犬の椎間板ヘルニアは、
特に胴長短足犬種
に多く見られる、犬の生活の質を大きく左右する可能性のある病気です。
ここでは、その
・病態
・予防
・治療
・飼い主さんができること
まで、多角的な視点から説明していきます。
椎間板ヘルニアとはどんな病気か?:犬の背骨の「クッション」の異常
犬の背骨=脊椎
の構造は
たくさんの骨=椎骨
が連なってできています。
この椎骨と椎骨の間には
椎間板
という軟骨のクッションがあります。
椎間板は
・衝撃を吸収し
・背骨がスムーズに動く
ための大切な役割を担っています。

椎間板は
・髄核(ずいかく)
=ゼリー状の中心部分
とそれを囲む
・線維輪(せんいりん)
=硬い外側の層
でできています。
椎間板ヘルニアとは
この椎間板が
▶何らかの原因で傷つき
・髄核
・線維輪
の一部が正常な位置から飛び出し
▶脊髄を圧迫してしまう病気です。
※脊髄(せきずい)
背骨の中を通る神経の束
圧迫の
・程度
・位置
により症状は軽度~重度まで様々です。
ヘルニアのタイプと犬種特異性
●ハンセンI型ヘルニア

椎間板が変性し
▶髄核が石灰化して硬くなり
▶線維輪を突き破って
▶急激に脊髄を圧迫します。
・突然発症し
・重症化しやすい
のが特徴です。
・ダックスフンド
・シーズー
・フレンチブルドッグ
・ビーグル
・ペキニーズ
など
・胴長短足の犬種
・軟骨異栄養性を持つ犬種
に多く見られます。
◇軟骨異栄養性犬種とは?
・骨
・軟骨
の正常な発育が阻害される遺伝的な特性を持つ犬種のこと。
特に
・関節
・椎間板
の軟骨成分に異常が生じやすく
これが
椎間板ヘルニアの発症リスクを高める
大きな要因となります。
これらの犬種は、一般的に
・胴が長く
・脚が短い
という特徴的な体型をしています。
これは、軟骨の発育異常によって
▶四肢の長骨が短く形成されるため。
主な犬種は
・ダックスフンド(最も代表的)
・フレンチブルドッグ
・シーズー
・ビーグル
・ペキニーズ
・コーギー
・コッカースパニエル
・ミニチュア・シュナウザー
など
これらの犬種では
椎間板の中心にある髄核が
▶生後2歳頃までに変性し
▶本来ゼリー状であるはずが
▶乾燥したチーズのように脱水
して硬くなります。
これにより
椎間板の衝撃吸収能力
が著しく損なわれ、髄核を囲む
線維輪
ももろくなります。
この脆弱な状態で
椎間板に無理な力
がかかると
▶破れた線維輪から
▶硬くなった髄核が飛び出し
▶脊髄を強く圧迫してしまう
「ハンセンI型ヘルニア」
を若齢から発症するリスクが高いとされています。
●ハンセンII型ヘルニア

