【緊急対応!愛犬の命を守る】熱中症から犬を守る完全ガイド|症状・応急処置・予防策・危険な犬種まで

熱中症 犬の健康

【愛犬が熱中症かも?】
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これ熱中症かな?どうやろ?

と不安な方
まずはこちらの
チェックシート
で症状を確認しましょう。

▶︎熱中症チェックシートで確認する

日本の夏
・私たち人間にとっても
そして
・大切な愛犬にとっても
非常に過酷です。
特に熱中症は、
命に関わる深刻な問題

うちの子は大丈夫!

という思い込みは禁物です。

愛犬が主に
・室内で過ごすか?
・屋外で過ごすか?
によって
・熱中症のリスク要因
・対策の重点
は異なります。
このガイドでは、
すべての犬の飼い主さん
に知ってほしい熱中症対策
・環境別の注意点
・緊急時の対応
を含めて徹底解説します。


熱中症はなぜ危険?見逃しがちな愛犬のSOSサイン

犬は人間のように
全身で汗
をかくことができません。
主に
パンティング(あえぎ呼吸)

パンティング
パンティング=口を大きく開けて舌を出し、ハアハアと速く浅い呼吸をする様子

によって
▶口から水分を蒸発させることで
▶体温を下げます
しかし意図して体温を下げる手段が、この方法だけということは
放熱効率が悪い
と言えます。
そのため
一度上がった体温を下げるのが
人間よりもはるかに苦手
なのです。
ということで犬は
・高温多湿な環境
・激しい運動
で体内に熱がこもってしまうと
体温が異常に上昇します。

この異常な高体温が続くと
▶体内のタンパク質が変性
▶その機能が失われてしまう。
まるで
生卵がゆで卵になると元に戻れない
ように
一度変性したタンパク質は元の状態に戻ることはありません。
このタンパク質の変性によって
▶全身の臓器に重篤なダメージ
・多臓器不全
・脳障害

を引き起こし、最悪の場合
死に至る
こともあります。
たとえ命を取り留めても
一度損傷した
臓器

の機能は完全に回復しないことが多く
重い後遺症
が残る可能性があります。

愛犬のSOSサインを見逃さないで!

熱中症の症状は
進行度合い
によって異なります。
▶早期に気づき
▶迅速に対応する

ことが愛犬の命を救うことに繋がります。

★熱中症チェックシート

初期症状(軽度)

□いつもよりパンティングが
 ・速く
 ・激しい

□よだれが
 ・増える
 ・泡立つ

□ぐったりしている
 ・元気がない
 ・散歩中に座り込む

舌の色が鮮やかな赤色(充血)

尿の色が濃くなる

進行した症状(中度)

ふらつき
 ・酩酊状態
 ・足元がおぼつかない

嘔吐、下痢
(血便・血尿を伴うことも)

歯茎が赤紫色になる
 (チアノーゼ)
 ・呼吸困難

意識が朦朧とする
 ・呼びかけへの反応が鈍い

痙攣

重篤な症状(重度)

意識喪失

けいれんの継続

呼吸停止
 ・心停止


予防が何よりも重要!あなたの愛犬に合わせた対策とは?

熱中症は
「予防こそ最大の治療」
愛犬が主に
・室内で過ごすか?
・屋外で過ごすか?
によって
・特に気をつけたいポイント
・対策
が変わります。


1. 【共通】すべての犬に必須!基本の熱中症対策

愛犬が
・室内
・室外
どちらで過ごしていても
必ず実践してほしい
基本の予防策です。

いつでも新鮮な水をたっぷりと!飲水は命の源

常に
・新鮮な水を
・複数箇所

に用意し
犬がいつでも自由に飲めるようにします。

●室内飼いの場合
・リビング
・寝室
・愛犬が休むことが多い場所
など
▶家の中の複数の場所
▶水飲みボウルを設置しましょう。
動線上に置くことで、自然と飲水量が増えます。

●外飼いの場合
・犬小屋のすぐそば
・日陰の涼しい場所
・愛犬がよく遊びに行く場所
など
▶屋外の複数の日陰
▶水飲みボウルを設置しましょう。
水の温度が上がらないよう
直射日光が当たらない場所を選ぶ
ことが重要です。

