※この記事は栄養成分自体の化学的な性質等を示すものであり、ごはんの効能を表すものではありません。
コリン?
普段生活するうえで
ほとんど聞き覚えの無い栄養素では?
コリン星のゆうこりんを思い浮かべる方もいるかもしれませんが
もちろん全く関係ない
それどころか
文部科学省の
食品成分データベースにも
コリンのコの字も載ってない
もしかして重要度の低い栄養素なのでは?
と思いきや
AAFCOでは基準値が決められている
この基準をクリアするためには
各食品のコリン量を知る必要がある
しかし
日本ではほとんどデータがない
アメリカのデータで、ある程度は知れるが
日本の食材を網羅しているわけではない
困った
ただ・・
AAFCOのコリンの基準量は
卵黄を少しでも摂取すればクリアできる
卵黄と言えばコリン
なのである。
主だった食品のコリン量は
鶏むね | 鶏レバー | 牛もも | サーモン |
62 | 330 | 100 | 91 |
さつま芋 | ブロッコリ | 白ごま | 卵黄 |
13 | 40 | 26 | 680 |
ね!
なので
〇卵にアレルギーを持たない犬では
卵黄を食材として採用
〇アレルギーで卵黄を使えないときは
アメリカのデータを元に計算。
〇掲載がない食材は、よく似た食材から
推測したコリン量を仮採用します。
コリンと言えば卵黄
なので、ここからは卵黄のコリンのお話
日本で基準がないのが不思議!コリンは超重要な栄養素
卵は温めるだけで
たった一つの細胞から
完全な生命体であるヒナが生まれる
すなわち卵黄は
元々必要な栄養素が全て備わっている
=完全栄養食品
ということになるのです。
その卵黄ですが
・脂質 29%
・ビタミン・ミネラル
という感じの栄養構成
その脂質の内、約30%がリン脂質
リンを含んだ脂質の総称
単にエネルギーになるだけでなく
脳や神経組織の細胞膜の一部となる重要物質
リン脂質のうち、約86%を占めるのが
フォスファチジルコリン
これがいわゆる
(卵黄)レシチンのことです。
レシチンは約13%のコリンを含みます
まずはリン脂質・レシチンとしてのコリン働きは?
レシチンの
数ある働きの中でも特筆すべきは
ズバリ!
乳化作用
=水と油を混ぜ合わせる作用です。
細胞の中身は
水溶性・脂溶性のものが
溶けて混ざった物質でできています。
水溶性と脂溶性が溶けあう!
一見矛盾しているように見える
この状態を可能にしているのが
レシチンの持つ乳化作用。
※わかりやすい例を挙げれば
卵黄のレシチンの作用のおかげで
油と酢が乳化したのがマヨネーズ
・細胞から老廃物を排出させる
これらの作用は、乳化があってこそ円滑にできるものなのです。
またレシチンは、
全ての細胞で細胞膜として
全ての細胞で
ですよ!
・酸素や栄養分の吸収
・老廃部の排泄
・様々な情報の伝達
など
生命活動に欠かせない、重要な働き。
レシチンなどのリン脂質が不足すると
細胞膜が弱くなり
・赤血球などの細胞の破壊や
・血管がもろくなり脳出血などの原因
わんちゃんの体で基本中の基本
ともいえる細胞の活動に欠かせない!
そんなレシチンを構成する
重要な物質がコリンなのです。
コリンの重要な働きの一つは脂質の代謝
血液の中には4種類の脂質があります
・中性脂肪
・リン脂質
・遊離脂肪酸
これらの代謝(主にコレステロール)が
うまくいかないと
悪玉コレステロール(LDL)が
血管壁に沈着
⇒高脂血症や動脈硬化の原因
となるのです
コリンには
・特に血中コレステロール低下作用
があり、コレステロールや中性脂肪の量を適正に保つよう働きます。
またレシチンの乳化作用により
⇒血液の流れがスムーズになる
肥満や動脈硬化を防ぐだけではなく
細胞全体の活性化を促しています
さらに体内の脂質代謝のボスともいえる
肝臓において
コリンは
・肝臓の脂肪変性を防ぐという
・抗脂肪肝作用によって
・脂質代謝異常を改善
することが期待されています
脳を活性化!コリンは犬のてんかんや認知症改善に期待
認知症は外傷性のものを除くと
・脳血管性
と大きく2つに分類されます
脳血管性は
・脳血栓
・脳梗塞
などの
脳の血液循環障害が原因のもの
これに関しては先に出ました
レシチンの
・血中コレステロール低下作用
・乳化作用で血液の流れをスムーズに
が効果を発揮すると考えられます。
さらにすごいのが
アルツハイマー型認知症に関して
アルツハイマーの脳では
神経伝達物質である
アセチルコリンが
著しく減少しています。
なので
=認知症改善につながる
と考えられています。
そのアセチルコリンの原料が
何を隠そう
卵黄のコリンなのです。
コリンは卵黄だけではなく
大豆にも多く含まれますが
脳関門を通過できるのは
卵黄のコリンだけ
脳に毒物や不要なものが入り込まないように防ぐ組織
なので
卵黄を摂取することで
脳内のアセチルコリン濃度の増加
が期待できるのです!
またコリン⇒アセチルコリンの合成
に必要な酵素の働きが
ビタミンB12で活性化されます。
ということは、卵黄といっしょに、レバーとか牡蠣とか、ビタミンB12の多い食材を食べると効果がアップするんだね
ヒッポのごはんでは
てんかんの予防・改善でコリンに期待
脳内の神経に異常な興奮が起こり、体のコントロールを失ってしまう症状
アセチルコリンは
脳の神経伝達物質として最も重要なもの
なので卵黄を摂取することで
・脳神経や細胞膜を健全に保ち
・脳自体をより健康にできると考えます。
他にもまだまだある!コリンの重要な働き
人のデータからの引用で
わんちゃんに関係ありそうなものは
・血圧を低下させる
・皮膚の新陳代謝を活発にする
など、挙げればキリがないかも・・
これだけ重要な役割があるのに
日本では必須栄養素とされてないなんて!
アメリカでは
などの理由で必須栄養素とされています。
手作りごはんでも、卵黄を少し加えるだけでいいんだって!卵黄だけならアレルギーの可能性も低いしね。
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