椎間板全体が徐々に変性し
▶膨らんで脊髄を慢性的に圧迫します。
多くは
・後天性の要因
・加齢
によって進行します。
軟骨異栄養性犬種に限らず、大型犬・小型犬問わず、どの犬種でも発症する可能性があります。
症状がゆっくり進行するため
初期には
これといった異変に気づきにくい
こともあります。
急な麻痺などはないかもしれませんが
▶放置しても自然に治ることはない!
そのため
軽い症状でも早めの対処が重要です。
・ラブラドールレトリーバー
・ジャーマンシェパード
・ドーベルマン
などの大型犬や
・高齢犬全般
に多く見られます。
単に
「ヘルニア」
と一括りにされがちですが
犬種で発症しやすいタイプが異なります
そのためこれが
・発症年齢
・進行速度
・治療反応性
に影響を与える。
という視点を持つことが重要です。
椎間板ヘルニアの症状とグレード
椎間板ヘルニアの症状は
圧迫される脊髄の
・部位
・程度
によって大きく異なります。
これらの症状の重症度は、
神経学的検査に基づいて
グレード(等級)
として段階的に評価されます。
獣医師が
・診断し
・治療方針を決定する
上で非常に重要な指標となります。
一般的には以下の5段階(または6段階)で評価されます。
●グレード1:痛みのみ
・背中
・首
に強い痛みがあるものの
神経学的な麻痺
は認められません。
・抱っこを嫌がる
・震える
・うずくまる
・触るとキャンと鳴く
といった行動や
・段差を嫌がる
・ジャンプしなくなる
などの症状が見られます。
◇症状の進行速度
ハンセンII型ヘルニアの場合、
この段階の症状がゆっくり進行
▶飼い主さんが気づきにくいことも。
●グレード2:不全麻痺(軽度)
ふらつきがあるものの
・自力で立ち上がり
・歩く
ことができます。
・後肢がもつれる
・足を引きずる
などの症状が見られます。
●グレード3:不全麻痺(重度)
自力で立ち上がることはできます。
しかし
すぐに倒れてしまう
など、まともに歩くことができません。
排泄に問題が生じることもあります。
●グレード4:完全麻痺
後ろ足が完全に麻痺しており
▶自力で立ち上がることができません。
足を強くつまむ
=深部痛覚の検査には反応があります。
排泄のコントロール
が完全にできなくなることが多いです。
●グレード5:深部痛覚消失を伴う完全麻痺
後ろ足が完全に麻痺しており
▶自力で立ち上がることができません。
さらに
足を強くつまんでも全く痛みを感じない
=深部痛覚がない状態です。
最も重症なグレードで
緊急性が非常に高い
と判断されます。
なぜグレードが重要か?
グレードは
・内科治療
=安静と投薬
で回復が見込めるか?
あるいは緊急での
・外科手術が必要か?
どうかの判断基準となります。
一般的に
グレード1〜2は内科治療
が選択されることが多いですが
グレード3以上では外科手術
が強く推奨されるケースが増えます。
特にグレード5は
神経機能回復の可能性
が時間と共に低下するため、早急な手術が求められる状態です。
【重篤な合併症】進行性脊髄軟化症(PMM)
椎間板ヘルニアの中でも、特にグレード5の重症例の場合、ごく稀に
進行性脊髄軟化症
という
非常に重篤な合併症
を発症することがあります。
●病態
椎間板ヘルニアによる
脊髄への強い圧迫が原因で
▶脊髄組織が壊死を起こし
その壊死が脊髄を
・上行性(頭側)
および
・下行性(尾側)
に広範囲に進行する病気です。
●症状
初期にはヘルニアの麻痺症状に加え
・呼吸が苦しそうになる
・前肢にも麻痺が広がる
・排泄が完全にできなくなる
などの症状が現れます。
●予後
残念ながら、進行性脊髄軟化症に対する
確立された治療法
は現状なく、発症すると多くの場合
▶病変が呼吸を司る神経にまで達し