●水質と量を徹底管理する
水は
・こまめに交換し
・常に清潔で新鮮な水

を用意してください。
夏場は特に
雑菌が繁殖しやすいので
水飲みボウルも
・毎日きれいに洗い
・消毒する
ことも重要です。
ペットボトルを使うタイプの給水器でも、パーツを定期的に洗浄・交換しましょう

●外飼いの犬はより頻繁に
外飼いの犬の場合、夜間に
・虫が入ったり
・落ち葉がたまったり
することもあります。
▶夜寝る前にも水を交換し
▶翌朝一番に確認する
習慣をつけましょう。
日中も室内犬より頻繁に
・水の温度
・水の清潔さ

をチェックし、入れ替えてください。

●氷を入れる工夫と注意点
暑い日には
水の中に氷を入れてあげる
のも良いでしょう。
ただし
▶大量に入れすぎると
▶急激な温度変化で
▶体調を崩す可能性

があるので
「少し冷たいかな?」
と感じる程度に留めてください。

また愛犬の口のサイズに合わせて砕いて与えるなど喉詰まりに注意しましょう。

散歩の時間帯と方法に細心の注意!

人間にとって

今日はそんなに暑くないやん!

と感じる日でも
犬にとっては危険
な場合があります。
犬は
地面からの距離が人間よりも近いので
・アスファルト
・コンクリート
からの照り返しの熱を直接受けやすい
体感温度は人の想像以上に高い
ことを理解しましょう。

特に日中のアスファルトは
50~60℃を超える
こともあります。
・肉球の火傷
だけでなく
・地面からの照り返しで体温が急上昇
これは命に関わります

●徹底的な時間帯の見直し
散歩は
・日が昇る前
 =早朝5時~6時台
・日が沈んでから
 ▶地面の熱が完全に冷めた深夜
 =22時以降
に切り替えましょう。

●最重要注意点
「夜だから大丈夫!」
という思い込みは危険です。
日中の熱を吸収したアスファルトは
▶夜になっても熱を持ち続けています。
散歩に出る前に、必ず自分自身の手のひらを5秒間地面に当てて
「熱くないか?」
を確認してください。
少しでも熱いと感じたら
▶犬にはもっと熱い
と判断し、散歩を中止する勇気も必要です

●アスファルトを避ける
=「安全ルート」の確保
可能な限り
・土
・草
の上を歩かせましょう。
・公園の芝生
・土の道
・河川敷など
アスファルト以外の場所を選んでください。
※ただしマダニ対策などは万全に

危険生物への対策はこちら▶

●短い時間で切り上げる
涼しい時間帯でも
▶長時間の散歩は避け
▶愛犬の様子を観察しながら
▶短時間で切り上げましょう。
少しでも
・「ハァハァ」が激しくなったり
・歩きたがらなくなったり
したら・・・
ぐに中止して帰宅しましょう

 危険な激しい運動

犬は体温調節が苦手なため
暑い時間帯の激しい運動
は非常に危険を伴います。
夏場は
・ドッグラン
・アジリティなど
ハードな運動は控え
▶涼しい時間帯に
▶軽い散歩程度に留めましょう
・ボール遊び
・引っ張りっこ
なども、愛犬の様子をよく見て
・息が上がっていないか?
・疲れていないか?
を確認しながら行い
無理は絶対にさせないでください。

車内は「あっという間」に危険地帯に!

以下は駐車中の車内温度です

車内最高温度車内平均温度
対策なし・黒57℃51℃
対策なし・白52℃47℃
サンシェード50℃45℃
窓開け3㎝45℃42℃
エアコン作動27℃26℃
真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)より
気温35℃、午後12時から4時間測定

ご覧のように車内は
想像を絶する高温

少しだけやから!

と短時間であっても
夏場の車内に愛犬を残すこと
は絶対にやめてください。
外気温が25℃
程度でも
日差しの当たる車内は
・わずか15分で
・40℃近くに達し

命に関わる高温になります。
エアコンを切った車内は
▶あっという間にオーブン状態
▶犬は自力で体温を下げられない!

