わんちゃんも大好き!なのにサーモン・鮭は犬の手作りごはんではちょっと使いにくいかも

犬の食材

※この記事は栄養成分自体の化学的な性質等を示すものであり、ごはんの効能を表すものではありません。

ネットやレシピ本でも
「犬に食べさせても大丈夫」
と紹介される鮭やサーモン。

特に外国産のフードでメインの原料で使われていることが多いイメージ。
食いつきもいい人気の食材。
しかも自然の食品ではなかなか摂れない、抗酸化作用のあるアスタキチンを摂取できる優秀な食材!

とらのすけ
とらのすけ

でもパパさんは、あんまりごはんでは使ってないみたい。使っても極極ちょっとだって。

ネットや本で紹介されるレシピでは、メイン素材として登場することもある食材。
「なぜあんまり使わないの?」
その理由は大きく分けて3つあります。

まずは食材としてのサーモン・鮭の種類を見てみましょう

魚屋さんやスーパーでも、毎日必ず並んでいる身近な食材であるサーモンや鮭。
色んな種類がありますが、
・手に入れやすさ
・流通の安定性
という点に注目すると、わんちゃんのごはんで食材として使えるのは
・銀鮭
・白鮭
・大西洋サケ

 アトランティックサーモン)
・ニジマス海面養殖
 トラウトサーモン)
の4種でしょうか

「鮭」と言えば紅鮭を思い浮かべる方も多いと思いますが、購入できるのはほぼ塩鮭か加工品。
ロシア産・カナダ産など極まれに鮮魚も見かけますが、非常に手に入りにくいので除外しています。

ひとつずつ見ていきましょう

◎銀鮭
身は濃いオレンジ色。
出回るのはほぼチリ産の養殖物。
4~6月にまれに国産養殖を見かけます。

◎白鮭
いわゆる一般的な「鮭」
身色は薄いオレンジ色。
お店に並ぶのはほぼ天然物。
季節により呼び名が変わります。
・秋鮭 北海道で9~11月に獲れる
・時鮭 5~7月に獲れる
 =季節外れ=時知らずという意味
・他、鮭児目近なども全て「白鮭」

※文部科学省の栄養データベースでは
 「しろさけ」の1種のみ記載。
季節により栄養成分には誤差がでます
が、そこまでは把握できないのです。

◎大西洋サケ
(アトランティックサーモン)
※以降アトラン
いわゆるサーモン
お刺身や寿司のサーモンと言えばこれ
養殖で一番流通量も多い

◎ニジマス海面養殖
(トラウトサーモン)
※以降トラウト
厳密にいえば鮭ではなくニジマス
鮮魚での流通量は少なく、スーパーなどで見かけるものは、ほぼ冷凍or解凍
知名度も低めでは?
国産ご当地サーモンに多いが超高級。

鮭・サーモンにもいろんな種類があることがお分かりいただけたと思います。

では本題にいきましょう!

ヒッポのごはんであまりサーモン・鮭を使わない理由ベストスリー!

問題①:養殖なので脂が多すぎる問題

めっちゃ脂がのって美味!
と喜ぶのは人ばかり。
銀鮭・アトラン・トラウト
全て養殖
で、脂質量が気になるところ

各サケの脂質量を見てみると

銀鮭アトラントラウト白鮭
12.816.514.24.1
※単位はg/100g

肉では、鶏むねが1.9・鹿が4.0
比較するとその脂の多さに驚き!
白鮭には脂は少ないです。
が、別の問題があるのでまた後で。

ただ脂が多いとはいえ、魚なので
DHA/EPAなど
良質のオメガ3が多く含まれます。
※健康に必須!オメガ3の詳細はこちら
場合によっては
積極的に取り入れるのも
そこで不飽和脂肪酸(オメガ3.オメガ6)の量やバランスに注目してみると

〇DHA+EPAの量
単純にDHA/EPAを多く含むのは?