・呼吸困難
・呼吸停止
に至るため、非常に予後が悪い・・・
多くは死に至る病気です。
●重要性
この合併症の発症リスクがあるため
特にグレード5の重症ヘルニアでは
・一刻も早い診断
・外科手術
による脊髄の減圧が推奨されます。
残念ながら、手術によってPMMの発症を完全に防げるわけではありません。
それでも
・発症リスクを低減し
・予後を改善する
唯一の望みとなります。
症状の進行速度
ハンセンI型ヘルニアは
突然「キャン!」
と鳴いて動けなくなるなど
急性発症が多い
一方で、ハンセンII型ヘルニアは
「最近なんとなく元気がない」
「散歩を嫌がるようになった」
といった症状がゆっくり進行することが多いです。
この症状の進行速度の違いも、タイプを区別するヒントになります。
椎間板ヘルニアを予防するためには?
椎間板ヘルニアの発症リスクは
ゼロにはできません。
しかし、以下のような対策でリスクを減らすことができます。
●体重管理
肥満
は椎間板への負担を大きくします。
適正体重を維持することが最も重要です。
●適度な運動と筋肉維持
適度な運動で
・体幹の筋肉を強化し
・背骨を支える力をつけましょう。
ただし
・過度な運動
・激しいジャンプ
・階段の上り下り
は避けるべきです。
●住環境の整備
◇滑りやすい床の対策
フローリングは滑りやすく
・着地時の衝撃
・体への負担が大きい
ため
・カーペット
・マット
を敷く
・滑り止めワックスを塗る
などの対策を
◇段差の解消
・ソファ
・ベッド
への上り下りには
・スロープ
・ステップ
を活用しましょう。
◇抱っこの仕方
胴長短足犬種の場合
・体をまっすぐ水平に保ち
・お尻と前足をしっかり支えて
抱っこする習慣をつけましょう。
●無理な姿勢をさせない
無理な体勢での
・トリミング
・遊び
は避けましょう。
●日常のケア
・爪切り
・足の裏の毛の手入れ
をこまめに行い、滑って転ぶのを防ぐことも大切です。
若年からの予防意識
特にリスク犬種では
子犬の頃から
椎間板に負担をかけない生活習慣を身につけさせることが重要です。
若いうちからの適切な
・運動
・体重管理
が将来の発症リスクを大きく低減します
椎間板ヘルニアの治療法と処方薬の例
椎間板ヘルニアの治療法は
・症状の重さ
・発症からの時間
・犬の年齢
・健康状態
そして
・グレード
によって異なります。
大きく分けて
「内科治療(保存療法)」
「外科治療(手術)」
があります。
1. 内科治療(保存療法)
主に
・グレード1〜2の軽度な症状
・外科手術が難しい場合
に選択されます。
①安静を徹底し
②薬物療法で
・痛み
・炎症
をコントロールします。
●安静
最も重要です。
厳重なケージレストを徹底
=排泄時以外はケージから出さない
ようにします。
無理な動きは症状を悪化させる原因となります。
●消炎鎮痛剤(NSAIDs、ステロイド)
◇目的
・痛み
・炎症
を抑えるために処方されます。
・ステロイド剤
・非ステロイド性消炎鎮痛剤
(NSAIDs)
があり、獣医師が
・犬の状態
・症状
に応じて使い分けます。
◇副作用
〇ステロイド(プレドニゾロンなど)
・多飲多尿
・多食
・パンティング
(ハァハァと息を荒くする)
・筋力低下
・免疫力低下
・皮膚が薄くなる
・糖尿病の悪化など。
長期使用は様々な副作用のリスクを増加
〇NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)
・消化器症状
・嘔吐
・下痢
・食欲不振
・胃潰瘍
・腎臓や肝臓への負担
◇食事との兼ね合い
・NSAIDsは
胃腸への負担を軽減するため
▶基本的に食後に与える
のが推奨されます。
・ステロイドで