上記の表にあるように
・たとえ窓を少し開けていたり
・日陰に駐車したりしても
効果は限定的です。
買い物などで数分離れるだけでも
命の危険がある
ことを深く認識し、必ず
・愛犬を同伴する
または
・涼しい環境で留守番させましょう。

2.【室内飼いの犬】快適空間の作り方と急激な気温差対策

室内で過ごす犬には
・冷房による「冷えすぎ」
・室外との「気温差」
が特に注意点です。

室温・湿度管理の徹底

エアコンを適切に使い
・室温は25~28℃を目安に設定
・24時間稼働
を基本としましょう。
▶電気代を気にして
▶エアコンを我慢することは
愛犬の命を危険に晒します

※愛犬の熱中症の治療には
・軽度で数千円〜数万円
・重度になると数十万円以上
かかることも珍しくありません。
電気代の方が安くつくこと以上に
何よりも愛犬を苦しめずに済みます

【重要】
室温だけでなく
湿度
も熱中症予防には非常に重要です。
湿度が高いと
パンティングによる体温調節
が妨げられます。
・除湿器の併用
・エアコンの「ドライ機能」
を積極的に活用し
湿度は50~60%
を目安に保ちましょう。
梅雨の時期など、それほど気温が高くなくても、湿度の高い日も要注意です。

・犬種
・個体差
によって快適な温度は異なります。
・寒さに弱い小型犬
・高齢犬
は少し高め。
・暑さに強い犬種
は高めでも快適な場合があります。
しかし、何より常に愛犬の様子を観察することが大切です。
最適な温度
は愛犬自身が教えてくれます。

風通しを良くする工夫

・扇風機
・サーキュレーター
を併用し
室内の空気を循環
させましょう。
特にエアコンの必要がない
少し暑いくらいの時は
窓を対角線上に開けて空気の通り道を作るのも効果的です。

●効果的な配置
扇風機を直接犬に当てるのでなく
▶壁に向けて首振り運転など
▶間接的に風を送り
▶室内の上下の温度差をなくす
ことができます。
これは
・直接風に当たるのが苦手な子
・体が冷えすぎるのを防ぐ
などに役立ちます。

冷却グッズの活用

・クールマット
・冷却ベスト
・ひんやりプレートなど
様々な冷却グッズがあります。

●選び方のポイント
〇クールマットは
・ジェルタイプ
・水タイプ
・アルミタイプなど
それぞれ
・冷たさの持続時間
・手入れのしやすさ
が異なります。
愛犬が乗り心地を気に入るかどうか?
も重要です。

〇冷却ベストは
冷やしすぎると
▶低体温症のリスクもあるため
使用中は犬の様子をこまめに確認し、休憩を挟むようにしましょう。

散歩時の急激な気温差対策

室内犬は基本的に
エアコンの効いた涼しい室内
で過ごしている
▶散歩時、外との急激な気温差
▶体が対応しきれず
熱中症のリスクが高まります。

●ウォームアップ・クールダウン
涼しい室内から
▶急に暑い外へ出る
のは負担が大きいです。
そのため、玄関などで少し時間を置いて
▶外の空気に慣らしてあげる
のも一案です。

散歩後も
▶すぐに冷たい場所へ連れて行く
のではなく
▶徐々に体をクールダウン
させてあげましょう。

3.【外飼いの犬】涼しい「避難場所」を確保する!これが命を守る最優先事項

外で過ごす犬には
環境整備
が命を守る鍵となります。

完璧な日陰を作る

犬小屋が日向になっていないか?
時間帯ごとに確認しましょう。
もし日向に当たる場合は
・タープ
・よしず
・遮光ネット(遮光率80%以上)
などを利用して
一日中日陰になる場所
を確保してください。
太陽の動きに合わせて
▶日陰の位置も変わるので
・朝
・昼
・夕
と確認し、必要に応じて設置場所を調整する「日陰の移動」を意識しましょう。

●遮光ネット
を設置する際は
▶犬小屋から少し離して設置する
▶空気の層ができ
▶さらに遮熱効果が高まります。

風通しの良い「抜け道」を作る

・犬小屋の向きを工夫
・風上と風下に障害物がなく、風が通り抜けやすい場所への移動
など風通しのいい環境を作ります。
もし移動が難しい場合は
犬小屋の周囲に隙間を作り
空気が循環する「風の抜け道」
を意識して配置することで、熱がこもるのを防げます。

