」など短い言葉で、少し低めの落ち着いた声でタイミング良く伝えましょう。
感情的に怒鳴るのは逆効果です。
●触られることに慣らす練習
(ボディコントロール)
・口周り
・耳
・足先
・尻尾など
体のどこを触られても嫌がらないように、子犬の頃から遊びやスキンシップの中で慣らしておくことが、日常のケアや動物病院での診察をスムーズにするために非常に重要です。
●主従関係ではなく「信頼関係」を重視
厳しく上下関係を叩き込むというよりは、飼い主が頼れるリーダーであることを行動で示し、柴犬からの信頼を勝ち取ることが大切です。
柴犬のお手入れ・ケアの仕方:健康と美しさを保つ日々の習慣
●ブラッシング
:抜け毛対策と皮膚の健康のために
ダブルコートの柴犬にとって、ブラッシングは非常に重要です。
・特に換毛期(春と秋)は毎日
・それ以外の時期も週に2~3回
は行いましょう。
・スリッカーブラシ
=アンダーコートの抜け毛を取り除き
・コーム
=毛並みを整えます。
ブラッシングは皮膚へのマッサージ効果もあり、血行を促進し、皮膚病の早期発見にも繋がります。
●シャンプー
:洗いすぎに注意し、皮膚に優しく
シャンプーの頻度は月に1回程度が目安。
柴犬の毛は水を弾きやすいため、シャンプー前にはしっかりと被毛を濡らすことがポイントです。
洗いすぎは皮膚の油分を取りすぎてしまい、乾燥や皮膚トラブルの原因になることがあります。
柴犬は皮膚がデリケートな子も多いため、犬用の低刺激シャンプーを選び、すすぎ残しがないように十分に洗い流しましょう。
シャンプー後は、タオルドライとドライヤーで根本までしっかり乾かします。
●爪切り・耳掃除・歯磨き
:幼い頃からの習慣づけが鍵
◇爪切り
月に1~2回程度。
血管を切らないように注意が必要です。
難しい場合は無理せずトリマーさんや獣医師にお願いしましょう。
◇耳掃除
週に1回程度
イヤーローションを使い、見える範囲の汚れを優しく拭き取ります。
耳の奥まで綿棒を入れるのは避けましょう。
◇歯磨き
毎日の歯磨きが理想です。
歯周病は様々な病気の原因となるため、子犬の頃から歯ブラシや歯磨きシートに慣れさせることが大切です。
●肛門腺絞り
個体差がありますが、月に1回程度、シャンプー時などに行うのが一般的です。
自分でできない場合は、トリミングサロンや動物病院でお願いしましょう。
柴犬がなりやすい病気とそのケア
柴犬は比較的丈夫な犬種ですが、遺伝的な素因や体質から特定の病気にかかりやすい傾向があります。
アレルギー性皮膚炎・アトピー性皮膚炎
柴犬に非常に多く見られる皮膚疾患です。
特定の
・食物
・花粉
・ハウスダスト
などがアレルゲンとなり
強いかゆみ、赤み、脱毛
などを引き起こします。
また垂れ耳ではありませんが、アレルギー体質と関連して外耳炎も発症しやすい傾向があります。
●ごはんや栄養でのケア
◇アレルゲン除去食:
食物アレルギーが疑われる場合、獣医師の指導のもと、原因となりやすいタンパク質(鶏肉、牛肉、乳製品、小麦など)を避け、新奇タンパク質(鹿肉、魚、馬肉など)や加水分解タンパクを使用した療法食を与えます。
◇オメガ3・オメガ6脂肪酸
EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸、γ-リノレン酸などのオメガ6脂肪酸は、皮膚の炎症を抑え、バリア機能を高める効果が期待できます。
油や魚油、月見草オイルなどが利用されます。
◇セラミド、乳酸菌、ビタミン類
・皮膚の保湿成分であるセラミド
・腸内環境を整え免疫バランスをサポートする乳酸菌
・皮膚の健康維持に必要なビタミンA、E、B群
などを積極的に摂取します。
●食事以外でしてあげられること
◇スキンケア
獣医師の指示のもと
・薬用シャンプーによる定期的なシャンプー療法(週に1~2回程度)
・保湿剤による皮膚の保湿。
◇生活環境の整備
ハウスダスト、ダニ、カビなどを減らすために
・こまめな掃除
・空気清浄機の使用
・適切な湿度管理(50~60%程度)
◇ストレス軽減
過度なストレスは免疫機能を低下させ、皮膚症状を悪化させることがあります。
・安心できる環境
・適度な運動
・飼い主との穏やかなコミュニケーション
が大切です。
◇ノミ・ダニ予防の徹底
ノミの唾液もアレルゲンとなるため、定期的な予防は必須です。
膝蓋骨脱臼(パテラ脱臼)
小型犬ほど多くはありませんが、柴犬でも見られます。
●ごはんや栄養でのケア
◇関節強化成分
・グルコサミン
・コンドロイチン
・コラーゲン
・ヒアルロン酸など
関節軟骨の保護・修復を助ける成分を含むフードやサプリメントの活用。
◇体重管理
肥満は関節への負担を増やすため、適正体重の維持が非常に重要です。
●食事以外でしてあげられること
◇滑りにくい床材(カーペット、マットなど)の使用。
◇段差の解消(スロープの設置など)
◇激しい運動(ジャンプ、急な方向転換など)を避ける。
◇体重管理、マッサージ、温熱療法(獣医師の指導のもと)。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が低下し