銀鮭アトラントラウト白鮭
12008401900600
※単位はmg/100g

〇全脂質中のオメガ3割合
オメガ3摂取に優秀なのは?

銀鮭アトラントラウト白鮭
15.9%11.8%18.0%22.4%

〇全脂質中のDHA/EPA割合
DHA/EPA摂取に優秀なのは?

銀鮭アトラントラウト白鮭
9.4%5.1%13.4%14.6%

〇オメガ6=1に対するオメガ3量
数字が大きいほど摂取バランスがいい

銀鮭アトラントラウト白鮭
1.2倍0.8倍5.0倍13.1倍
白鮭はこの比較では非常に優秀な数値。
ですが
元々脂質量が少ない&別の問題がある
ので比較対象外とします

ということで
圧倒的に優秀なのは
トラウトサーモン
・DHA/EPAの量
・脂肪酸のバランス
何につけても青魚にも引けを取らない!
ですが!
ちょっと手に入りにくいかも・・・

銀鮭
オメガ3比率は高いが、オメガ6も多い。

アトラン
DHA/EPAが少ない上に
魚なのにオメガ6の量の方が多い!

一番手に入れやすいのがアトラン
ですが嗜好性の高さ以外、使用するメリットがこれと言ってないように見えます。

とらのすけ
とらのすけ

しかもアトランは「めっちゃ値段も上がってる~」ってパパさんが泣いてました。

問題②:白鮭限定の問題・・・ビタミンDの過剰

低脂肪ではあるものの、不飽和脂肪酸(オメガ3.オメガ6)の量やバランスでは非常に優秀な白鮭
多くの本やネットのレシピでも「メイン」の食材として使われることも多い。
ですが一つ大きな問題が

圧倒的なビタミンD量!

ビタミンD自体はカルシウムの吸収を助けるなど、わんちゃんの体になくてはならない栄養素。
最近では、腸粘膜の細胞同士の結合を強化しLGS(腸漏れ)を防ぐことで、免疫の向上に関わるなど、世界的に注目されるビタミンでもあります。

ですが、
脂溶性のため体に蓄積する
ので、その上限が定められています。

ビタミンDの過剰では

・高カルシウム血症
・血管や臓器にカルシウム沈着
・腎機能障害
・食欲不振・嘔吐

など様々な症状が現れます。

すごく単純に(他の栄養成分は考慮せず)
白鮭:さつま芋=1:1
というごはんでは
一日のビタミンD上限の7倍もの量を摂取することになります。

数日のごはんであれば、問題はないですが
これが1か月も続くとなると・・恐ろしい

逆に【毎日あげない・少量ずつ】などメインで使うのでなければ、ビタミンDとオメガ3の供給源として非常に優秀な食材だとも言えるのです。

問題③:総合的に見て・・・ほかの魚でもええんとちゃう?!

わんちゃんにとって
魚を食べる一番のメリット
DHA/EPAが摂取できること

DHA/EPAは
同じオメガ3であるαリノレン酸から、体内で変換できますが、その量は限定的。
健康のためには直接摂取するのが望ましいのです。

ではここで他の魚も交えて
DHA/EPA量に注目すると

大西洋鯖いわしにしんトラウト
4400165016501900
※単位はmg/100g

やはり青魚が優秀!
中でも大西洋サバ(ノルウェーサバなど)の量が圧倒的・・・
でも大西洋サバは他の脂質量も半端ない!
と言うか
こうしてみるとトラウトの優秀さがかなり光って見えます。

しかしここで注目したいのは
量ではなく割合の方

〇全脂質中のオメガ3割合
オメガ3摂取に優秀なのは?

大西洋鯖まあじいさきトラウト
24.5%23.3%25.8%18.0%

〇全脂質中のDHA/EPA割合
DHA/EPA摂取に優秀なのは?