地面からの熱を遮断する「冷却フロア」

・コンクリート
・アスファルト
は太陽の熱を吸収しやすく
50℃を超える高温
になることがあります。
・犬小屋の下
・犬が過ごす場所

・コンクリート
・アスファルト
の場合は必ず
・すのこ
・ウッドデッキ
・熱を伝えにくい厚手のゴムマット

などを敷いて
地面からの熱を遮断
しましょう。

●意外な落とし穴
真夏になると
・土
・砂利
も日差しを浴びるとかなりの高温に。
できれば
・日陰で地面が湿っている場所や
・コンクリートから離れた場所
を選んであげてください。

体を冷やすアイテムの活用

・クールマット
・クールタオル

・犬小屋の中
・犬が休む場所
に置いてあげましょう。
保冷材を使用するのも有効的です。
ただし注意事項があります。

●保冷材の注意点

特に
柔らかいジェルタイプ
の保冷剤の取り扱い。
家庭で一般的に使われる
ジェル状の保冷剤の
・袋
 =主にポリエチレンなどのビニール素材
・中身
 =水と高吸水性ポリマーが主成分
現在の製品の多くは
万が一少量口に入ったとしても
毒性は低い
とされています。
しかし、犬が
袋を噛み破って
▶中身を大量に食べてしまった場合
高吸水性ポリマー
▶消化管内で水分を吸収して膨張
腸閉塞を引き起こす危険性
があります。
※腸閉塞は緊急の外科手術が必要になる場合もあり、命に関わります。

また
古い保冷剤
(特に固まらないタイプの保冷剤)
には
▶甘みがあり
▶犬が好んで舐めてしまう
「エチレングリコール」
という
非常に強い毒性を持つ成分
が含まれていることがあります。
これを摂取すると
・急性腎不全
・神経症状

  ・ふらつき
  ・痙攣
  ・意識障害など

を引き起こし
最悪の場合死に至ることもあります。
これらのリスクを避けるため、柔らかい保冷剤を使用する際は
犬が絶対に口にできないよう
タオルなどで厳重に包む
手の届かない場所で使う
など、細心の注意を払ってください。
安全性が確認できない
古い保冷剤
使用を避けましょう。
安心して使えるのは
・凍らせたペットボトル
・犬専用の安全な冷却グッズ
です。

 ●扇風機・ミストシャワー
犬小屋に向けて扇風機を回してあげるのも有効です。
ただし
熱風を当てる
だけでは逆効果になります。
水のミスト
などを併用するとより効果的です。
気化熱によって体を効率よく冷やすことができます。

 ●天然の冷却スポット
可能であれば、庭の一部に土を掘り返して湿らせた場所を作ってあげるのも良いでしょう。
犬は本能的にひんやりした場所を探して体を休ませます。

4.【共通】特に注意が必要な犬たち:日本の夏に弱い犬種と毛色の特性

どんな環境で過ごしていても
以下の犬たちは
熱中症のリスクが特に高い
そのため、より一層の
・注意
・配慮
が必要です。
特に、日本の
高温多湿な気候に合わないルーツ
を持つ犬種は、その特性を理解した上での対策が不可欠です。

●短頭種
・フレンチブルドッグ
・パグ
・シーズー
・ボストンテリア
・ブルドッグなど
これらの犬種は共通して
・鼻が短く
・気道が狭いため

▶パンティングでの体温調節が非常に苦手です。
呼吸器系の問題も抱えやすいため、熱中症のリスクが極めて高いことを認識しましょう。

●二層被毛の犬種
・柴犬
・ゴールデンレトリーバー
・シベリアンハスキー
・サモエド
・グレートピレニーズなど
分厚いアンダーコート
・保温性が高く
・熱がこもりやすい

傾向があります。
定期的なブラッシング
▶抜け毛を除去し
▶通気性を良くしてあげましょう。
ただし
安易なサマーカット

・紫外線による皮膚ダメージ
・逆に体温上昇を引き起こす

可能性もあるため、獣医師に相談してください。

●寒冷地原産の大型犬・長毛種
・シベリアンハスキー
・ボルゾイ
・セントバーナード
・バーニーズマウンテンドッグ
・アラスカンマラミュートなど
もともと
極寒の地で暮らすために発達した
・分厚い被毛
・大きな体格
を持つため
▶熱を体にため込みやすく
▶日本の高温多湿な夏には非常に不向き
なのです。
特にボルゾイのようなサイトハウンドは
▶運動能力が高く
▶運動させすぎると
急速に体温が上昇する
危険性があります。