多食になった場合は
▶体重増加に注意し
▶免疫力低下時の感染症リスクを考慮
・鮮度の良い食事
・加熱した食事
を心がけるべきです。
●筋弛緩剤
◇目的
脊髄の圧迫により緊張している
▶周囲の筋肉を和らげ
▶痛みを軽減する
ために処方されることがあります。
◇副作用
・眠気
・ふらつきなど。
●胃腸保護剤
◇目的
消炎鎮痛剤(NSAIDsやステロイド)による
・胃腸障害(胃潰瘍など)
を防ぐために併用されるなど
●ビタミン剤
◇目的
神経の回復を助ける目的で、特にビタミンB群(B12など)が処方されることも。
・神経の機能維持
・損傷部位の修復
をサポートします。
注射による治療について
人間では、椎間板ヘルニアに対して
「硬膜外ブロック注射」
「選択的脊髄神経ブロック注射」
など痛みを和らげるための注射療法が一般的です。
しかし犬では、これらと同様の
注射だけの治療法
は、人間ほど一般的ではありません。
特に椎間板ヘルニア
そのものを治す注射
※椎間板内の物質を分解する酵素を注入
は犬ではほとんど行われていません。
人には効果があっても、犬では
・治療効果
・安全性
に関するエビデンスが不十分なのです。
人間のような
「注射一本で治る」
というイメージの治療法は、犬の椎間板ヘルニアにおいては確立されていません。
●痛みを抑えるブロック注射
・炎症
・痛み
が非常に強い場合。
短期間の鎮痛目的で、獣医神経科医などによって選択的に行われることはあります。
しかし、これは
・根本的な治療ではなく
・あくまで対症療法
であり、内科治療の一環として位置づけられます。
●ステロイドの全身投与
一般的に、内科治療の初期に
・炎症
・痛み
を強く抑える目的で
・経口
または
・注射
でステロイドが使われます。
これは
特定の神経
に注射するわけではありません。
2. 外科治療(手術)
・内科治療で改善が見られない場合
・麻痺が急速に進行する場合
・重度の麻痺がある場合
(特にグレード3以上)
に検討されます。
◇目的
飛び出した椎間板物質を外科的に取り除き、脊髄の圧迫を解除すること。
◇特徴
手術には
・専門的な知識
・設備
が必要で、費用も高額になります。
術後のリハビリも非常に重要です。
椎間板ヘルニアの食事で気を付ける点・療法食の内容
椎間板ヘルニアの食事管理は主に
「体重管理」
「炎症ケア」
「神経サポート」
が柱となります。
●体重管理
最も重要です。
カロリーコントロールされた食事を選び
▶適切な量を与えること
が不可欠です。
・低脂肪・低カロリーの療法食
・新鮮な野菜
を取り入れるのも良いでしょう。
●炎症ケア
炎症を抑える成分を含む食事を推奨。
◇内容例
・関節
・脊椎の健康をサポートする成分
・グルコサミン
・コンドロイチンなど
・抗炎症作用のある成分
・オメガ-3脂肪酸
の強化など
●療法食の利用
獣医師が推奨する
・関節ケア用
・体重管理用の療法食
・ヒッポのごはん
は必要な栄養バランスを保ちながら
▶ヘルニア犬の特殊なニーズに対応できるよう設計されています
自己判断での食事変更は避け、必ず獣医師と相談してください。
強化すべき栄養素
●オメガ-3脂肪酸(EPA・DHA)
◇効果
強力な抗炎症作用があり
・椎間板周囲の炎症を和らげ
・痛みの軽減
に寄与します。
◇食品例
・青魚
・サバ
・イワシ
・サケなど
・亜麻仁油
※ただし犬はαリノレン酸を効率的にDHA/EPAに変換できないため、魚由来が望ましい
●グルコサミン・コンドロイチン硫酸
◇効果
軟骨の構成成分であり
・椎間板の健康維持
・修復をサポート
すると言われています。
炎症の軽減にも役立つ可能性があります。
◇食品例
・軟骨(鶏軟骨など)
・緑イ貝
●ビタミンB群(特にB12)