大西洋鯖まあじいさきトラウト
16.4%19.3%20.413.4%

〇オメガ6=1に対するオメガ3量
数字が大きいほど摂取バランスがいい!

大西洋鯖まあじいさきトラウト
10.3倍8.1倍8.2倍5.0倍

割合に注目すると
・まあじ
・いさき

が非常に優秀であることがわかります。

なぜこの2種を取り上げた

それはこの2種の魚・・・
旬の時期、産地によっては
サバにも負けない脂のり
になるから!

栄養データベースの脂質量は

大西洋鯖まあじいさき
26.84.55.7
※単位はg/100g

とありますが
特にいさきに至っては
白身のトロ
と呼ぶにふさわしい脂のりに!

脂質量がぐっと増える時期に
最高のバランスでオメガ3を摂取!

とらのすけ
とらのすけ

パパさんは魚の目利きのプロ中のプロなんだよ~

以上を考えると

4~6月 脂のったイサキを使用
5~8月 脂ののったマアジを使用
その他 大西洋サバを使用
脂質量がめちゃくちゃ多いので注意!
通年 手に入ればトラウトを使用

みたいな魚の使い方に加え
旬の脂ののった魚を臨機応変に取り入れるのが最善かと思われます!

サーモンは妊婦さんに食べさせてはいけない!?危険な食べ物?!

一般のご家庭で、愛犬の手作りごはんで
「サーモン」
と言えば、手に入れやすさから
おそらくアトランを使うことが多いのではないでしょうか?

アトランには
先程の「脂質量と脂質バランスの悪さ」という問題の他に
最も危険な魚との噂もあり

ネットでも

・狭い場所に押し込めて育てる
 =病気を防ぐため大量の抗生物質
・餌に殺虫剤(エントキシン)の使用
・身を赤くするための着色料
ダイオキシンが含まれる
アニサキスの存在

などなどの情報が散見されます。


しかしながら結論から申し上げますと
サーモンは安全な食品
です。

と言うのも、
現在市場で流通するサーモンのほとんどが、ASC認証を取得したものだから。

ASC認証は
・使用する飼料
・飼育環境など
厳しい条件をクリアしないと獲得できない
非常に高い安全性を示すものなのです。
逆に日本でASC認証を取得しているは、極一部の養殖業者さんのみ。

それに加えて見てみると

〇抗生物質が多かったのは20~30年も前。
現在使用量は99.9%削減されている。

〇ダイオキシン、他重金属などは
EUの制限値をはるかに下回る

〇飼育環境において
海水量におけるサーモン量は約2.5%
過密とは程遠い

〇アニサキスは元々天然魚の餌になるオキアミなどにアニサキスが寄生。
それを食べることで内臓に入るから。
人工の飼料で育つサーモンには、アニサキスは限りなく0に近いと言えます。

〇着色料は今話題になっている赤色3号のようなものではなく、天然由来のアスタキサンチンが使われることがほとんど。
アスタキサンチンは抗酸化物質として、サプリにも使用される安全性の高い物質

殺虫剤であるエントキシンが飼料に使われていることがあるのは事実。
飼料に使われるフィッシュミールを船舶で輸送する際、乾燥による発火を防ぐため、エントキシンの使用が義務付けられています。(WHOで基準)
しかしこれは、何もサーモンに限った話ではありません。
日本でもフィッシュミールを海外から輸入している場合は、エントキシンが使われています。

とらのすけ
とらのすけ

エントキシンのせいでサーモンが危険と言われるなら、ほぼすべての養殖魚が危険ということになるんだね。

安全性に関しては
サーモンはほぼ問題がない
と言えます。
安心して食べさせてあげましょう!

ただし脂質量・脂質バランスに関しては、他にもっと優秀な魚もあるので、よほど
「うちの子はサーモンしか食べない!」
みたいな事情がない限りは、他の旬魚をおすすめします。
めっちゃ値段も上がってますしね~

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