これらの犬種は、夏場は
可能な限り室内での飼育
を検討し
エアコン
による徹底した温度・湿度管理
が不可欠です。
外飼いの場合は、前述の
「避難場所の確保」
を厳重に行い、日中の屋外での活動は避けるべきです。
そもそも
外飼いには不向きな犬種
であることを理解しましょう。

●毛色の濃い犬(黒い被毛など)

黒い毛色は
太陽光を吸収しやすいため
体表温度が上昇しやすい
傾向にあります。
これは、黒い色が
光エネルギーを熱に変換しやすい
という物理的な特性によるものです。
日向にいる時間が長いと
白い被毛の犬に比べて
早く熱中症の症状が出る
ことがあります。
特に夏場の
・散歩
・屋外での活動
では、より一層の注意が必要です。

●子犬・高齢犬
体温調節機能

・未熟
または
・衰えている
ため、特に注意が必要です。

●肥満犬
体脂肪が多く
▶熱を体内にため込みやすいため
▶熱中症のリスクが格段に上がります。

●持病を持つ犬
・心臓病
・腎臓病
・呼吸器疾患
を持つ犬は
熱中症のリスクが非常に高い
必ずかかりつけの獣医師と相談し、個別の熱中症対策を立てましょう。

緊急時の応急処置:命を繋ぐための5ステップ

もし愛犬に熱中症のサインが見られたら
慌てずに
以下の
応急処置
を速やかに行ってください。
この対応が、その後の予後を大きく左右します。

1.涼しい場所へ移動

様子がおかしいことに気づいたら
すぐに
・日陰
・風通しの良い涼しい場所

へ移動させましょう。
可能であれば
・エアコンの効いた室内
へ連れていくのがベストです。

2.体を冷やす(最優先)

複数の冷却方法
を組み合わせて
できるだけ早く体温を下げること
が重要です。
・ご自宅にあるもの
・状況に合わせて
以下の方法の中からできることを
・同時並行で
・可能な限り複数

実行してください。

熱中症で冷やす部位

●全身を水で濡らす
体全体に水をかけてください。
シャワーが使えるなら
冷たすぎない程度の水
を体全体、特に
太い血管が通っている場所
・首
・脇の下
・内股

などにかけ続けます。

とらのすけ
とらのすけ

あ・・頭は冷やさなくていいのかな?

そうです!
基本的には、熱中症の応急処置で
犬の頭に
・直接水をかける
・集中的に冷やす
ことは避けた方がよい
とされています。
犬の脳はデリケートであり
▶急激な冷刺激を与えることで
▶ショック症状を引き起こしたり
▶脳の血管が急激に収縮して
かえって血流が悪くなる
可能性が指摘されています。

【注意!】
・氷水
・極端に冷たい水

厳禁です!
〇血管が収縮し
▶熱を体外に放出するのを妨げる
〇体を震わせて
▶かえって体温を上昇させる
などの危険があります。

●濡れタオルで包む
冷たい水で濡らした
・タオル
・バスタオル
で全身を包み込みます。
タオルが温まったら
▶すぐに交換して冷やし続けます。

●保冷剤の活用
・保冷剤
・凍らせたペットボトル
タオルで包み
・首
・脇の下
・内股

に当てて集中的に冷やします。
皮膚に直接当てると
▶凍傷のリスクがあります!
必ずタオルで包んでください。

※下記リンク先は落ち着いたら読んでください

保冷剤についての注意点▶

●扇風機で風を送る
体を濡らしながら
・扇風機
・うちわ
で風を送りましょう。
気化熱で効率よく体温が下がります。

【重要ポイント】
犬用の体温計があれば
39.5℃程度
まで体温が下がったら
▶冷却を止め
▶すぐに動物病院へ向かいましょう。
急激な体温低下は
低体温症
を引き起こす可能性があります。
体温が下がっていない場合
▶冷却を続けながら搬送します。

3.意識があるなら水分補給

意識があり
自分で飲めるようであれば
少量の水を飲ませてあげましょう。
ただし
無理に飲ませようとすると
誤嚥の危険
があるので注意してください。
意識がない場合は
絶対に水を与えないでください。