◇効果
神経の
・機能維持
・回復
に重要な役割を果たします。
特にB12は
神経鞘(しんけいしょう)
※神経を包む組織
の形成に関わり
▶神経損傷の修復を助けます。
◇食品例
・赤身肉
・魚
・卵
・乳製品
●抗酸化物質(ビタミンC、E、セレンなど)
◇効果
炎症によって発生する活性酸素から細胞を保護し、組織の損傷を防ぎます。
◇食品例
・新鮮な野菜
(ブロッコリー、パプリカ)
・果物(ベリー類)
●高品質なタンパク質
◇効果
筋肉の
・維持
・強化
に不可欠です。
適切な筋肉量が背骨の安定性を高めます。
◇食品例
・赤身肉
・鶏肉
・魚
・卵
・ヤギホエイプロテイン
控えるべき栄養素
●過剰な脂質・カロリー
肥満につながり
▶椎間板への負担を増大させます。
●アレルギーのある食材
炎症を悪化させる可能性があります
椎間板ヘルニアの治療費の例
椎間板ヘルニアの治療費は
・症状の重さ
・治療法
・入院期間
・病院の地域や規模
によって大きく異なります。
●内科治療の場合
・診察料
・検査料
・レントゲン
・血液検査など
・薬代
・定期的な再診料
:数万円〜10万円程度
(症状の程度や通院期間による)
●外科手術の場合
・手術費用
・麻酔費用
・入院費用
・術前検査(CT/MRIなど)
術後のリハビリ費用を含めると
:40万円〜100万円以上
になることも珍しくありません。
特にMRIやCT検査は高額です。
検査費用について
椎間板ヘルニアの診断には
レントゲンだけでなく
・脊髄造影検査
・CT
・MRI
が不可欠です。
特にMRIは
脊髄の状態を詳細に把握
できるため
手術の有無を判断
する上で非常に重要です。
ただし!
検査費用だけでも10万円を超えることがあります。
・ペット保険に加入している場合
▶保険の種類によって補償割合が異なる
・未加入の場合
▶全額自己負担となります。
経済的な準備も非常に重要です。
その他椎間板ヘルニアになったときにしてあげられること
●厳重な安静
最も重要です。
ケージレストを徹底。
排泄時以外
はケージから出さないようにします。
抱っこして移動させる際も
▶体を水平に安定させ
▶背骨を捻らないように
注意します。
●快適な環境整備
◇滑りにくい床材
(マットやカーペット)の設置
◇寝床は
・柔らかく
・体圧分散
できるクッション性の高いもので。
床ずれ防止にも繋がります。
◇食事や水の容器は
・首
・背骨
に負担がかからない高さに設置する。
●排泄の補助
自力で排泄できない場合は
飼い主さんが圧迫排泄
=膀胱を優しく圧迫して排泄させる
を行う必要があります。
獣医師から指導を受けましょう。
●リハビリテーション
・手術後
・内科治療
で改善が見られた場合
・筋力回復
・歩行練習
のためのリハビリが非常に重要です。
・水中療法(ハイドロセラピー)
・理学療法
・マッサージ
などが有効な場合があります。
必ず専門家の指導のもとで行います。
●メンタルケア
・痛み
・行動制限
によって犬は
ストレス
を感じやすいです。
・優しく声をかける
・体を撫でてあげる(痛くない範囲で)
など寄り添うことで
精神的な支えになってあげましょう。
●情報の収集と共有
獣医師からの説明をしっかり理解し
・治療計画
・予後
について質問をためらわないでください。
また、家族全員で病気について理解し、協力してケアにあたることが重要です。
●記録を取る
□症状の変化
□薬の服用時間
□排泄の有無と量
□食欲など
日々の変化
を記録することで、獣医師が治療方針を判断する上で役立ちます。
飼い主の心のケアと情報過多への対処
椎間板ヘルニアは
特に重症化した場合
飼い主さんにとっても非常に精神的な負担の大きい病気です。
情報が溢れる中で