・元気消失
・体重増
・脱毛
・皮膚の乾燥
などの症状が現れます。
中高齢の柴犬に比較的多く見られます。
●ごはんや栄養でのケア
基本的には甲状腺ホルモン剤の投与による治療が中心。
食事面では
・ヨウ素の過不足に注意し
・体重管理のための低脂肪、高繊維食
などが推奨されることがあります。
獣医師の指示に従いましょう。
緑内障・白内障
・眼圧が上昇する緑内障
・水晶体が白く濁る白内障
ともに失明に繋がる可能性のある眼疾患です。
●ごはんや栄養でのケア
目に良いとされる抗酸化物質
・アントシアニン
・ルテイン
・アスタキサンチン
の補給他
・ビタミンC
・ビタミンE
・亜鉛
・セレン
・オメガ3脂肪酸
などの強化。
緑内障の場合、過剰な糖分や脂肪分の摂取が眼圧に影響を与える可能性が指摘されており、注意が必要な場合があります
認知症(高齢性認知機能不全症候群)・てんかん
ともに脳機能に関する病気として
高齢になると
・夜鳴き
・徘徊
・トイレの失敗
など、人と同じような認知症の症状が出ることがあります。
柴犬は比較的発症しやすいと言われています。
また原因不明のてんかん発作を起こすことがあります
●ごはんや栄養でのケア
◇抗酸化作用のある成分(ビタミンE、C、セレン、ポリフェノールなど)を多く含む食材やサプリメント。
◇DHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸は、脳の健康維持にも役立つとされています。
◇中鎖脂肪酸(ココナッツオイルなどに含まれる)が、脳のエネルギー源として利用されやすいという報告もあります。
●食事以外でしてあげられること
◇適度な運動と日光浴
規則正しい生活リズムを保ち、心身の活性化を促します。
◇知的刺激
・新しい散歩コースの開拓
・知育トイを使った遊び
・簡単なコマンドトレーニング
など、脳に適度な刺激を与えます。
◇コミュニケーション
声かけを増やしたり、優しくマッサージをしたりすることで安心感を与えます。
◇安全な環境
家具の配置を工夫したり、危険な場所には行けないようにしたりするなどの配慮が必要です。
◇サプリメントの活用
獣医師に相談の上、脳機能のサポートが期待できるサプリメントを検討するのも良いでしょう。
愛すべき柴犬との生活をより豊かにする豆知識
「柴吸い」とは?
それは柴犬をパートナーに選んだあなただけの特権。
「柴吸い…?」という方に、
模範的なやり方が掲載されていたのでご紹介しておきます
2. モフモフの胸元にバフっと顔を埋めます。
3. あとは彼らが許すだけ息をスーハーさせていただきます。
*ポイント
柴吸いの最中、オーナーは両手で柴犬の肩辺りを優しく触ってあげると、彼らもさらにリラックスすることができるでしょう。
shiba-inu LIFEさんより引用
・忙しい家事の合間に
・一日の仕事の終わりに
疲れも悩みも吹っ飛ばす!
柴犬の体臭は比較的少ないと言われますが、個体によっては
・干した布団のような
・あるいは独特の香ばしい匂い
がすると言われ、その匂いに癒される人がいるのです。
科学的な根拠は全く不明。
飼い主と柴犬の親密な愛情表現の一つと言えます。
海外での柴犬人気と「Doge」ミーム

柴犬は海外でも
Shiba Inu
として非常に人気が高いです。
特にインターネット上では
「Doge(ドージ)」
と呼ばれる柴犬の画像がミームとして広まり、暗号資産のモチーフになるなど、世界的な知名度を誇っています。
その愛嬌のある表情と日本犬らしい佇まいが、多くの海外の人々を魅了しています。
柴犬の豊かな表情を読む
一見クールで表情が乏しいように思われがちな柴犬ですが、実は細やかな表情で感情を伝えています。
・リラックス時の穏やかな目
・嬉しい時の「飛行機耳」
(耳を横に倒す仕草)
・不満な時のへの字口
など、注意深く観察することで、その時々の気持ちを読み取ることができます。
柴犬と子供のより良い関係づくり
柴犬は基本的に我慢強いですが、自分のテリトリーや物を守ろうとする意識が強く、子供の予測不能な動きやしつこい接し方にストレスを感じることがあります。
子供には
「犬が嫌がることはしない」
「優しく触る」
といった接し方をしっかりと教え、柴犬が一人で静かに過ごせる安全な場所を確保してあげることが、良好な関係を築く上で非常に重要です。
大人が必ず監督し、両者が安全に過ごせるように配慮しましょう。
おわりに:柴犬との実りある日々に向けて
柴犬は、時に頑固でマイペース。
しかしその奥には深い愛情と揺るぎない忠誠心を秘めた、非常に魅力的な犬種です。
その独特の「柴犬らしさ」を
・丸ごと受け止め
・理解し
・適切なコミュニケーション
・ケアを心がける
ことで、彼らはかけがえのない家族の一員として、日々の生活に豊かさと温もりをもたらしてくれるでしょう。
この情報が、あなたと愛する柴犬との、より深く、より幸せな絆を育むための一助となれば幸いです。
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