4.動物病院へ緊急連絡・搬送

応急処置をしながら
▶すぐに動物病院に連絡
・症状
・到着時間

を伝えます。

可能であれば、複数人で協力し
冷却を続けながら
動物病院へ搬送してください。
車内もエアコンを効かせて涼しく保ちましょう。

※非常時に備え
かかりつけ以外の
夜間救急病院
の連絡先も控えておくと安心です。

5.獣医師の指示に従う

病院に到着したら、獣医師の指示に全て従いましょう。
冷静に
▶状況を伝え
▶不明な点があれば質問してください。

治療と回復:動物病院での処置と自宅でのケア

動物病院では、熱中症によって引き起こされた全身のダメージを回復させるための治療が行われます。

動物病院での治療:獣医師による専門的なケア

動物病院では愛犬の症状の重さに応じて様々な治療が行われます。

●輸液療法
・脱水症状の改善
・電解質のバランス補正
  ・ナトリウム
  ・カリウム
  ・クロールなど

・循環血液量の維持
・ショック状態の改善
のために行われます。

●酸素吸入
・呼吸が苦しい場合
・チアノーゼが見られる場合
  ※舌や歯茎が青紫色になる
に行われます。

●体温管理
・熱中症で高くなった体温を安全に下げる
加えて
・治療中に低体温症にならない
ために、体温をモニタリングしながら冷却を調整します。

●薬物療法
熱中症の治療では、愛犬の症状に合わせて様々な薬が使用されます。
それぞれの薬の
・役割
・副作用
・食事との兼ね合い

について見ていきましょう。

◇抗炎症剤
・非ステロイド性抗炎症薬 – NSAIDsなど

〇役割
全身の炎症を抑えるため

副作用・注意点
胃腸障害
  ・嘔吐
  ・下痢
  ・食欲不振

が主な副作用です。
空腹時に投与すると
▶胃腸への負担が大きくなるため
▶食後に与えることが一般的です。

食事との兼ね合い
・食後に少量のフードに混ぜる
・投薬補助おやつを利用する
などで与えやすくなります。

◇ステロイド剤

役割
・重篤な炎症を抑える目的
・ショック状態の際

副作用・注意点
・多飲多尿
(水をたくさん飲み、おしっこの量が増える)
・多食(食欲が増す)
が見られることがあります。
・免疫力が低下する

▶感染症にかかりやすくなる可能性
・消化器症状(嘔吐、下痢など)

さらに長期投与の場合には
副腎皮質機能亢進症
などのリスクが高まることも。

・薬の種類
・症状
によっては、獣医師から食事制限
【例】
・高タンパク質を避ける
・特定の疾患用療法食への切り替えなど

の指示が出ることがあります。

〇食事との兼ね合い
食欲が増すことがあります。
獣医師から食事量の指示があればそれに従いましょう。
指示がない場合でも
急激な体重増加
には注意が必要です。

◇胃腸薬

〇役割
・嘔吐
・下痢
などの消化器症状を緩和するために処方されます。
・胃の粘膜を保護する
・消化管の動きを整える
など様々な種類があります。

〇副作用・注意点
大きな副作用は比較的少ないです。
種類によっては
・便秘
・下痢
になることがあります。

〇食事との兼ね合い
基本的に食事の影響を受けにくいものが多いです。
食欲不振が続く場合
▶無理に食べさせず、獣医師に相談しましょう。

◇抗けいれん薬

〇役割
熱中症による脳への影響などで、けいれんがある場合に使用されます。

〇副作用・注意点
・眠気
・ふらつき
・食欲の変化
などが見られることがあります。
薬の種類によっては
肝臓に負担
がかかることもあるます。
定期的な血液検査でモニタリングが必要になる場合があります。

食事との兼ね合い
食欲不振が見られる場合は無理強いせず、獣医師に相談してください。

◇利尿剤

〇役割
・腎臓への負担を軽減
・体内の余分な水分を排出

〇副作用・注意点
・脱水症状の悪化
・電解質バランスの異常
 ※特にカリウムの変動
に注意が必要です。
獣医師が慎重に投与量や頻度を調整します。

〇食事との兼ね合い
電解質バランスに影響
を与える可能性
獣医師から
・特定の食事
・サプリメント
に関する指示がある場合があります。


【全体的な注意点】
・処方される薬の種類
・愛犬の体質
によって副作用の現れ方は異なります。
獣医師から薬の説明をよく聞き
・不明な点は必ず質問し
・指示された通りに薬を与える
ことが大切です。
また、薬によっては
食欲不振
を引き起こすことがあります。
食欲がない場合は無理に食べさせず、すぐに獣医師に相談しましょう。