ホンマは何が正しいん?

愛犬のために何をすべきなん?
迷うこともあるでしょう。
インターネット上には
・個人的な体験談
・古い情報
・科学的根拠に乏しい民間療法など
「断片的な情報」
も少なくありません。
例えば、以下のような情報には注意が必要です。
●科学的根拠が乏しい情報
民間療法やサプリメントで

このサプリでヘルニアが奇跡的に治った!

〇〇式マッサージだけで手術なしで治った!
といった
・個人の経験
・未検証の治療法
を強調する情報。
これらの情報は、その効果の
・メカニズム
・犬のどのタイプ
・どの重症度のヘルニアに有効なのか
・副作用はないのか
といった詳しい
・背景情報
・科学的な検証
が欠けていることが多いです。
特定の個体の成功例
を全体に当てはめようとする傾向。
●極端な治療方針の推奨

ヘルニアはこの薬だけで治るから手術なんかせんでもええで

ヘルニア?やったら〇〇療法がベストやで
など
・症状
・タイプ
に関わらず
一つの治療法を断定的に勧める情報。
椎間板ヘルニアの治療は
・症状の重さ
・発症からの時間
・犬の年齢
・全身状態
・ヘルニアのタイプなど
多くの要因で判断されます。
一つの治療法が
▶全ての場合に最適である
かのように断言する情報は、犬それぞれの状況を無視した断片的な視点です。
●特定の症状にのみ焦点を当てた情報

足を引きずってるんやったらヘルニアやで!これ飲ませてみ

痛がってるだけ?やったら大丈夫、安静にしてたら勝手に治るわ
といった
部分的な症状
だけで病気を決めつけ、安易な自己判断を促す情報。
犬の症状は多様であり、同じ症状でも原因は一つではありません。
・全体的な犬の健康状態
・他の症状
を考慮せず
一つの症状だけで
・病気
・治療法
を特定しようとするのは、非常に危険な断片的な情報です
●古いor不正確な医学知識に基づく情報
・現代の獣医学で否定される知識
・根拠が薄い健康情報など。

椎間板ヘルニア!それカルシウム不足やで!
カルシウムは骨の健康に重要です
しかし椎間板ヘルニアの
直接の原因ではありません。
カルシウムの過剰摂取は、別の健康問題を引き起こす可能性もあります。

椎間板ヘルニアなんか、このハーブ毎日飲ませたら完治してまうわ
食事管理は重要です。
しかし、すでに発症したヘルニアを
食事やハーブだけで
完治させることはできません。

ヘルニアの診断?高い検査なんかせんでもレントゲンだけで十分
レントゲンでは
・椎間板
・脊髄
の状態を詳細には評価できません。
正確な診断には
・CT
・MRI
などの専門的な画像診断が必要です。
獣医学は日々進歩しており
過去の情報
は現在では不正確になっていることも。
また科学的な根拠に基づかない
誤解
が広まっているケースもあります。
これらの断片的な情報は
愛犬の最善の治療法の判断に
・誤解
・混乱
を招き、時には
適切な治療の機会
を逃してしまう可能性もあります。
大切なのは
信頼できる獣医師の指示
に沿って治療を進めること。
そして一人で抱え込まず
・獣医師
・家族
・同じ経験を持つ飼い主仲間
と情報を共有し、
サポートを求めることです。
・インターネット上の情報に惑わされず
・主治医とコミュニケーションを密に取る
それこそが
愛犬にとって最善の道を見つける鍵
となります。
まとめ:愛犬との健やかな未来のために、知ること、そして寄り添うこと
椎間板ヘルニアは
愛する家族である
・犬にとって
そして
・飼い主さんにとっても
とても辛く、不安を感じさせる病気です。
しかし、この病気について
・深く知り
・適切な知識を持つ
ことで
予防のための努力
が可能になります。
もし万が一発症してしまっても
・冷静に
そして
・最善の
選択をすることができます。
日々の生活の中で
・愛犬のわずかな変化に気づき
・獣医師と密に連携を取り
必要であれば
・専門医の意見も聞きながら
それぞれの愛犬に合った
・治療
・ケア
を見つけていきましょう。
この病気を乗り越えるには
・飼い主さんの深い愛情と
・根気強いサポート
が何よりも大切です。
痛みと闘う愛犬の姿を見るのは心苦しいかもしれませんが
あなたがそばにいること
が、彼らにとって何よりの心の支えです。
愛犬との健やかな毎日を守るために、今日得た知識が、皆さんの不安を少しでも和らげ、温かい未来へと繋がる一助となれば幸いです。
どうか、かけがえのないパートナーとの日々を、これからも大切に育んでいってください
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