回復期の食事:消化に優しく栄養価の高いものを

熱中症回復期の食事は
・消化器に負担をかけず
・しっかりと栄養を補給できる

ものが基本です。

●初期(急性期を過ぎたばかり)
水分補給が最優先
です。
水だけでなく
・犬用の経口補水液
・薄めたスープなど
を少量ずつ頻繁に与えましょう。
消化しやすいフードとして
・お粥状にしたフード
・ウェットフード
・犬用の流動食など
胃腸に負担をかけないものを選びます。

●回復期
◇高消化性の療法食
動物病院で処方される療法食
※消化器サポート食など
が推奨される場合があります。
これらは
・消化吸収率が高く
・胃腸への負担を軽減する
ように設計されています。

◇少量頻回食
一度に多く与えるのではなく
少量ずつ回数を増やして与えましょう。

◇嗜好性の高いフード
食欲不振が続く場合は、犬の好む嗜好性の高いフードを試してみるのも良いです
アレルギーなどには注意が必要

強化すべき栄養素

●水分と電解質
最も重要です。
経口補水液などで失われた電解質
・ナトリウム
・カリウム
・クロール

なども補給しましょう。

●良質なタンパク質
・筋肉の回復
・免疫力維持

に必要です。
・鶏ささみ
・白身魚など
消化しやすいものがおすすめです。

●ビタミン・ミネラル
全身の機能回復
に不可欠です。
特に
・ビタミンB群
 =エネルギー代謝
・ビタミンC
 =抗酸化作用
に関与します。

控えるべき栄養素

●高脂肪・高繊維のフード
消化に負担がかかる
ため、回復期には避けるべきです。

●刺激物
・香辛料や塩分の多いもの
・人間用の食べ物
は絶対に与えないでください。

●過剰なタンパク質
腎臓に負担をかける
可能性があるため、獣医師の指示に従いましょう。

熱中症の治療費:症状の重さで大きく変動

熱中症の治療費は
・症状の重さ
・入院日数
・処置内容
・使用する薬

などによって大きく異なります。

◇軽度=外来処置
: 数千円〜数万円

◇中度=点滴、短期入院
: 数万円〜10万円程度

◇重度
=集中治療、長期入院、複数臓器不全
: 数十万円以上かかることも。
・点滴
・検査
・薬代
・入院費
などが加算され
重症化するほど高額
になります。
ペット保険に加入している場合は、保険が適用されるか事前に確認しましょう。

その他、愛犬のために飼い主さんができること

●冷静な判断と迅速な行動
熱中症は時間との勝負。
異変を感じたら
▶すぐに涼しい場所に移動させ
体を冷やす応急処置
▶動物病院へ連絡しましょう。

●ストレス軽減
犬も、体調が悪い時は不安です。
優しく声をかけ
▶安心させてあげましょう。
・無理な運動
・刺激
は避け、静かに休ませてあげてください。

●獣医師との密な連携
・治療方針
・自宅でのケア
について
▶獣医師と密に連絡を取り
・指示を仰ぎ
・不明な点は遠慮なく質問
してください。

●再発防止
一度熱中症になった犬は
再発するリスク
が高いです。
今回の経験を活かし、より一層の予防対策を徹底しましょう。

●記録を残す
□症状の推移
□与えた水分や食事の量
□排泄の状況
などを記録しておくと、獣医師が病状を判断する上で役立ちます。

●冷却グッズの準備
万が一に備えて
・濡れタオル
・氷
・保冷剤
などをすぐに使える場所に準備しておきましょう。

●日頃からの健康管理
健康な体

病気に対する抵抗力
も高いです。
・バランスの取れた食事
・適度な運動
・定期的な健康診断
で、愛犬の健康を維持しましょう。

最後に:あなたの知識と行動が愛犬の命を守る

熱中症は
・飼い主さんの意識
・適切な予防策

で防ぐことができる病気です。

今回ご紹介した対策を参考に、愛犬のライフスタイルに合わせて最適な予防法を実践してください。そして、万が一の事態に備え、緊急時の対応を家族全員で共有しておきましょう。

・愛犬の小さな変化に気づき
・常に快適な環境を提供する
ことで
かけがえのない家族を
夏の危険から守り
一緒に快適で安全な夏を過ごしましょう

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